《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第8-2話 絶の踏破者!

「ただいま~」

ロンドン発東京著のクソ長飛行機がようやく田の土地を踏んだ。隣に座っていたエリナが到著したことに気が付いたのか、ゆっくりとを起こしてちらりとこちらを見た。

「もうついたのですか?」

「今ね」

「まさか帰るときはちゃんとした飛行機に乗れると思ってませんでしたよ」

「ははっ。それな」

帰國時には“草薙”がどうにかするからと言われて、つい先日自分の名前がったパスポートを手渡されたのだ。それにはエリナの分もあり、國でどういう扱いになっているのか分からないまま2人は普通のパスポートを持って帰國したのである。

「まあ、俺はもう海外に行くことは無いからいい経験になったよ」

「え、行かれないんですか?」

「だって許してくれないでしょ」

「ああ……」

三家”関連の人間は生半なことでは出國できない。別に海外に行きたいわけじゃないからそれでいいのだけれど。

「免稅のやつ書いたか?」

「あ、書いて無いです。でもこれ要ります? 私たちお土産とか何も買ってないですよ?」

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「いるかもしれんから一応書いておこう」

どうせ飛行機から降りるまでまだ時間かかるし……。

「そう言えば咲桜(さくら)さんとかにお土産買ったほうが良かったのかなぁ? でもあの人何でも持ってそうな気がしてなぁ……」

「ご主人様、お土産は何を買うかじゃなくて誰が買うか、ですよ。気持ちですから」

「そんなもんかねえ」

心地よいCAさんの聲を聞いているとどうやら飛行機がゆっくりと速度を落とし始めると、完全に停止。

乗客たちがざわざわし始めて降りていく。とりあえず立つだけ立って荷降ろそうっと……。

俺は立ち上がるとと大きくばした。

あー、がバッキバキだぁ……。

「しかし、お金はあるのにエコノミーってどうかしたんですか? ご主人様だけでもファーストクラスに乗ればよかったのに……」

「……一杯だった」

「へ?」

「いや、ヘキサからその存在は聞いててな? 俺とエリナと澪の分を取ろうと思ったんだよ」

「結構思いきりましたね……」

「そしたらさぁ、座席が8個あって全部埋まってたんだよねえ」

「へえ。どなたが乗ってたんですか?」

「アメリアだろ? ダイスケさんと、ヒロ、そしてイグレスさん。ユウマとマヤだろ? あとアイゼルもファーストにしたって言ってたな」

「み、から7人も乗ってるんですか……」

「ああ。てなわけでファーストにはのれなかった。んで、チケットの取り方で四苦八苦している間にビジネスクラスもアウトだったわけ」

「へー。そんなことになってたんですねえ……」

いつもならエリナがチケットの売買をやっているのだが、今回は々あってハヤトがやることになっていたのだ。まあ、彼としても別にファーストクラスやビジネスクラスに乗りたかったわけじゃないので、別に構わないのだが。

「さ、降りましょう……って、澪様がまだ眠ってますよ……」

だいぶ客が降りるのを待っていたので、ほとんど最後になってしまったが、どうやらハヤトの弟子はまだ眠っているみたいで。

「起こそう。おい、澪。起きろ」

「んあ? ああ、師匠。おはようございます……」

「ついたぞ、日本に」

「へ!? ついたんですか!!?」

その瞬間、ガバっと起き上がる澪。そいやルネはなにやってんだと思ったら、澪のポケットの中で眠りこけていた。君たち仲良いね。

「荷降ろしてやるから。場所は?」

「あ、この上です」

そんなわけでキャビネットから荷を降ろして、まだ眠そうな顔をしている澪の手を引きながらハヤトたちは飛行機から降り立ったのである。CAさんたち遅くなってごめんなさいね。

「うわぁ! 見てくださいご主人様! 看板が日本語ですよ!」

「わっ。ほんとだ。漢字とか數か月ぶりにみた」

「おおー、聞こえてくる言葉が日本語ですよ」

3人とも好き勝手なことを言って初帰國を楽しむ。すげー、聞こえてくる言葉を英語から日本語へ変換しなくていいから脳が楽だ。

けで3人はちゃんと荷け取ると、東京行の電車のチケットを買いに行く。ここから久しぶりの自宅まであと數時間だ。

「……遅かったね」

「ん? シオリか」

そういえばこいつもエコノミーだったな。

「弟子待ちだったからな」

「そう」

凄くどうでもよさそうにシオリはぽつんと言った。彼は日本では有名人のはずなんだが、マスクとかサングラスで変裝していなかった。奧の方からちらちらとこっちを見てくるユイはマスクとサングラスで完全に変裝しているのにも関わらず、だ。

「……何やってんの」

何度も何度もこっちを見てくるので、ハヤトはわざわざユイのほうに足を運んでそう聞いた。

「べ、別に何でもないわ……。ってよく分かったわね」

「前にもその変裝見たことあるし……」

「あれ? 意外と記憶力良いの?」

「まあね」

「ドヤ顔で謙遜しても良い事ないわよ……」

「そ、そうか……」

そんなこんなでみんなで揃って田を出ようとしたタイミングで、ここ一番會いたくない男の2人組がやってきた。

「……久しぶりだな」

中年の男の方がぽつりと呟く。

《うわっ。すっごい久しぶりに見た》

(……それな)

數か月ぶりに見るその2人組の顔はひどく疲れているようで、それでも目の底にる炎だけは爛々と輝いていた。

「どしたんすか」

「……“上”から頼まれてな」

公安零課の2人組がそこにいた。

この二人が“上”っていうと“八咫”か。その八咫がこの2人に頼むってどういうことだろう……?

“八咫”と“草薙”はくっそ仲が悪いし、俺個人としては“八璃(やさかに)”のように“八咫”と何かの繋がりがあるわけではない。

だから公安零課の2人からそう言われても、どういうことなのか何も理解が出來なかった。

「狀況を簡単に説明しよう」

2人組の若い方がそう言った。こっちの名前は維月ケイだったかな?

「先日、“八璃(やさかに)”の本家が襲撃をけた」

「……は?」

「そして、“草薙”の當主が意識不明の重で今朝がた見つかった」

それを聞いた時、俺は目の前の男が冗談を言っているのではないかと思った。

「……つ、ツバキは大丈夫なんですか?」

ハヤトが尋ねるとケイは首を振った。

「君の婚約者は行方不明のままだ」

それも、噓だと思った。

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