《【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。》改造計畫

補完です。夜にも更新します。

帰宅した俺は早速自室へと戻り、スマートフォンとパソコンの両方を使って報を集める事にした。

目を隠すくらいにび切った前髪に、垢抜けない中學生のような私服。顔には覇気がなく、貓背なのが相まって実際よりも背が低く見えてしまう。

パッと鏡を見ただけでも、今の自分が直すべきところが山程見つかる。他人を下に見るのは許される事ではないが、舐められるような格好をしている俺にも問題はあるだろう。悪いところを一つずつ無くしていって、まずは平均的な男子を目指す事にした。

というわけで、夏休みの自由な時間を出來るだけ実のあるものにするべく、『宮本優太改造計畫』を実施する。

最初に、このボサボサで清潔じられない長髪をどうにかしよう。

長い前髪は安心を與えてくれるが、他人からは表が読み取れないという欠點もある。

それに、今後服の試著をする時に、この顔まわりでは似合っているものも不釣り合いにじてしまうからだ。そうと決まればやることは一つ。

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俺はスマホの検索アプリを開き、『最寄りの大きな駅名 メンズ 容院』で検索をする。

すぐに検索結果が表示され、その中でも上位にある、近くの容院の報がまとめてあるサイトを見る事にした。

ふむ。前まで通っていた散髪屋よりも値段は張るものの、その裝や雰囲気は遙かに灑落ていて、ここに行けば格好良くしてもらえるかもしれないと期待を抱いてしまうほどだ。

小一時間いろいろなサイトを見て考えた結果、家からはし遠いものの、客に合わせた幅広いスタイリングが自慢の店に決めた。

迷わず予約畫面に飛び、メニューを選ぶ。

うちの高校は校則が緩いため、髪を染めても何も言われないが、いきなりぶっ飛んだイメチェンをするのは違うと思う。

とりあえずはカットと、後はこの『眉カット』も選んでおこう。眉を自分でどうこうした経験がないので分からないが、お灑落に気を使う男子は眉のケアも怠らないらしく、真似からでも始めてみる事にした。

メニューを決めたら、スタイリストさんを選ぶ畫面に移った。誰が上手くて誰が下手かの判斷ができないし、初回はお任せでもいいだろう。

そのまま次の畫面へ移する。幸いな事に、明日の晝の予約が空いている。思い立ったが吉日という言葉もある様に、予約するのも出來るだけ早い方がいいだろう。行を先送りにするばかりでは、いつまで経っても改善は見込めない。殘りの報を力して、予約ボタンを押す。

何はともあれ、これで予約が確定した。分からないことは明日容師さんに聞くとして、今日はまだ時間がある。他にもたくさん調べができそうだ。大変な夏休みになるぞ。

――――――――――――――――

翌日。

「うーん……。りにくい」

予約30分前には容院の前に到著していたのだが、けない事に店の雰囲気に圧倒され、気付けば後5分で時刻ぴったりになってしまう。

まさか容院にる事すら、こんなにも覚悟がいる事だなんて。白を基調とした清潔のある外観、大きくガラス張りされたり口からは、店の洗練された様子を余す事なく確認できる。

こんなキラキラした空間にったら、日ものの俺など一瞬で灰になって吹き飛ばされてしまいそうだ。そもそもり口にキャ対策のバリアが張り巡らされている可能もある。

……だめだ、このままだと髪を切るだけで夏休みが終わってしまう。死んだら死んだでその時だ、俺の勇姿が後世まで語り継がれる事を期待して、挑戦するしかない。

震える足と、地面にが空きそうなほど重いを無理やりかし、神々しくそびえる新天地へと足を踏み出した――。

――――――――――――――――――

「わぁ、すごくお似合いですよ! もはや種族が変わってます〜!」

「……誰だこれ」

半ば白目を剝きながら店り1時間が経過し、俺の目の前には見たことがない男子高校生が座っていた。

弾低気圧の様に重苦しかった前髪は眉にかかるくらいに、サイドは耳の中ほどまでに切られ、若干長さにバラツキを出すことで立じられるようになっていた。

丁寧に揃えられた眉は凜とした印象を與え、お世辭抜きにかなりの好青年に見える。しかし、何故か彼は怪訝そうな顔をしており、自分の目の前にいる人間の正を探ろうとしているようだった。

……という事は、こいつは俺か。

まさか、初めて鏡で自分の姿を見た人間が発しそうな臺詞を言う時が來るとは。スルーしていたが、擔當してくれた容師さんも若干失禮な褒め言葉を送ってくれていたし、そのくらい見違えたと言う事だろう。

「こんなカッコよくなるなんて、ちゃんとお灑落しないと勿ないですよ〜!」

「本當にありがとうございます。自分じゃないみたいでびっくりしました」

容師さんは櫛をくるくると回転させながら得意げな様子だ。最初、俺の擔當をすると決まった時には引いているように見えたが、段々と機嫌が良くなっていき、今は満足気に語っている。

「でも、どうして突然容院に來ようと思ったんですか?」

失禮な質問かもしれないが、彼なりに話題を盛り上げようとしてくれているのが伝わる。だから俺も正直に、自分が変わろうと思ったきっかけを話す事にした。

「え、それは周りの方みんな酷いと思います! ちょっと距離おいた方がいいんじゃ……」

「やっぱりそうですよね。だから夏休み中に変わって、ガツンと言ってやろうと思ってるんです」

「そうしましょう! 何か私にお手伝い出來ることがあれば聞いてください!」

おそらく社辭令だろうが、容師さんからありがたい申し出をけたので、最近のメンズの服はどのようなものがオススメなのかを聞いてみる事にした。

すると、今の流行と共に良い報収集法を教えてもらったので、帰宅してからそれを試す事にした。

ありがとう、ほどほどに失禮な容師さん。

マイナスの面が気にならない程彼には助けられてしまい、勇気を出して店に飛び込んでみて良かったと心から謝する。また髪がびたら彼にカットをお願いしようと思いながら、新しい自分と共に退店するのだった。

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