《【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。》推しとの決別、新しい自分
こういう話が好きなので自分で書いてみる事にしました。
あくまで暇つぶしなので、更新頻度はまちまちです。
需要があることがわかればちゃんと書きます。
「あははっ! 優太君ってほんとに奴隷みたいだよねぇ。話してて全然楽しくないんだけど」
心底人を馬鹿にしたような、引き攣った笑みが視界にる。
さて問題、俺は一何処で誰に罵倒されているでしょうか。
シンキングタイム、スタート。
正解は、「メイドカフェで推しのユイちゃんに罵倒されている」でした〜。みんなは正解できたかな?
正解しても、特に賞品とかはないんだが。
そもそも、なんで金を払ってメイドさんを呼んでいるのにボコボコに言われるハメに?
変態的思考を持ち合わせていない人間であればそう思うところだが、今の俺は、ただ一つの言葉に気を取られていた。
「奴隷みたい」
その言葉は幽霊のように俺の心の中にスルッとり込んで、次の瞬間には中に染み渡っていた。
大切な事に気付いたような、自分の事を理解できたような、そんな覚。次の瞬間には、驚くほど冷靜に自分の事を分析できるようになっていた。
Advertisement
自分が他人にどう見られているのかを。
思い返せば俺は、いつも誰かに軽く見られ、げられていた。過去も現在も、きっと未來も。
一年前に初めてできた彼には浮気され捨てられた。後輩にはいつも揶揄われ、ご存知の通り推しには現在進行形で罵倒されている。
世界は薔薇に包まれている。なんて言ったアホがいるようだが、俺から見える世界は灰一だ。誰からもされず、必要とされない不燃ゴミだ。
そんな不要の名前は宮本優太。優太という名前は、今は亡き両親が、優しい子に育つようにと付けてくれたものだ。両親は事故で他界してしまったが、その想いは俺のにしっかりと刻まれている。だから俺は常に笑顔を忘れず、相手を否定せず、気分良く過ごしてもらえるように必死に努力してきた。それが優しさだと思っていたからだ。
……だが、もう疲れた。
俺はいつまで優しくあらねばならないのだろう。自分を無下にする人間の事を、心を削ってまで肯定する必要はあるのだろうか。何をされても怒らず、反撃もせずにけれていた俺は、ユイちゃんの言う通り正真正銘の奴隷だった。
だが気付けたんだ、今の自分が異常だって事に。
もう、このままの俺でいたくないんだ。
これからの俺は、自分を大切にしてくれる人だけを大切にする。自分の思ったことを素直に伝える。それがたとえ、自らを苦しめることになったとしても、我慢して苦しむよりよっぽどマシだ。
「ねえ聞いてる? 耳が聞こえなくなっちゃった?」
「五月蝿いよ、アホ面しやがって」
「…………えっ?」
覚悟を決めた途端、今まで言えなかった言葉がすらすらと口を通っていく。
目の前では、俺の推しメイドであるユイちゃんが目を丸くして驚いている。
真っ青に染めた長い髪を揺らしながら、大きな垂れ目が俺を見つめ、突然下に見ていた人間に言い返されたことがショックだったのか、薄いがぷるぷると震え、せっかくの整った顔が歪んでいる。
ユイちゃんはこの店の人気キャストだ。
ピンクと白のメイド服を、これでもかというくらい自然に著こなしていて、振り撒く笑顔は太の様に輝いている。そんな姿に惹かれ彼を推す客はなくないし、俺もそうだった。
でも、もう彼の事を推していた自分は死んだ。
店に通い始めた頃の彼は優しかったが、いつしか人が変わった様に俺の事を罵倒しだした。
キツい言葉も、盲目的に彼を崇拝していた時には気にならなかったが、今は怒りを沸々とじている。
「話してて楽しくない? それはお前が人との會話を盛り上げようとしないからだよ。確か俺と同い年だったよな、偏差値40もないんじゃないか? そんなに會話が退屈なら、もうこの店には來ないから安心してくれ。今までありがとう、さようなら」
「えっ? 待って意味がわからない、なんでそんなに怒ってるの? いつも笑ってたじゃん!」
「今まではな。お前が言う通り奴隷だったんだよ俺は。でも、もうそれはやめだ。これからは自由に、好きな様に生きていくんだ」
金をテーブルの上に置き、荷をまとめ、狀況が摑めていない馬鹿を放置してエレベーターに乗る。
本來ならば會計を済ませるためにキャストを呼ぶ必要があるが、だいぶ多めに置いてきたから許されるだろう。授業料というやつだ。
「ねぇ待って! 何がそんなに気に障ったのか教えて! 謝るから! ねえ!」
何か言っている聲が聞こえるが、エレベーターの壁に阻まれて良く聞こえない。大方、勝手に帰ろうとした俺への罵倒だろう。
いつもそうだ、あいつは俺が帰ろうとすると不機嫌になる。きっと金蔓がいなくなるのが嫌なのだろう。一いくら俺から毟り取るつもりなのか。
だが、そんな不な毎日も終わりだ。これからは自分のために金を使おう。服を買って、髪を切って、新しいスタートを切るんだ。
ビルの外に出ると、街には仄かに夜の闇が近付きつつあった。
雲一つない空、落ちる夕はまるで過去の自分のようだ。
なんて綺麗な眺めなんだろう。當たり前の事に、普段下ばかり見ていたせいで全く気が付かなかった。大きく息を吸い込み、新鮮な空気で肺を満たす。中の細胞が活化し、活力が溢れ出てくる。
「俺は自由になったんだ」
そう呟くと、言いようのない解放が、喜びがの奧から湧き上がってくる。
高校2年生、明日からは夏休みだ。
約一月の貴重な時間を無駄にするわけにはいかない。やりたい事がたくさんある。なんで今まで考えつかなかったんだろう。
気付けば、世界は付いていた。
これからもっと鮮やかになっていくだろう。
足取りは軽く、人生で一番の幸福をじながら、俺は家路についた。
【書籍化決定】婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
アメリアには、婚約者がいた。 彼は、侯爵家の次男で、貴重な「土魔法」の遣い手だった。 婚約者とは良好な関係を築けていたと思っていたのに、一歳年上の彼が王立魔法學園に入學してから、連絡が途絶える。 不安に思うが、來年には自分も入學する。そのときに話し合えばいい。 そう思っていたのに、一年遅れて入學したアメリアを待っていたのは、周囲からの冷たい視線。 婚約者も理由をつけて、アメリアと會おうとしない。 孤立し、不安に思うアメリアに手を差し伸べてくれたのは、第四王子のサルジュだった。 【書籍化決定しました!】 アルファポリスで連載していた短編「婚約者が浮気相手と駆け落ちしたそうです。戻りたいようですが、今更無理ですよ?」(現在非公開)を長編用に改稿しました。 ※タイトル変更しました。カクヨム、アルファポリスにも掲載中。
8 50虐げられた奴隷、敵地の天使なお嬢様に拾われる ~奴隷として命令に従っていただけなのに、知らないうちに最強の魔術師になっていたようです~【書籍化決定】
※おかげさまで書籍化決定しました! ありがとうございます! アメツはクラビル伯爵の奴隷として日々を過ごしていた。 主人はアメツに対し、無理難題な命令を下しては、できなければ契約魔術による激痛を與えていた。 そんな激痛から逃れようと、どんな命令でもこなせるようにアメツは魔術の開発に費やしていた。 そんなある日、主人から「隣國のある貴族を暗殺しろ」という命令を下させる。 アメツは忠実に命令をこなそうと屋敷に忍び込み、暗殺対象のティルミを殺そうとした。 けれど、ティルミによってアメツの運命は大きく変わることになる。 「決めた。あなた、私の物になりなさい!」という言葉によって。 その日から、アメツとティルミお嬢様の甘々な生活が始まることになった。
8 128ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~美人ヴァイオリニストの橫顔、その陰翳が隠す衝撃の真実
ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生シリーズ6作目です。 兄は……本當は俺のことをどう思っているのだろう? たとえ半分しか血がつながっていなくても、ずっと優しくしてくれた。 その意図に裏なんてないと、ずっと信じてきた。 でも、今はもう真実がわからなくなってきた……。 優しかったはずの異母兄が、本當は自分を疎んじていたことを知った藤江周は、ある日、義姉の口から自分の出生の秘密を知らされることになる。 なんとしてでも義姉を兄と離婚させ、本當に好きな男と結ばれるようにしてやりたい。 そう考えたが、現実は思うようにならない。 そんな折、義姉の実家が経営する溫泉旅館『御柳亭』が廃業の危機に追い込まれていることを知る。なんとか経営を立て直すことができないだろうかと、周が和泉に相談したところ、知り合いの會計士を紹介してくれる。 その會計士は旅館従業員の中に橫領犯がおり、その不正が経営を圧迫していることを突き止めるが、真相に迫るにつれ、命を狙われるようになる。 一方そのころ、宮島の紅葉谷公園で白人男性の他殺體が発見される。被害者は結婚詐欺師として捜査2課がずっと追っていた人物だった。 警察は詐欺被害者の內の誰かが犯人だと考え、捜査本部を設置するが、判明している詐欺被害者達には全員、アリバイがあった。
8 131Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~
何の根拠もなく「これだ!」と、とあるオフラインのVRゲームの初見プレイを配信する事を決めた能天気な無自覚ドジっ子なサクラ。 いざ人任せにしつつ配信を始めたら、なんでそんな事になるのかと視聴者にツッコまれ、読めない行動を見守られ、時にはアドバイスをもらいつつ、ポンコツ初心者は初見プレイでの珍妙なゲーム実況を進めていく! そんなサクラが選んだゲームは、現実に存在する動植物を元にして、モンスターへと進化を繰り返し、最終的に強大な力を持つ人類種へと至る事を目的としたゲーム『Monsters Evolve』。 そのオンライン対応版のVRMMO『Monsters Evolve Online』がサービスを開始して少し経った頃に、VR機器そのものに大幅アップデートが行われ、タイトルに制限はあるがリアルタイムでの配信が解禁されたものである。 これはオフライン版の『Monsters Evolve』を描く、もう1つの進化の物語。 カクヨムでも連載中! pixivFANBOXで先行公開も実施中です! また、本作は『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』の関連作となります。 関連作ではありますがオンライン版とオフライン版という事で話としては獨立はしていますので、未読でも問題はありません。 もしよろしければオンライン版の話もどうぞ。 https://ncode.syosetu.com/n7423er/
8 116ダンジョン潛って1000年、LVの限界を越えちゃいました
世界樹ユグドラシルの加護により、13歳で肉體の壽命が無くなってしまった変異型エルフの少年‘‘キリガ,,は、自由を求め最難関と言われるダンジョン、『ミスクリア』に挑む。 彼はそこで死闘を繰り返し、気が付くと神が決めたLVの限界を越えていたーーーー もう千年か……よし、地上に戻ろっかな!
8 142スキルイータ
俺は、どうやら死んでしまうようだ。 ”ようだ”と言ったのは、狀況がよくわからないからだ、時間が止まっている? 會社のメンバーと、打ち上げをやった、その後、數名と俺が行きつけにしているバーに顔をだした。デスマ進行を知っているマスターは、何も言わないで、俺が好きな”ギムレット”を出してくれる。 2杯目は、”ハンター”にした、いつものメンバーできているので、話すこともなく、自分たちが飲みたい物をオーダした。 30分程度で店を出る。支払いは、デポジットで足りるというサインが出ている。少なくなってきているのだろう事を想定して、3枚ほど財布から取り出して、店を出る。雑踏を嫌って、裏路地を歩いて、一駅前の駅に向かった。 電車を待つ間、仲間と他愛もない話をする。 異世界に転生したら、どんなスキルをもらうか?そんな話をしながら、電車が來るのを待っていた。 ”ドン!” この音を最後に、俺の生活は一変する。 |異世界《レヴィラン》に転移した。転生でなかったのには理由があるが、もはやどうでもいい。 現在、途方にくれている。 ”神!見て笑っているのだろう?ここはどこだ!” 異世界の、草原に放り出されている。かろうじて服は著ているが、現地に合わせた服なのだろう。スキルも約束通りになっている。だが、それだけだ。世界の説明は簡単に受けた。 いきなりハードプレイか?いい度胸しているよな? 俺の|異世界《レヴィラン》生活がスタートした。
8 127