《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第14話 昔馴染みの探索者!
後ろを振り返ると、ハヤトは見知った人の名前を呼んだ。
「ダイスケさん!」
筋骨隆々。既に30代後半だというのに、ど派手な赤い服を著こんでいる。だが、それは一つとして悪目立ちをしていない。そんな男がハヤトの後ろに立っていた。
「おお、ハヤトか! 元気してたか? 二年ぶりだな」
ハヤトには気が付いてないかったのか、快活に挨拶してきた。
「ダイスケ? まさか、お前が阿久津大輔か!」
一方、目の前の青年は突然の者が思わぬ有名人で聲を荒らげた。
「おう、俺がその阿久津大輔よ」
阿久津大輔。日本人で知らぬものはいないほど超有名なAランク探索者。ランキングは日本で上位三番目。『世界(W)探索者(E)ランキング(R)』78位という人間を完全にやめちゃってる人だ。そして、ハヤトと同じくダンジョン攻略の最古勢でもある。
「んで、ハヤト。これはいったいどういう狀況だ」
「こいつらが死漁り(スカベンジャー)です」
「そりゃ、本當(マジ)か?」
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「はい。俺は先日こいつらにモンスタートレインを仕掛けられました」
「はー。お前にモンスタートレインを仕掛ける馬鹿がいたのか。ま、ここは俺に任せろや」
「……くそっ!」
流石に『WER』78位の化けには勝てないと思ったのだろう。青年たちはがっくりとうなだれると、全てを諦めたようにその場で力した。
「助かりましたよ、ダイスケさん」
「へぇ! ハヤトが人をさん付けで呼ぶようになったとはな!」
そう言ってダイスケは笑いながらハヤトの背中をバシバシ叩く。
《親戚のおじさんみたいな人だな》
(……その認識で間違ってねえよ)
「最近、どうしてたんだ。あれからお前の話はめっきり聞かなくなったけどよ」
「まあ、ぼちぼちやってましたよ」
あれから、というのは五層の攻略の話だろう。全員で挑めば勝てるからとダイスケから攻略のいをけたが、何を勘違いしたのかハヤトは拳だけで五層に挑んで見事に返り討ちにされたという黒歴史のことである。
「けどその調子をみるにまだ探索者やってたんだな。良かったよ。お前は俺より強かったからな」
「昔の話ですよ。それに、俺のほうが若いですし」
今ではダンジョンで強敵と戦い続けているダイスケのほうがはるかに強いだろう。なんてったって78位だし。
「俺はおじさんってか。ははははっ!」
大笑いするダイスケ。
……二年経っても、この人は変わんないなぁ。
「パパー。この人は?」
ダイスケと話していると後ろからこれまた真っ赤な服を著た5歳くらいのがやってきた。
「パパの仕事仲間だよ」
「探索者だ!」
「初めまして、ハヤトだよ」
「アオイは、葵(あおい)っていうの」
「アオイちゃんか」
「うん。アオイはね、パパみたいな探索者になるの!」
「そっか。パパみたいな探索者に……」
……『WER』78位?
「……頑張ってね」
「こらアオイ。パパの邪魔しないのよ」
座席に座ってるのは奧さんだろうか。モデルみたいな人が赤ちゃんを抱えて座ってた。アオイは彼のほうに可らしく走っていくと、隣に行儀よく座った。
「娘さんですか。大きくなられましたね」
実を言うとハヤトは二年前に一度アオイに會っている。あの時はまだとても小さかった。
「ああ、家族は良いぞ……って、すまん。お前に言うことじゃなかったな」
「いや、別に良いですよ。気にしてないですから」
家族から捨てられたという話は、最古勢でもハヤトと仲の良かったものはみんな知っていることだ。
「ハヤト、もし金に困ってるようだったらいつでも言ってくれ。裝備代くらいは出してやるから」
二年前、いつも掌(てのひら)をまみれにして戦っていたハヤトに対して武を買うといってくれた探索者たちはなくなかった。14歳の親から捨てられた年がを壊して戦っているのだ。気の良い連中はしでも助けたかったのだろう。
……なーんでイキっちゃったかな。
俺には拳一つで十分なんだとび散らかしていたのが懐かしい。っていうか、恥ずかしい。
「いいですよ。いつも言ってるじゃないですか、裝備買えなくても生活には困ってないって」
《……ん?》
「あんな襤褸(ぼろ)切れみてえな服きてダンジョンでモンスター食ってた奴が言うセリフじゃねえよ」
「うっ……。でも、最近改善してるんですよ。今日のランチはパスタでしたし」
「なんだ、ちゃんと飯食ってんじゃねえか」
「いや、人をなんだと思ってるんですか」
「そりゃ飯も食えねえ貧乏人だろ」
「ぐっ……」
「ウチに來たらいつでも嫁さんの旨い料理をくわしてやるぜ」
「へっ。エリナのほうが旨いですよ」
「エリナ?」
ダイスケが首を傾げると、先ほどからハヤトの後ろで荷を抱えていたエリナが一禮した。
「お兄様がお世話になっております。妹のエリナです」
「妹さんか。そういや妹がいるって言ってたな」
「料理上手なんですよ」
本當の妹にはもう二年近く會っていない。あの家(・)には似つかわしくないほどに優しい子だった。今頃、何をしているだろうか。
「へえ、そりゃ興味あるな。ウチの嫁さんとどっちが旨いのか、勝負してくれや」
「ええ、むところですよ」
《どうして自分の力じゃないもので、そこまで勝負を挑めるのだ……》
二人の會話を聞いていたヘキサは呆れ顔。
「なぁ、ハヤト。お前、うちのクランにる気はないか?」
「どうしたんですか、急に」
「……ウチの一人が辭めることになってな」
ダイスケのクラン「ヴィクトリア」は前線攻略者(フロントランナー)しかいないガチ攻略クランである。なんと「ヴィクトリア」にはA,Bランクの冒険者しかいない。Dランクのハヤトがり込める余裕などないだろう。
「なんでまた」
「戦乙‘s(ヴァルキリーズ)のおっかけやるらしい」
「……ダイスケさんのクランなら、募集かければ人で溢れ返るでしょうに」
「団試験が厳しいとかで、最近あんまり芳(かんば)しくなくてな」
「ちょっと緩くしたらどうですか? 育とかもしてるんですよね」
「どこも人不足でな。お前が団すれば月謝でこれくらいは出すぞ」
そう言ってダイスケが指を五本立てた。
「5萬ですか!?」
「いや、50だろ……常識的に考えて……。なんで5萬でそんな喜ぶんだよ……」
「じょ、冗談ですよ……。でも、申し訳ないですけど、お斷りします」
「他のクランにでもわれてたか?」
「……俺は、自分の力で追いつきたいんです」
「……ほう」
「一か月で、前線攻略者(フロントランナー)になってみせますよ」
「はははっ。やっぱりお前は変わってねえな。じゃあ、上で待ってるよ」
その時、大きく電車が揺れて目的の駅に電車が到著した。
「んじゃ、こいつらを警察に突き出すとするか」
「ですね」
それからハヤトは狀況説明だけで6時間くらい警察署にいた。擔當者の話によると、死刑は免れないとのことだった。だが、死漁り(スカベンジャー)は組織的な犯行だから、これで無くなるということはないとも言われた。
家に帰るとエリナはぐっすりと寢ていた。ハヤトは彼の頭を一度優しくなでて、布団の外に橫たわるとすぐに睡魔に襲われたのだった。
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