《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第8-5話 目覚めの踏破者!

「おはようございま~す」

次の瞬間、目を開けると自分がベッドの上にいることに気が付いた。

「……ッ!? ここは……!!?」

「どこだと思いますかぁ?」

ふわり、と聲が掛かってきた隣を見るとそこに真っ白い服にを包んだ妙齢のがいた。

「……どうして、ここにいるんですか。メイさん」

「頼まれたんですよ~。ほら~私頼まれたら斷れない格じゃないですか~」

「いや、知らないですけど……」

ハヤトはしだけため息をつくと、部屋の中を見渡した。一見すると普通の病院の個室に見える。ちらり、とベッドの後ろを見ると見慣れた病院のベッドにあるあれらそれらが置いてあるし。

《……知り合いか?》

(例によって、2年前からのな……)

《ああ……》

は『WER』日本4位の。本來の役割は回復職(ヒーラー)なのだが、モンスター倒した數ランキングでもある『WER』で日本4位ということは、つまり彼が出來ることは回復職だけではないということを指している。

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メイは自分自に永続治癒の魔法をかけた後、前衛としてぶんぶん剣を振り回すというマッチョも真っ青な脳筋戦法を取るのが彼だ。まあ、そんなんだからユウマからは馬鹿だとか何だとかと散々に言われているのだが。

「いやぁ~。ウチに國のお偉いさんがきましてね、治療をしてしい人がいると言われまして」

「はぁ」

「それでそれにつられて車に乗って田空港まで行こうとしてたらその途中で見知った人が倒れてるじゃないですか」

「……それで、俺達のを?」

「まー、ハヤトくん以外の人たちはそんなに重傷じゃなかったんですけどね」

「……俺は、そんなにでしたか?」

「えぇ。そりゃ勿論。聞きたいですか?」

「いや……。良いです……」

何でこの人俺の病室にいるんだろう……。

確かに治療してもらったことはありがたいのだが、メイというはまあ々とぶっ飛んでいるのであまり話したくないのだ。

「何でここにいるのかって顔してますね?」

「えっ。そ、そうですかね? そんな顔してますかね?」

ちょっと冷や汗が垂れる。

「実はハヤトくん以外のみんなはもう起きて會議してるんですけど、ああいう場って息が詰まるじゃないですか。だからちょっと抜けて來たんです」

「……會議? ここは病院じゃないんですか?」

「政府関係者? の人が持ってる建らしいです。詳しい事はなーんにも教えてくれませんでした」

そう言って、やだやだというかのように首を振ったままメイは手元にあったコンビニのビニール袋から魚ソーセージやら、あたりめやらを取り出して、最後にドン! とストロングゼロの缶を取り出した。

「……なにやってるんですか?」

「お酒が切れちゃったので」

「はぁ……。はぁ?」

と、ハヤトの突っ込みを無視してメイはその場で缶を開けると一気に中をあおった。

《……すげえな》

(凄いっていうか……。これが普通っていうか……)

誰しもがビビるほどの酒。しかも酒の味には興味がなく、酔えれば何でも良いという困ったタイプの酒好きである。

「くうぅ~。やっぱりイッキは効きますねぇ!」

「え!? 500mlありますよ!? いま全部飲み干しちゃったんですか!?」

「こんなのあって無いようなものですって~」

そう言ってメイは袋の中から今度はウィスキーの小瓶を取り出した。

「やっぱりメインはこっちですよねぇ……」

「あの、一応、ここ、病室……」

というハヤトの突っ込みを無視してメイは目の前で300mlのウィスキーを飲み干した。

「くぅ~」

メイは空き瓶をハヤトのベッド脇に置かれたテーブルに飲み切った瓶と缶を放置していく。ああ、もうほんとにこの人は……。

「どうです? 一本飲みませんか?」

「いや、俺未年なんで」

「えっ!? ハヤトくんって16でしょ!? もう飲めますよ!」

「そういう噓は良いんで……」

人年齢が18になるでしょう? だからお酒を飲める年齢も2つ下がって16になったんですよ!」

「えっ!? それマジなんですか?」

と、ハヤトが食いついたところにヘキサが額に手を當てた。

《噓に決まってるだろ……》

(い、いや。ちょっとは本當の可能があるかもって……)

しかし、この人には々と頭が上がらないところもあるのは事実。事実だが、関わりたくないので放っておいたのだがまさかこんな所で再會することになるとは。

《どこで知り會ったんだ?》

(ギルドの外で酔っぱらってて、それで要らないスキルオーブを手にしたとか言ってて……)

《うん》

(賭けに勝ったら安くしてあげるって言われたから全財産賭けて……)

《勝ったの負けたの》

(……ギリギリで勝って泣きながら3萬はらって【索敵】のオーブを手にれた)

《はー。そういう》

そういえば出會った時にそんなことを言ってたなと振り返るヘキサ。今ではスキル関連でハヤトが困ることは無いが、當時のハヤトにとってはまさに天の救いだっただろう。

「う~。酔いが回ってきたぁ!」

めっちゃ顔赤いけど大丈夫かなぁ?

「これでこそ、生きてるってもんですよ!」

「違うと思います」

って、まだ日の沈まぬうちからべろんべろんに酔っぱらってる人の相手なんてしてる場合じゃない。

「みんなはどこにいるんですか?」

「上だけど、行っても難しい話してるからハヤトくんが行く意味はないと思うよ」

「ぐぬぬ……」

どうあがいても反論できない一撃で完璧に叩きのめされたので、俺は唸ることしかできない。

「……って、そうだ! メイさん! 和服きたの人治療しませんでしたか!?」

「うん? あの長ですか? 髪のが黒くて、すっごい長くて、大和子って見た目をした人ですか?」

「ええ、見た目だけは大和子みたいな人です」

「ハヤトくんを探し出す前にちょちょっと治したと思いますよ? 今はどこにいるか分かりませんが……」

と、メイがそう言っていつの間にか飲み干していた3本目のアルコールを置いて4本目の缶を開けた瞬間、勢いよく病室の扉が開いた。

「見た目だけは大和子のお姉ちゃん登場でーす!」

「ヒェッ……」

そこからってきた咲桜(さくら)の姿をみてこまるハヤト。

おいおい、俺終わったわ。

「お久しぶりですね。ハヤトさん」

「お、お久しぶりでェす……」

おい! 何が意識不明の重だよ!!

普通にピンピンしとるやんけ!!!

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