《【完結】処刑された聖は死霊となって舞い戻る【書籍化】》カタカタカタカタ
私、現在オニビ生活満喫中!
ヒトダマが集められていた場所は小さな部屋がいくつもある窟だった。ゴズとメズの話によるとヒトダマを発生させる部屋らしい。
結界をあっさり抜けて自由を手にした私が行ったことは、全ての部屋のヒトダマを食べ盡くすことだった。彼らが回収していったのは一部だけだったようで、まだまだ沢山いた。ごちそうさま!
魂を吸収するなんて、人間だったころは考えられなかったことだ。魔となって神も魔化しているのか、何の抵抗もない。
神といえば、國を救うために急がなきゃいけないのにかなり冷靜だ。焦ることなく、レベルを上げている。
もともと呑気な格ではあったけど、それにしてももうし慌てても良い気がする。
死んだだから関係ないといえばそうなんだけどね。
(ヒトダマじゃあんまりレベル上がらなかったなー)
オニビとなってから數十のヒトダマを吸収したが、レベルはほとんど変わらなかった。
自分より下位の魔では長しづらいのかもしれない。
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外に敵がいないか念に確認した。
オニビは実がなくて壁をすり抜けられるから、隠れるのは得意だ。顔(にあたる部分)だけをこっそり外に出して、様子を伺う。
(外はやっぱり森だね)
『不死の魔王』ファンゲイルが拠點としている、不死の森。
アンデット系の魔が多く生息し、ベテランの冒険者でも迷い込めば生きては出られない危険な森である。
作戦はこうだ。
強そうな魔からは逃げる。勝てそうな相手は倒して進化を目指す!
次の進化先は『キツネビ』という魔。見たことはないけど、たぶん喋ることはできなそう。
となると孤児院に危機を伝えて助けるためには、さらに進化を重ねる必要がある。
(レイニーさんたちは大丈夫かなぁ)
王宮にってからずっと面倒を見てくれた樞機卿レイニーさんを思いだす。
私にとっては仕事仲間であると同時に、母親のような人だ。私が処刑されたことで暴走してなきゃいいけど。
(王子や貴族たちはムカつくけど、大切な人たちもいっぱいいる。頑張らなきゃ)
伝えるだけなら、話すことができればいい。
でも守ろうと思ったら、莫大な魔力が必要だ。全力で聖としての権能を使っても足りるくらいの、大量の魔力が。
オニビになってし増えたけど、まだまだだ。
ホーリーレイを二十発も打てば、すぐに息切れしてしまう。生前の私には遠く及ばない。
どちらにせよ、進化は必須というわけだ。
ということで、手ごろな敵を探しに辺りを彷徨う。
(霊魂の、とっても楽)
あっちに行きたい、と思うだけで移できるのだ。
足をかす必要もないので、疲れない。ゆらゆらと尾のように炎はくけど、力や魔力の消耗はない。障害も無視できる。地面には何かがごろごろと転がっているので、歩くとしたら大変だったと思う。
死後の世界、意外と楽しい!
これで空も飛べたらもっと良かったけど、なんでかあまり高くまでは行けなくて、せいぜい建の二階くらいまでだった。
だから低いところを移する。
晝間なのに薄暗い森を漂って、魔を探す。
どこからかカタカタと謎の音が聞こえてきたので、足を止めた。風の音かな?
「カタカタカタカタ」
(きゃああああああ)
んだ。
聲は出なかったけど、大いに慌てふためいて逃げた。
一瞬しか見えなかったけど、目の前に突然人骨が現れたのだ。
地面にごろごろと落ちていたのは骨だった。それが生前を思い出したかのように人の形をして、立ち上がったのだ。
(スケルトンだ! ううぅ、結界の中から遠目で見るのとはわけが違うよ……)
スケルトンは低級の魔で、王國付近でよく見られる魔である。
人間だけでなく、カラスや牛などいろんなの骨に取り憑いてく。魔全般に言えることだけど、生態が謎だ。
さすがにここまで來れば大丈夫だろう。
「カタカタ」
(ひぃい!)
後ろにもいた!
いや、それどころじゃない。
窟の周り、スケルトンだらけだ。
「カタカタカタカタ」
連鎖するように、そこら中でスケルトンが立ち上がりだす。
多くは人間の骨、次いで多いのは鳥だ。骨がぶつかり合う音が靜寂を塗りつぶした。
近くにいた一のスケルトンが空な目で私を見た。
(私、味しくないよ! ただの炎だよ!)
私の願いは屆かず、人骨スケルトンが腕を振り上げた。武もなにもなく、ただ腕を振るだけの攻撃。
(大丈夫、オニビに理攻撃は効かな――いやぁああああ)
痛い! なんで!?
ヌシに吸収されかけた時と同じ痛みだ。魂に直接ダメージを與えてくるってこと?
霊魂系は比較的無害な代わりに理攻撃を無効にする。魔法攻撃か、屬の乗った武でしか倒せないのだ。
「カタカタカタカタ」
歯をかき鳴らして、なおも私を追い立てる。まずい、何発もくらったら死ぬ。
逃げてもスケルトンはたくさんいるし、高度を上げても鳥スケルトンがいる。
なら倒すしかない。スケルトンはアンデット系の例にもれず、聖屬が弱點だ。
(ホーリーレイ)
突き出してきた腕をひらりと避けて、聖なる線を打ち込む。スケルトンの肩に當たって、肩から先がかなくなった。
ちゃんと効いているね。
(ソウルドレイン)
スケルトンは筋なんてないのにける。それはヒトダマが宿っているから、とされている。ということは、ソウルドレインが有効なはずだ。
百近くのヒトダマを吸いつくしたスキルで、スケルトンを攻撃する。あまり味しくないけど、確かに魂を吸う覚があった。しかし倒すには至らない。
(火の息!)
オニビになって新しく増えたスキルを発した。
から松明ほどの大きさの炎が噴き出し、スケルトンを襲った。しかし骨は燃えないから、表面を軽く焦がすだけだった。
やはり倒すならホーリーレイしかない。今度は頭を狙ってホーリーレイを放ち、怯んだ隙にソウルドレインで魂を吸収する。骨に宿った魂を全て吸いつくし、骨はバラバラになって地面に落ちた。
(スケルトンの魂味しくなーい。でも勝てた!)
勝利の余韻に浸るのも束の間、すぐに他のスケルトンが襲ってきた。
【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。
【注意】※完結済みではありますが、こちらは第一部のみの完結となっております。(第二部はスタートしております!) Aランク冒険者パーティー、「グンキノドンワ」に所屬する白魔導師のレイ(16)は、魔力の総量が少なく回復魔法を使うと動けなくなってしまう。 しかし、元奴隷であったレイは、まだ幼い頃に拾ってくれたグンキノドンワのパーティーリーダーのロキに恩を感じ、それに報いる為必死にパーティーのヒーラーをつとめた。 回復魔法を使わずに済むよう、敵の注意を引きパーティーメンバーが攻撃を受けないように立ち回り、様々な資料や學術書を読み、戦闘が早めに終わるよう敵のウィークポイントを調べ、観察眼を養った。 また、それだけではなく、パーティーでの家事をこなし、料理洗濯買い出し、雑用全てをこなしてきた。 朝は皆より早く起き、武具防具の手入れ、朝食の用意。 夜は皆が寢靜まった後も本を読み知識をつけ、戦闘に有用なモノを習得した。 現にレイの努力の甲斐もあり、死傷者が出て當然の冒険者パーティーで、生還率100%を実現していた。 しかし、その努力は彼らの目には映ってはいなかったようで、今僕はヒールの満足に出來ない、役立たずとしてパーティーから追放される事になる。 このSSSランクダンジョン、【ユグドラシルの迷宮】で。 ◆◇◆◇◆◇ ※成り上がり、主人公最強です。 ※ざまあ有ります。タイトルの橫に★があるのがざまあ回です。 ※1話 大體1000~3000文字くらいです。よければ、暇潰しにどうぞ! ☆誤字報告をして下さいました皆様、ありがとうございます、助かりますm(_ _)m 【とっても大切なお願い】 もしよければですが、本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです。 これにより、ランキングを駆け上がる事が出來、より多くの方に作品を読んでいただく事が出來るので、作者の執筆意欲も更に増大します! 勿論、評価なので皆様の感じたままに、★1でも大丈夫なので、よろしくお願いします! 皆様の応援のお陰で、ハイファンタジーランキング日間、週間、月間1位を頂けました! 本當にありがとうございます! 1000萬PV達成!ありがとうございます! 【書籍化】皆様の応援の力により、書籍化するようです!ありがとうございます!ただいま進行中です!
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