《【完結】処刑された聖は死霊となって舞い戻る【書籍化】》霊域
兵士や冒険者は目の前の敵に一杯で、加勢は期待できない。私が進化したことにも、數人しか気が付いていないようだ。平地だし、戦闘中だと遠くは見えないからね。もっと高く飛べば存在を周知できるけど、今はメズに集中しよう。
「アレン、防は任せて」
「ああ」
「聖屬付與……これで良しっと」
アレンの剣を検めて聖別する。進化したことでより強い付與を行えるようになったので、魔力を全力で注ぎこみ、刃を満たした。淡く白いを放ち、魔を容易く切り裂く剣となった。メズはアンデットではないが、かなりの威力を発揮するだろう。
「度は認めるが……所詮は人間。それも武蕓の心得もないと見える」
メズがすっと目を細め、をしだけ前に傾けた。
それが攻撃だと理解するのに、一拍かかった。
「――ッ! 聖結界!」
スキルは使っていない。なのに、いやだからこそ、今までで一番早い突きだった。
力した狀態から、気が付けば眼前に穂先が迫っていた。慌てて展開した聖結界が、辛うじて攻撃を阻む。
Advertisement
聖結界に穂先がれた瞬間、メズは深追いせずすぐに槍を戻した。
アレンが剣を上段に構える。
「はぁあああ!」
カールと違ってアレンは剣を學んだことはない。私から見ても型が崩れているのが分かるけど、気迫は十分だ。アレンは躊躇うことなく、メズに突っ込んでいく。私を信頼しているのか、覚悟ができているのか。
だが、そんな付け焼き刃で敵う相手ではない。
「笑止」
メズは最小限のきで、アレンの目の前に槍を置いた(・・・)。彼の達人技は完全に虛を突き、攻撃されたことを気づかせない。
全力で斬りかかったアレンは自ら首を槍に近づけていく。
「ポルターガイスト」
「ほう」
闇魔力をってアレンを摑み、私の方に引き寄せる。ほんと便利なスキルだね。
メズの方にも放ったけど、魔力を纏った腕で軽く払って無効化された。ゴズに使った時は全に魔力を滾らせて無理やり突破してきたけど、技量のなせる技だろうか。
「悪い!」
「ううん、慎重に行こう。私も本気出すよ!」
聖域とポルターガイストを発する。
聖、闇両方の魔力を空中に放出し、辺り一帯を私の魔力で満たした。進化によって魔力の覚が研ぎ澄まされ、今ならポルターガイストでペンを持って文字を書けそうだ。
あふれ出る魔力をふんだんに使用して、私が戦いやすい環境を整える。
「なんだこの魔力は……!」
本來、聖域は聖屬の魔力を放出して魔のきを鈍らせる魔法である。
だがそこにポルターガイストを融合して展開することで、聖域であれば即座に、かつ好きなようにを摑むことができるようになった。
スキルと魔法の融合。今まで別個で使っていた魔としてのスキルと、聖としての魔法が一つのものとして自在に扱うことができる。
これが聖霊の力。聖屬を持つ魔(・・・・・・・・)という、特殊な存在。
魔のながら『聖』のギフトによって魔法を使っていた頃とは違う、本當の意味で聖魔力を扱えるようになったのだ。
この空間に名前を付けるとしたら……。
「霊域、かな」
「面妖なを使いおって。ダークスパイク!」
メズは今、聖域とポルターガイストによって二重に負荷がかかっている狀態だ。それでも、私やアレンよりは數段早い。
だが、にれることができるポルターガイストの魔力は、霊域のきを事細かに伝えてくれる。
「聖結界」
「はッ!」
強度を最大まで上げた結界が、容易くメズの槍をけ止めた。それに合わせて、結界の脇から飛び出したアレンが橫薙ぎに剣を振るう。
メズは小さな魔力を左拳に纏って、それを防いだ。繊細な魔力作だが、鎧のようにい。ゴズのように大雑把な使い方をしないのは技量が高い代わりに魔力の出力が高くないからだろうか。
「まだまだァ!」
アレンが怯まず、我武者羅に連撃を加える。
剣の間合いで槍を突くことはできない。メズは余裕をもって剣を防いでいるが、攻勢に転ずるには間合いを離す必要があった。
「我はファンゲイル様の配下一の武人、素人に負けるなど、あってはならぬのだ」
メズはアレンの剣を大きく弾いて、その隙にバックステップで數歩分下がった。槍を引き絞り、一角槍(ユニコーン)を発する。
「それを待ってたよ! ファイアーボール、ホーリーレイ」
「この程度……ッ!」
炎熱効果を付與することによって、疑似的にレイニーさんのホーリーレイを再現する。
メズは槍をくるりと回して、線を切り裂いた。渦巻く闇魔力にかき消されて、これもダメージには至らない。
けど、目的はヒットさせることじゃない。
「槍を使ったな」
「なぬ!? いつの間に後ろに……!」
メズの瞳が驚愕に開かれる。
無理もない。アレンはつい先ほどまで正面にいたのだ。バックステップで大きく距離を取ったはずなのに、背後から現れた。
「ポルターガイスト」
派手なホーリーレイによって視界を遮り、ポルターガイストで高速で移させる。霊域によって自在に魔力を作できるからこその蕓當だ。
一人では無理でも、二人なら達人相手でも隙を創り出すことができる。メズの背後を取ったアレンが剣を突き立てた。
「終わりだ!!」
私もポルターガイストできをサポートする。
メズの防は間に合わない。聖屬の魔力を集中させ、魔力による防も妨害する。
メズの元から、銀に輝く刃が顔を出した。
「見事、なり」
剣を抜く。一拍遅れてが噴き出した。
【書籍化決定】ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた~夢のような生活が始まると思っていたけど、何か思ってたのと違う~
【書籍化が決定しました】 都內在住の大學3年生、天童蒼馬(てんどうそうま)には2人の『推し』がいた。 一人は大手VTuber事務所バーチャリアル所屬のVTuber【アンリエッタ】。 もう一人は大人気アイドル聲優の【八住ひより】。 過保護な親に無理やり契約させられた高級マンションに住む蒼馬は、自分の住んでいる階に他に誰も住んでいない事を寂しく感じていた。 そんなある日、2人の女性が立て続けに蒼馬の住む階に入居してくる。 なんとそれは、蒼馬の『推し』であるアンリエッタと八住ひよりだった。 夢のような生活が始まる、と胸を躍らせた蒼馬に『推し』たちの【殘念な現実】が突きつけられる。 幼馴染で大學のマドンナ【水瀬真冬】も巻き込み、お節介焼きで生活スキル高めの蒼馬のハーレム生活が幕を開ける。
8 197指風鈴連続殺人事件 ~戀するカナリアと血獄の日記帳~
青燈舎様より書籍版発売中! ある日、無名の作家が運営しているブログに1通のメールが屆いた。 19年前――、福岡県の某所で起きた未解決の連続殺人事件を、被害者が殘した日記から解明してほしいという依頼內容だ。 興味をそそられた作家は、殺人事件の被害者が殺される直前まで書いていた日記とは、いったいどういうものだろう? 見てみたい、読んでみたいと好奇心が湧き、いくたびかのメールの往復を経てメールの送信者と対面した。 2020年1月上旬、場所は福岡市営地下鉄中洲川端駅の近くにある、昭和の風情を色濃く殘す喫茶店にて……。
8 91【WEB版】身代わりの生贄だったはずの私、兇犬王子の愛に困惑中【書籍化】
11月11日アリアンローズ様より【書き下ろし2巻】発売! 伯爵家の長女ナディアは、家族から冷遇されていた。実母亡き後、父は後妻とその娘である義妹ジゼルを迎え入れ溺愛し、後妻はナディアを使用人以下の扱いをしていた。そんなとき義妹ジゼルに狂犬と呼ばれる恐ろしい王子の侍女になるよう、國から打診がきたが拒否。代わりにナディアが狂犬王子の生贄として行くことになった。そして噂通りの傲慢な態度の狂犬王子クロヴィスは、初対面からナディアを突き放すような命令をしてきた。ナディアはその命令を受け入れたことで、兇犬王子は彼女に興味を示して―― ◇カクヨム様でも掲載 ◇舊題『身代わりの生贄だったはずの私、狂犬王子の愛に困惑中』※狂犬→兇犬に変更
8 74小さなヒカリの物語
高校入學式の朝、俺こと柊康介(ひいらぎこうすけ)は學校の中庭で一人の少女と出會う。少女は大剣を片手に、オウムという黒い異形のものと戦っていた。その少女の名は四ノ瀬(しのせ)ヒカリ。昔に疎遠になった、康介の幼馴染だった。話を聞くと、ヒカリは討魔師という、オウムを倒すための家系で三年もの間、討魔師育成學校に通っていたという。康介はそれを聞いて昔犯した忘れられない罪の記憶に、ヒカリを手伝うことを決める。
8 165俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ
俺、菅原月兎(すがはらつきと)は転校した日にラブレター貰って、宇宙に拉致られる。 この物語の一人一人が他とはちょっと違う歪な愛を持っている。 月兎の自己愛。 マリスの全愛。 エマの純愛。 麗兎、玲浮兎の偏愛。 カリーナの敬愛・・・等々。 そんな彼、彼女達は人とは違う愛を抱えながらも自分の信じる物を必死に守り通す。 本作はそんなハイテンションSFファンタジーです。 *この作品は小説家になろうでも投稿しています
8 135もしも末期大日本帝國にミリオタが転生してみたら
ある日 何気なく過ごしていた矢本紗季は、過労により死亡したが 起きて見ると 身體が若返っていた。 しかし 狀況を確認して見ると 矢本紗千が 現在居る場所は、末期大日本帝國だった。 この話は、後にと呼ばれる 最強部隊の話である。 注意 この作品には、史実も入っていますが 大半がフィクションです。 Twitterの方で投稿日時の連絡や雑談をしています。 是非フォローの方を宜しくお願いします。 http://twitter.com@dfbcrkysuxslo9r/
8 140