《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第8-22話 再會と踏破者!

「何言ってるんですか! ノリ悪いですね!!」

誕生日を拒否った俺にびしっ! と音があがるほどまっすぐ俺のを指さした“核の”がそう言った。

「いや、なんで生きてんの……」

ストレートに言ってしまえば3回も殺した相手である。これ以上こいつの姿を見たくないのだ。

「生きてる、とは不思議なことを聞きますね。私はダンジョンそのものですよ? ダンジョンがある限り、ここで生き続けています」

「は? じゃあ俺たちがお前を倒して回ったのは無駄だったわけ?」

「いや、腹立たしいことにそれは意味があるんだなこれが。ハヤトっちが倒した“私”は、ダンジョンを育て上げ地球の核を壊そうとしていた“私“です。そこを壊されたらいくら私と言えどもどうしようもないですからね」

「うん? じゃあもう長しないってことか?」

「今(・)の(・)と(・)こ(・)ろ(・)は(・)」

クッソ含みのある言い方しやがる。

ちらり、とヘキサのほうを見るとヘキサもなんと言うべきか困っているように見えた。彼の星ではこういうことにはならなかったのだろうか。

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……ならなかったから、今まで何も忠告が無かったのだろう。

「ま、ハヤトっちについてる人が何か言いたげってのは伝わってくるから言わせてもらうと、私も日々進化してるってことですね」

「退化してくれたらどれだけありがたいか……」

「またまた~。可の子が目の前にいるからってそんな冷たくしなくていいんですよ」

「……自分で自分のことを可いっていう奴にロクな奴はいないから…………」

「むむっ! ひどい言い分ですね!! せっかくの再會ってじでやってきたのに!!」

の……再會……?」

イギリスダンジョンで出會った時から1週間も経ってないぞ……?

「マジで何しに來たんだよ。顔見せだけ?」

「んなわけないでしょ。ちゃんと理由がありますよ」

はあ、これだから中卒は……、みたいなじでやれやれと首をすくめる“核の”。

言葉にしがたいウザさがある。

「ま、私これでも日本にを埋め込んでるわけじゃないですか」

「そうだな」

「ってことは日本のことを大察知できるんですよ」

「んー? ああ、エリナみたいなじか」

「誰です……。って、奉仕種族(メイディアン)のあの子ですか。そうですそうです。その地域に住んでいる人たちの集合意識から常識を割り出すってことは、まあ得意なんですけど」

「それで、急にどうしたんだよ。モンスターにも生きる権利があるって言ってる集団が最近また騒いでるって話か?」

「違いますよー! 何でもね、私をどうこうしようっていうきが日本であるんですよ」

「お前を?」

「はい。“私(ダンジョン)”を」

きっぱり言い切った紫の目にハヤトはなんと言うべきかしだけ迷って。

「その『どうこう』の部分を的に教えてくれなきゃなんとも言えないんだけど」

「何かの“儀式”? か何かに使われそうって雰囲気しているんですよね。私が」

「儀式? なんの」

「そこまで分かれば苦労しませんよ」

どうやらダンジョンというものはそこまで便利な特を持っているものではないらしい。

というかさっきからあやふやな奴だな。

「どこでやろうとしているのかくらいは分かるのか?」

「えーっとちょっと待ってくださいよ……? 日本の地図ここに書いてくれます?」

そういって“核の”が木の枝を差し出してきた。

これイギリスでこいつが“覚醒”スキル連発してた時の枝じゃん……。

苦々しい思い出に顔をしかめながらもざっと日本地図を地面に描く。

そこまで厳に書く必要もないだろう。形が分かれば良いんじゃないか……。という軽い気持ちで書いた日本地図を見ながら“核の”は1つ、あるところを木の枝でさした。

「ここです。ここだけ私の話題に関して凄く盛んです」

が指したのは京都の北。それを見た時、ハヤトのにぞっとしたものが走った。知らないはずがない。“天原”に関わる者が……“魔祓い”の仕事にいついていた者がそれを知らないはずがない。

「大江山……」

「ありゃ? 知ってるんですか?」

「……そりゃ」

酒呑子。日本でもっとも有名な鬼が住処とした山だ。勿論“天原”が多くの犠牲を払って、何とか屠った相手だ。無論、今の社會に“天原”の名は隠されて伝わっているが。

この手の話は父親や母親から何度もされた。それこそ、その話を何も見ずにそらんじることができるほどには。

(……もしかして)

《なにか考えがあるのか?》

(…………『百鬼夜行』の本拠地がそこにあるかもしれない。『染呪』。かつて最も人を苦しめた鬼がそこにいたなら、その場は“魔”にとって重要な土地になるはずだ。ちょっと咲桜(さくら)さんに聞いてみよう)

《ん。それが良い》

ほとんど拠のない第六だったが、その可能としては十分にある。“星蝕(ほしばみ)”は巨大な“魔”だ。これ以上長しないとはいえ、使い道は腐るほどあるだろう。

「とにかく、とにかくですよ! 私とあなたの仲でしょ? 私が困ってたら、ぱぱっと助けてくれるんじゃないかと思いまして」

「……俺お前に助けてもらったっけ…………?」

“星界からの侵略者”を呼ばれたり、報酬は貰えなかったりと散々な目にあってきた記憶しかない。

「まあまあ、困った時はお互い様ですよ」

「そういうならなんか報酬くれよ。イギリスとアメリカの分」

「えぇー」

そういって口をすぼめる“核の”。

こいつほんま……。

「じゃあこれあげます! 指!!」

「えぇ……」

ただでさえ右手の人差し指に指をつけているのだ。これ以上つければただのイキってる奴である。

うえっ。2年前を思い出して気持ち悪くなってきた……。

「何です? 要らないならあげないですよ」

「貰えるなら貰っとくよ」

そういってハヤトは“核の”から一つの指け取った。そこにはの髪や目と同じような紫水晶(アメジスト)がおさめられている。

「何これ」

「困った時に私を呼び出せる指です」

うわっ。いらねぇ……。

「困った時にその指から私のことを想うとあら不思議! 私が飛び出してくるというわけですね!! なんて素敵なリング!! ほらほら、左手の薬指に付けてみてください」

ハヤトはそれを無視して右手の中指に付けた。人差し指の隣に來たが、邪魔にならない大きさだ。というかさっき寶石の大きさが、手をかすときに邪魔にならないくらいにんだように見えた。なるほど。ただの指ではないようだ。

「ええ!? 右手の中指ぃ~!? なんでそんなへんな所につけるんですか」

ハヤトは中指だけ天を指した手をに見せつけた。

「ふぁっきゅー!!!」

「ひゅ~かっくいぃ~!」

《…………》

(…………俺の負け)

《…………そだな》

流石にここまで適當だと返す言葉もなかった。

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