《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第8-18話 帰宅した踏破者!

東京駅から新幹線にのって數時間。半年ぶりとなる見慣れた駅に到著した。

「ここがダンジョンシティ……。始めて來たわ」

「ずっとどこにいたんだ?」

「巖手とか青森とかよ」

「また寒そうなところに……」

「だって雪なんだもの。仕方ないじゃない」

「そういや名前ないのか、名前。雪って種屬名だろ?」

「あるわよ。セツカっていうの」

「そうか。じゃあ今度からはそうやって呼ぶぞ」

「好きにして」

ということで仏頂面の雪を連れて駅前に出ると、適當にタクシーを拾って家に帰る。

うう……。まさか俺がタクシーに乗れるとはなぁ……。

「え、何? 泣いてんの??」

「泣いてないぞ……」

「そ、そう……? そうならいいんだけど……」

大丈夫かこいつ。と言わんばかりに冷たい目で見られて俺は心が痛い。心が痛いが、いまはそれよりもテンションが上がっているのだ。

タクシーにのって十數分。家に到著した。

例によって例の如く、探索者証(ライセンス)でハヤトは支払いを終えるとマンションの前に降り立った。

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「……部屋番忘れた」

「噓でしょ? オートロックなのよ??」

「いや、待て待て。思い出すから……」

セツカに後ろで心配されながら、俺はなんとか部屋番號を思い出して番號を押した。

「はい? ああ、ご主人様! お帰りなさい! すぐに部屋を開けますね!!」

「ご主人様……?」

何だコイツ……。というじの視線を後ろからけるが、こればっかりはどう説明しても分かってもらえないだろう……。あきらめの境地でエレベーターに乗ると自宅に向かう。

「……今の聲誰なの? メイドでも雇ってるの?」

「雇ってるっていうか……。説明が難しいな……。まあ、ダンジョンで々あったんだよ」

々あったで分かるわけ無いでしょ! ちゃんと説明しなさいよ!!」

「……だよね」

ダンジョンでどうのこうのとか言ったら納得させれるかと思ったけど、流石にソレで納得するにはセツカはダンジョン慣れが足りていないみたいだった。

ハヤトはため息をつくとどう説明するか、頭の中であーでもないこーでもないと々考えていると、エレベーターが目的階についたので降りる。

「ここだ」

「良いとこ住んでんのね」

呆れたように、しかししだけ褒める様にセツカがそう言った。

「……まあな」

ハヤトはドアノブに手をかけると、鍵が開いているかを確認。しっかり開いている。

「ただいま」

「お帰りなさ~い」

がちゃ、と扉を開けると共にエリナが全力で走ってやってきて。そして、セツカを見て直した。

「だ、誰ですかっ!」

「捕虜だ」

「ほりょ……? ああ、捕虜ですか。たしか空き部屋がありましたよね。ちょっと掃除してきます」

エリナはそれだけ言って踵を返した。

「えっ!? それだけ?? 理解するの早くない???」

「まあ、エリナだから……」

「だからあのの子は誰なのよっ!!」

「奉仕種族(メイディアン)っていう、ダンジョンのモンスターだ。人に奉仕するのが生きがいらしい」

「そんな生きいるわけないでしょ。凍らせるわよ」

「セツカ……」

「な、何よ。そんな優しい目で見て! 何がしたいの!!」

「ダンジョンは深(・)い(・)ぞ」

「な、何なのよ……」

ドン引きしたセツカを放っておいてハヤトは久しぶりとなる我が家に上がった。しかし、悲しいかな。あんまりここが自分の家というじがしないのだ。何しろこの家を借りてからダンジョンの最下層に落とされるわ海外に行かされるわでほとんど暮らしていない。

「なぁエリナぁ」

「どうかしました?」

「食棚変えた?」

「変えてませんけど……」

「そ、そっか……」

の配置も本當にこれであってるのかと思えてくる。いや、配置はエリナが変えている可能もあるので何とも言えないのだが。

「ねぇ。私はどうしたらいいの」

「うん? じゃあそこら辺に座っておいて」

ハヤトは適當に椅子を指さすと、水を飲むためのコップをとって水道水をコップに注いだ。

「ここ? うわっ。めっちゃ英語の教科書おいてあるじゃない……。……なんで大學験の教材の中に中學校の教科書がってるの?」

「おー。それ俺が英語の勉強してた時の名殘だよ」

「えっ。英語喋れるの?」

「うん。まあ、ちょっとだけ……」

「へー」

が普通だったが、セツカの顔がしだけ輝いた。もしかしたらセツカは英語に興味があるのかも知れない。っていうか、の子ってすっごい英語好きだよね。なんであんなに好きになるんだろう……。

しいなら上げるぞ?」

「いや、持ってるし」

「持ってる? 學校に通ってたのか?」

「そうだけど……。私こう見えても高1なのよ」

「うっそだぁ! 俺の1つ下ぁ? どう見たって10歳くらいじゃん……」

「ぶっ殺すわよ。私が妖怪だから長が遅れてるだけなの! ほら、あの吸鬼(ヴァンパイア)の『真祖』だって12歳くらいの見た目してたでしょ」

「うーん、まあ、そうね……。ってことは學校どうすんの。秋田まで帰る?」

「青森って言ったでしょ! 何で47都道府県を間違えるのよ!!」

「い、いや……。そこら辺にあったなって……」

「通信制の學校だから大丈夫よ……。っていうか、私が全日制の高校に通えるわけないでしょ」

「知らんよ……。俺高校に行ったこと無いし……」

「噓でしょ?」

「ガチガチのガチ」

ハヤトがそう言うと、セツカの目にわずかだが同的なが燈った。何で誰も彼も俺が中卒って言ったらそう言う顔するんだよ! 中卒の何が悪いんだよ!!

《僻むな僻むな。どうどう……》

(俺は馬かっ!)

《何で知ってんの……》

(いや、”草薙”の家にいたから……)

《ま?》

ま? って……。

日本語で喋ってくれ……。

「掃除終わりましたよー」

掃除といっても、ハヤトの記憶が正しければ置として使っていたが、アイテムボックスを手にれてからは何も置いて無かったから、すぐに終わったのだろう。

「おつかれさん。今日は帰國記念ってことでぱーっとやろうぜ」

「ぱーっとですか? 良いですね。外食しますか」

「それも良いな。セツカ、なんか食いたいものあるか?」

「私は捕虜でしょ。なんで聞くのよ」

「まあ、々聞きたいことがあんだよ」

「喋ったら魔法を使えるようにしてくれるの?」

「それは喋った容によるかな」

「うわっ、そのドヤ顔むかつく。何その顔。中學生じゃないんだから、そんなにちゃついた顔辭めなさいよ」

にちゃついた顔って……。

「そうね。私はアイスが食べれればそれで言いわ」

「じゃあ焼きにいこう」

「そうですね。それが良いかもです」

「なんでこんな良いとこに住んでてぱーっとやるのが焼きなの……?」

「壽司だとアイスが食べれないだろう?」

「え。あ、ありがとう……」

ハヤトの言葉にちょっと照れた様子を見せるセツカ。しかしヘキサは気づいている。ハヤトのぱーっとやるの中には壽司と焼きしかないことを……。

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