《【完結】処刑された聖は死霊となって舞い戻る【書籍化】》見逃してくれませんかー? 無理ですかー?
ファンゲイルがちらりとこちらに視線を向けた瞬間、槍が飛んできた。メズが恐ろしい反応速度で投擲したのだ。
ガチャンという音がして燭臺が倒れる。質は過するのでダメージはないけど、姿を隠していたものがなくなり、完全にわになった。
「ゴースト? まさかあの時の!?」
ゴズが立ち上がり斧を構えた。
ファンゲイルは興味深そうに口角を上げるだけで、変わらず骨にを寄せている。
(見つかった! 逃げよう!)
あらかじめ決めていた通り、壁から出することにする。
(ふぎゃっ)
しかし、何かに阻まれて通り抜けることができなかった。こっちから來たのに、なんで!?
「逃がさないよ」
ファンゲイルがいつのまにか杖を手にし、掲げていた。彼も結界を使えるようだ。聖屬の魔力はじないから、私とは違う方法みたいだね。何の屬かは分からない。
「あはっ、盜み聞きしていたのかな? ゴーストとは思えない知能だね」
「あははは」
笑ってくれたので笑い返した。喋れないからね。
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それにしても、まずい狀況だ。
相手はアンデット大好きな変態魔王とBランクの手練れ二人。
かたや、私はいたいけなゴーストちゃん。まず勝ち目がない。
相手は即座に結界を張ることのできる使い手だ。無論、彼の手札はそれだけではないはず。彼自が戦わずとも、ゴズメズやスケルトンたちを大勢けしかけられれば為すがない。
ちょっと様子を見てみよう、なんて気持ちでって來たのは迂闊だったと言わざるを得ないね。ゴーストになって多魔力が増えたことだし、いざとなればホーリーレイと結界を使いまくれば逃げることくらいはできるだろうか。
「ファンゲイル様、私が捕まえます」
「いいや、僕がやるよ。こんなゴーストは初めてだ」
ファンゲイルの言葉にメズは大人しく引き下がった。
彼は玉座から立ち上がって……って、骨も持ってくるの!? 左腕でぬいぐるみのように抱えた人骨は、振で足を揺らしている。右手に持ったの丈ほどの杖は油斷なく私に向けられていた。
(見逃してくれませんかー? 無理ですかー?)
手をばたつかせて必死にアピールするけど、ファンゲイルはニヤニヤするだけで取り合ってくれない。
こうなったら結界をこじ開けるしかない。
あの速度で結界を張れるんだから、どっちに逃げても結界に阻まれるはずだ。ホーリーレイで割れるといいな。
アンデットの魔王だから、聖屬が弱點だよね、という希的観測です。
「見逃さないよ。無理だね」
(ん? 聞こえてます?)
「聞こえてるよ」
「ファンゲイル様、ゴーストと話せるんですか?」
「いや、普通はゴーストに意思なんてないんだけど、あの子は特別みたいだね。ゴーストの聲なんて楽しい、か、お腹空いた、しか聞いたことないよ。上位のスケルトンとかだと、喋れなくても心の聲ははっきり聞こえるんだ」
なんと。アンデットを創り、る魔王は聲に出さなくても考えが伝わるらしい。
私はヒトダマの時から生前の記憶と意識がはっきりしていたけど、レアケースだったみたい。
「さて、君が何者か聞いてもいいかな? 大丈夫、悪いようにはしないよ。アンデットには優しいんだ、僕」
ファンゲイルは年のような無邪気な顔で問いかけてくる。言葉の通り敵意はじられないけど、私が聖だったと知ったらどうなるだろうか。
彼を説得して侵攻を止められるならいい。だけど、十年近く王國を攻め続ける理由があるようだった。となればたとえ軍門に下ったとしても、孤児院を助けられない可能が高い。
それはダメだ。私はアレンと約束したんだから。二人で孤児院を守ろうって。
「僕と話すにはね、心の中で強く念じればいいよ。技的なことを言えば、魂の波長を発するんだ」
思考全てが垂れ流しというわけではないらしい。
(私は悪いゴーストじゃないよ!)
「あはっ、なにそれ。ゴーストに良いも悪いもないでしょ。話せるってことは、元人間なのかな?」
(うん、そうだよ)
極悪非道の魔王、という聖時代に抱いていたイメージとはかけ離れた雰囲気にし困する。彼は見た目上人間と変わらないし、口調も穏やかだ。
私が魔だからなのかもしれない。今のところ、の危険はじなかった。ゴズメズも私の聲が聞こえないからか大人しくしている。
だったらすることは一つ。報収集だ。
「意識を保ったままゴーストになるなんて……相當強いギフトでも持っていたのかな」
ファンゲイルは靜かに核心をついてきた。
【書籍化決定】美少女にTS転生したから大女優を目指す!
『HJ小説大賞2021前期』入賞作。 舊題:39歳のおっさんがTS逆行して人生をやり直す話 病に倒れて既に5年以上寢たきりで過ごしている松田圭史、彼は病床でこれまでの人生を後悔と共に振り返っていた。 自分がこうなったのは家族のせいだ、そして女性に生まれていたらもっと楽しい人生が待っていたはずなのに。 そう考えた瞬間、どこからともなく聲が聞こえて松田の意識は闇に飲まれる。 次に目が覚めた瞬間、彼は昔住んでいた懐かしいアパートの一室にいた。その姿を女児の赤ん坊に変えて。 タイトルの先頭に☆が付いている回には、読者の方から頂いた挿絵が掲載されています。不要な方は設定から表示しない様にしてください。 ※殘酷な描寫ありとR15は保険です。 ※月に1回程度の更新を目指します。 ※カクヨムでも連載しています。
8 93【書籍化】天才錬金術師は気ままに旅する~世界最高の元宮廷錬金術師はポーション技術の衰退した未來に目覚め、無自覚に人助けをしていたら、いつの間にか聖女さま扱いされていた件
※書籍化が決まりました! ありがとうございます! 宮廷錬金術師として働く少女セイ・ファート。 彼女は最年少で宮廷入りした期待の新人。 世界最高の錬金術師を師匠に持ち、若くして最高峰の技術と知識を持った彼女の將來は、明るいはずだった。 しかし5年経った現在、彼女は激務に追われ、上司からいびられ、殘業の日々を送っていた。 そんなある日、王都をモンスターの群れが襲う。 セイは自分の隠し工房に逃げ込むが、なかなかモンスターは去って行かない。 食糧も盡きようとしていたので、セイは薬で仮死狀態となる。 そして次に目覚めると、セイは500年後の未來に転生していた。王都はすでに滅んでおり、自分を知るものは誰もいない狀態。 「これでもう殘業とはおさらばよ! あたしは自由に旅をする!」 自由を手に入れたセイはのんびりと、未來の世界を観光することになる。 だが彼女は知らない。この世界ではポーション技術が衰退していることを。自分の作る下級ポーションですら、超希少であることを。 セイは旅をしていくうちに、【聖女様】として噂になっていくのだが、彼女は全く気づかないのだった。
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