《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第8-4話 敗北の踏破者たち!
「厄日だぜ全くッ!!」
藤堂はを殺す気で銃を連するものの、は『天降星(あまだれほし)』で銃撃のエネルギーを全て地面に流す。だから、藤堂の銃弾がに當たるたびにアスファルトが1つ、また1つと削れていった。
「スキルも使って良い! こいつをここで止めるんだ!!」
藤堂がぶと同時にケイがに攻撃を仕掛けた。銃弾のきを完全に把握できる藤堂を信頼してこその接近。バタフライナイフを取り出して、の首を斬りにかかる。だが、はデコピンでもするようにケイのバタフライナイフを弾くと、それで弾限界を超えたナイフがへし折れた。
「……ッ!」
「その勇気や、良し」
がそっとケイのに手を當てた。
流石にまずいと思ったハヤトは槍を生み出して投擲。目の前のに向かって己のステータスを活かした全力の投擲を投げこんで……ヒュパッ! と、はタイミングを合わせて槍を摑んだ。
「……無茶苦茶だッ!!」
ハヤトは歯噛みをすると同時に剣を生み出してに接近。だがはハヤトに目もくれず、両足で地面を蹴り上げた。その瞬間、の両足から生まれたエネルギーは凄まじい速度で彼のを駆け抜けて――発。
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の重さが足りないのなら、速さでそれを補ってやればいい。
次の瞬間、ケイの部が大きく凹むとそのまま吹き飛んだッ!!
「……クソッ!!」
間に合わなかったことに悪態をつきながら、ハヤトはまっすぐ剣を振り降ろす。その時、はじめての視線がハヤトを捉える。そして、まっすぐ振り下ろされた剣を左手でそっと捕まえた。
……まずいッ!!
ハヤトは慌てて剣から手を離すと同時にの右手が煌めいた。
「『彗星(ほうきぼし)』」
ぐるり、とのを巡ったエネルギーがハヤトに返されて――。
「舐めんなッ!!」
の右手にハヤトは左手を合わせると、拳をそっと包んでエネルギーを回転。脊椎を中心に回転。衝撃を右手から撃ち放つッ!!
「『彗星(ほうきぼし)』ッ!!」
「……ほう?」
はその技を見て、ほほ笑んだ。相手の攻撃をそのまま撃ち返すハヤトの『彗星(ほうきぼし)』を、は自分のに撃ち込ませて……。
「こう」
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再びの『彗星(ほうきぼし)』。ハヤトが返した衝撃を、返(・)し(・)て(・)き(・)た(・)!
「……ッ!!」
ハヤトはとっさに『天降星(あまだれほし)』で衝撃を地面に流した。だが、想像していたよりも攻撃が重(・)い(・)。
これはただの『彗星(ほうきぼし)』じゃない! 衝撃を加算して返す別の技だッ!!
「よくぞ、返した」
「お前は、誰だ……」
ハヤトは恐る恐るその言葉を口にした。
……完璧なのだ。このが使う“天原”の技はまさに極みに達している。
「名乗り遅れたの」
はそっとほほ笑んで、
「『百鬼夜行』が頭(かしら)、天原天日よ」
「……馬鹿なッ!」
その名前を聞いて、一瞬ハヤトの脳がフリーズした。
《……知り合いか?》
(天原天日は、“天原”の初代當主だ……ッ!)
《初代……? おい、冗談も大概にしろ。天原の初代が何年前の存在だと思ってるんだっ!》
(俺も冗談だと思いてぇよッ!!)
だがの顔にはわずかにハヤトと同じような面影がある。いや、分かっている。數十代前の祖先に似ているはずがないということくらい、本能的に理解している。
けれど、どこか似ている……ッ!
「名乗れ。私の子孫よ」
「天原、ハヤトだッ!」
その名前を聞いた時、天日(あまひ)は心の底から嬉しそうに笑った。
「そうか! お前がそうなのか!! “天”の名を授けられなかった“天原”は!」
「ああ、そうだ」
ハヤトは既に臨戦態勢。しかし、天日(あまひ)はハヤトに手を差し出した。
「どうだ? 私とともに來ないか?」
「……何の、話だ」
「っているのだ。『百鬼夜行』にな」
「はッ! 咲桜(さくら)さんを倒してツバキんとこに襲撃した連中のとこにるわけがないだろっ!!」
ハヤトの言葉を、しかし、天日(あまひ)は鼻で笑った。
「犬だな」
「何だと?」
「弱者が故か、すっかり飼いならされておる」
「…………」
「本當のお前はどこにいる」
「…………俺はッ!」
ハヤトの両足が地面を蹴った。
目の前のが“天原”の初代當主である保証はどこにもない。むしろ噓である可能の方が高い。しかもこいつは『百鬼夜行』のトップだ。なくとも2つの“三家”が狙われている以上、國家転覆が目的という可能は捨てきれない。
ならばここで戦闘不能、もしくは行不能にしておくべきだッ!!
そうすれば“魔”の集まりである『百鬼夜行』は簡単に崩壊する!
そう思って『星走り』を使った。だが、心が付いて來なかった。
「この距離での『星走り』は弱いの」
はいとも簡単にハヤトの手を摑んで。
「これは返さんでおく」
そういって、地面に衝撃を流した。
「………くそッ!」
「だが、その弱さは良い。とても素晴らしい。“天原”の申し子だ」
「馬鹿に――」
ハヤトの腕が剣を構える。
神速の抜刀。描くは、澪。
「しやがってッ」
“神に至るは我が剣なり《イグジティウム・デウス》”。
“スキル・インテリジェンス”の補助を借りた“覚醒”スキルは、天日(あまひ)を両斷して、2つに斷ち切るはずだった。だが、
「大いなる日よ(アボキャ・)明を(ジンバラ・)放ちたまえ(ハラバリタヤ)」
天日(あまひ)が紡いだその言葉で、ハヤトが放った“神に至るは我が剣なり《イグジティウム・デウス》”は空(・)を(・)斬(・)っ(・)た(・)!
「ちくしょうッ!」
屆かない!
俺じゃコイツに屆かない!!
「殺していいのか?」
ぞっとするほどの殺気。ヒロの黒い短刀が闇に輝くと、天日(あまひ)の腕をかすった。だが、斬れない。天日(あまひ)は皮一枚を斬らせてヒロの懐に飛び込むと、地面を強く蹴ってショルダータックル。
耳に響く重低音とともに、ヒロのに天日(あまひ)が音速で激突した。
「ヒロッ!」
だが、ヒロも流石に倒れない。両足を地面にこすりつけて減速。次に魔法を放とうとした瞬間に、天日(あまひ)がヒロのに手を付けて『星穿ち』。ヒロはぎりぎりで後ろに飛んだみたいだが、それよりも天日(あまひ)の攻撃の方が速かった。
あり得ないほどぶっ飛んで、ヒロの姿が田んぼの畔(あぜ)に激突した。
「ハヤト! 下がってろ!!」
アイゼルが飛び込んで、寸分の躊躇(ためら)いもなく天日(あまひ)に向かって剣を振り上げった。まるで日本刀の居合のような斬り上げ。空気の斬れる音と、アイゼルの剣が素手で弾かれる音は同時だった。
ハヤトはそれをみて思わず笑ってしまった。衝撃を脊椎まで流さず、手首の関節部分で衝撃を返す『彗星(ほうきぼし)』。そんな蕓當、自分の父親にだって出來るとは思えない。
はその小さな軀を活かして、アイゼルの真下を潛り抜けると背中から『星穿ち』で吹き飛ばした後、さらに地面を蹴って加速。
……ああ、生でそれをし遂げるとは…………ッ!
『星穿ち』から驚くほどスムーズにつなげられた『星走り』。普通の人間ならがバラバラになってもおかしくない一撃をアイゼルはなんとか剣でけて――――その『魔劍』が、砕けた。
「……ッ!」
その瞬間、藤堂が連。効かないと分かっていても援護せざるを得なかったのだろう。だが、その弾丸は全て摑まれると指の第一関節で放たれた『彗星(ほうきぼし)』でそのまま撃ち返されて、藤堂のを削った。
《……強すぎる》
ぽつり、とヘキサが呟いた。
この短時間で既に4人が戦闘不能に陥った。しかし、相手の戦力はたった1人。その時、ハヤトは理解した。咲桜(さくら)さんを倒したのはコイツなのだと。
このが、咲桜(さくら)さんに勝ったのだと。
「こんなの、どうしようもないじゃないかッ!」
ハヤトがぶ。
『魔劍』が砕けて現れたグラゼビュートの攻撃を全ていなして、流れるような“天原”の5連撃を叩き込んで息を飲む間に悪魔を討った。いや……それはそのはずだ。グラゼビュートは悪魔。“魔”祓いの祖である天日(あまひ)との相は最悪なのだから……ッ!
「弱者は、強者に勝てないと思っているだろう」
天日(あまひ)はこちらに歩いてきながら、ハヤトにそう聲をかけた。
「だが、それは違う。“天原”の技は、弱者のための技。強者に屆かぬが故に、弱者が積み上げた知恵の塊よ」
「……弱(・)者(・)だと? お前は本當に自分が弱いと思ってるのか!?」
「無論」
「はッ……。強いぞお前は……。俺よりも、俺達よりも、誰よりもお前は強いんだ!!!」
「なら、私を討てるだろう」
ハヤトの慟哭を、天日(あまひ)はそうけ止めた。
「勝てないのなら、知恵を絞れ。考えろ。工夫しろ。そして、積み重ねろ」
そして、心が朽ちたハヤトにそっと手をれた。
「私と共に來ないのであれば、せめて私を討ちに來い」
その瞬間、天日(あまひ)は地面をわずかに蹴った。だが、衝撃は來ない。その代わり、何度も何度も地面をわずかに蹴る。
――ィイイイイン!!
靜かに、だが確かに加速のようにエネルギーが天日(あまひ)の中に蓄えられる。
「……それは」
「“天”の名を授けられなかったお前にこそ、せるだろう」
「…………ああ、そうかい」
知っている。俺はこの後に來る技を知っている。
『星走り』、『星(まどいぼし)』、そして『彗星(ほうきぼし)』を前提技とするこれを、俺は知っている。
『星走り』の要領で地面を蹴ったエネルギーを『星(まどいぼし)』を使って、脊椎部分で向きを変え『彗星(ほうきぼし)』を持ってで回転させ続ける。そして、それを重(・)ね(・)る(・)ことでエネルギーをひたすらに加算し続けるのだ。
だが、それはあまりの難易度の高さから“天原”の中では伽噺(おとぎばなし)のように語り継がれていた伝説の技。
「『恒星(ひさらぼし)』」
その伝説を、ハヤトは全力でけ止めた。れた相手を消し飛ばすその一撃を、ハヤトは左手でそっと包み込んで、
「『彗(ほうき)ぼ――――」
されど、左腕が左肩ごと吹き飛んだ。
……屆かないっ。勝てないッ!!
天日(あまひ)のが舞うように閃いて、
「二連」
ハヤトの視界は真っ暗に染まった。
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