《【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。》プリクラ
夏休み明けの激の日々とは正反対に、和やかなムードが漂う駅前。普段なら學生の本分を果たしているところだが、學校のなんとか記念日とやらで有難い事に授業は休みになっている。
そんな今日、黒咲とショッピングモールへ行くことになった俺は、14時の待ち合わせに予想外に早く著きすぎてしまったため、目の前を流れる人波を観察していた。
両親の真ん中で、それぞれと手を繋ぎながら楽しそうにはしゃぐの子や、忙しそうに電話をしながら歩く會社員。大學生くらいだろうか、腰ほどまである黒髪を揺らしながらショッピングモールへ向かうと、それと一緒に歩く、彼へ惚れているであろう事が容易に理解できる男。
人間を観察していると、その人の背景やまで見えてくる時があってとても楽しい。自分以外の人生というものをじるからだ。
夢中になって観察していると、飽きる事のない人波の中でも一際目立った人が目にる。黒いサマーニットにブラウンのパンツ。綺麗な白い首元がわになり過ぎぬよう、巻きのボブで守られている。インナーにった金髪が目を引くため、出した肩の防もバッチリだ。俺と目が合うと、し釣り上がった貓のような目元は嬉しそうに砕け、手を振りながら小走りで駆け寄ってくる。
Advertisement
「せんぱ〜い! おはようございます!」
「もう晝だけどな。おはよう」
「先輩と會えた時に私の朝は始まるんです! 待ちましたか?」
「俺もちょうど著いたところだよ」
教科書通りの返事をしつつ、駅のすぐ近くにあるショッピングモールへと向かう。
普段、制服の時の黒咲は活発さがあって年相応のといったところだが、今日の格好は高校生にしては々大人びていた。しかし、スタイルの良さと整った顔立ちのおで、大學生と言ってもおかしくないしさだった。何より薄著のため、歩くたびにが揺れ、橫を歩く彼の目を見ていても視界にってしまう。
「先輩はどこを見てるのかなぁ〜?」
「いや違うんだ、今日の黒咲は清楚で可いなと思って」
「……そういう事にしておいてあげます。先輩も……カッコいいです」
「嬉しいよ。ありがとう」
これもまた本心だが、なんとか危機をする事が出來たようだ。
そうこうしているに施設のり口に到著し、館の案マップを見上げる。
Advertisement
「ゲーセンも行きたいけど、キャッスルレコードとアドアバも行きたいんですよね」
「お客さんもないみたいだし、ゆっくり回っていこう」
「そうですね! れっつごー!」
まず、最初に訪れたのはアドアバだ。本來の名前はアドバンス・アヴァンギャルドといって、サブカルチャー系の商品を多く取り扱う書店である。書店といっても、アニメグッズや海外のよく分からないお菓子など、謎に富なラインナップで若者を喜ばせている人気店だ。かくいう俺たちも、暇を見つけては二人で足を運んでいる。
「先輩先輩! キャプテン・アボカドの新刊出てますよ!」
「黒咲、前に映畫観てからどハマりしてるもんな……。3200円!? 高いな!?」
「さくらんぼ味のコーラだってさ、飲んでみる?」
「うえぇ……味しいんですかそれ……?」
「俺たちが知らないだけで、海外では人気商品かもしれないぞ?」
久しぶりに來たアドアバを満喫して、俺たちは店を後にする。ちなみにさくらんぼ味のコーラは割と味しかった。
次に立ち寄ったのはキャッスルレコードだ。説明しなくとも伝わるだろう、メジャーからインディーズまで幅広いアーティストを取り扱う、大手のCDショップである。新作発売前のバンドがイベントを開く事も多々あり、店はいつも活気に溢れている。
「そういえば先輩、サバフィクションの新譜買いました?」
「もちろん買ったとも。特典のライブ映像めちゃくちゃ良くて、いつか行ってみたいなって、ライブ」
「あーわかります! の使い方が上手いですよね。もし2枚チケット取れたら一緒に行きましょ!」
「もちろんだとも」
何を隠そうサバフィクションとは、俺と黒咲が知り合うきっかけとなったバンドである。一つのジャンルに當てはまらない楽曲作りに定評があり、ロックやポップ、果てにはダンスミュージックの要素すら取りれ産み出される音楽は多くのファンを魅了している。
俺が黒咲と出會った時に聴いていた曲は「クライシス」という曲だ。落ち著いた曲調の多いサバの中では珍しく、ロックのが前面に押し出されており、生きる事についての力強いメッセージが込められている。本來であれば元気を貰える一曲なのだが、あの時は自分の未來が真っ暗に見えていて、何故だかとても辛く思えてしまった。だか今ではそんな気持ちも消え、バンドの中で最も好きな曲になっている。
お互いに語り盡くし興冷めやらぬ中、黒崎に手を引かれてやってきたのはゲームセンター。俺を連れて歩く彼の耳が真っ赤になっていたのは何故だろう。
「さぁ先輩、思う存分遊びましょう!」
「はしゃぎすぎないようにな」
やはりゲームセンターの定番といえばクレーンゲーム……ではなくエアホッケーだろう。決してクレーンゲームが苦手だからではない。決して。
二人分のお金をれ、スヤッシャーを手に取る。
「負けませんよ〜!」
「俺も手加減しないぞ。殺人必殺ショットを止められるかな?」
「そんなもん打たないでください」
こうして、世界の存亡をかけた二人の戦いが始まった。
「………………負けた」
「やったぁ! 先輩弱いですね!」
結果はボロ負けだった。小學生でももうし善戦するだろう。だが待ってほしい、これは俺の実力ではなく、高度に張り巡らされた罠だったのだ。想像してみてほしい、黒咲が円盤を打とうと屈む瞬間を。ここからは何も言うまい。つまり、俺は本能とかそういう奴に負けたのだ。ふむ、恥ずかしくなってきたから話題を変えよう。
「黒咲、前にメイド服著てくれるって言ってたよな。プリクラの橫で貸し出してるって書いてあるぞ」
「えぇ!? ちょっと待ってください! あの、まだ流石に心の準備が……」
「そうか。殘念だ……」
いくら黒咲と言えど、いきなりメイド服を著るのは恥ずかしいのだろう。きっと子にも心構えとか、々あるのだ。
「あでも、プリクラは撮りたいです!」
「いいよ。撮ろう」
「ほんとですか!?」
自分からっておいて顎が外れんばかりに驚く黒咲を連れて、今一番盛れると噂のプリ機へと到著する。プリクラは昔、淺川と撮った事があるので勝手は分かる。400円をれて、手早くの選択を済ませる。
「……なんか慣れてません?」
「………………」
隣から突き刺さる視線を華麗にスルーし、筐の中へる。
『今日はパルルを利用してくれてありがとう。まずはカメラを――』
二人がちょうど良く寫るようにカメラを合わせる。と言っても、俺たちの長はあまり変わらないので調整する必要はほとんどない。
「せ、先輩。私ちゃんと笑えてますかね」
「めちゃくちゃいぞ」
黒咲は何故かガチガチに張している。もしかすると、男子とプリクラを撮ったことがないのかもしれない。しょうがないな、ここは俺が先輩としてリードする事としよう。安心を與えるためにハイテンションの方が良いかな。
『まずは可く顎に手を當てて!』
「こ、こうですか!?」
「そうだ! 顎を引いて上目遣い!」
『次は、相手のほっぺたをツンツンしてみよう!』
「黒咲! ほっぺた借りるぞ!」
「ふぇ!? 先輩!?」
『最後は相手をぎゅっと抱きしめて!』
「待ってください先輩! 心臓が! 心臓が!!」
「心配するな! 俺が導いてやる!」
「なんで変なモードってるんですかーー!」
……3分後、満足気に筐から出る俺と、凄まじく疲れた様子の黒咲の姿があった。
「さ、次は落書きだな」
「……さっきのはセクハラですよ」
「パルルに指示されたからしょうがないだろ」
俺の的確な行のおか、かなり自然に盛れた寫真の數々が並んでいた。
「あ、この寫真、二人とも盛れてますね」
「抱きついたやつか。やはり俺は正しかった」
「……抱きつかれるのは嬉しいですけど、心臓が持たないからだめです」
そう言いながらも、追加で顔を小さく加工する手は止まらない。この寫真はどうで、あれはどうだと盛り上がっていると、あっという間に終了の時間になってしまう。
「私はこれにします」
「奇遇だな、俺もだ」
二人が選んだのはもちろん、抱きついている一枚だ。実で手にるのはこれだけでも、畫像として取り込むことはできるし割となんでも良いじはあるが。
しばしの間待っていると、印刷されたシールが排出される。
「ふふーん。先輩との初プリ嬉しいです」
「また撮ろうな、次はもっと凄いポーズのやつ」
「……もちろん撮りますけど、ポーズは普通のがいいです」
プリクラを大事そうにスマホの裏にれ、上機嫌な黒咲。この後も、心ゆくまで休日を楽しんだ。
需要あるよ、これからも読んでやってもいいよと思ってくださる優しい方がいたら、
ブックマークや、ページを下の方にかしていって、☆5をつけて応援していただけると泣いて喜びます。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
8 7712ハロンのチクショー道【書籍化】
【オーバーラップ様より12/25日書籍発売します】 12/12 立ち読みも公開されているのでよかったらご覧になってみてください。 ついでに予約もして僕に馬券代恵んでください! ---- 『何を望む?』 超常の存在の問いに男はバカ正直な欲望を答えてしまう。 あまりの色欲から、男は競走馬にされてしまった。 それは人間以上の厳しい競爭社會。速くなければ生き殘れない。 生き殘るためにもがき、やがて摑んだ栄光と破滅。 だが、まだ彼の畜生道は終わっていなかった。 これは、競走馬にされてしまった男と、そんなでたらめな馬に出會ってしまった男達の熱い競馬物語。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団體・國などと一切関係がありません。 2018/7/15 番外編開始につき連載中へ狀態を変更しました。 2018/10/9 番外編完結につき狀態を完結に変更しました。 2019/11/04 今更ながらフィクションです表記を追加。 2021/07/05 書籍化決定しました。詳細は追ってご報告いたします。 2021/12/12 書籍化情報を追記
8 63崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います
仮想現実を用いたゲームを楽しむ一般人だった私。 巨大ロボを操縦し、世界を駆け抜ける日々は私を夢中にさせた。 けれどある日、私の意識は途切れ…目覚めたのは見知らぬ場所。 SF染みたカプセルから出た私を待っていたのは、ゲームのような巨大な兵器。 訳も分からぬまま、外へと躍り出た結果、この世界が元の場所でないことを確信する。 どこまでも広がる荒野、自然に溢れすぎる森、そして荒廃した都市群。 リアルすぎるけれど、プレイしていたゲームに似た設定を感じる世界。 混亂が収まらぬまま、偶然発見したのは一人の少女。 機械の體である彼女を相棒に、私は世界を旅することになる。 自分の記憶もあいまいで、この世界が現実かどうかもわからない。 だとしても、日々を楽しむ権利は自分にもあるはずだから!
8 198VRゲームでも身體は動かしたくない。
多種多様な武器とスキルや様々な【稱號】が存在するが、職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全沒入型VRMMO化されることになった。 身體をなるべく動かしたくない、岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム內の親友との會話で落ち著きを取り戻し、今日も<Imperial Of Egg>にログインする。 當作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結し次第、一日一話投稿致します。
8 178Astral Beat
ある梅雨明けの頃、家路を急いでいた少年は、巷を騒がせていた殺人鬼に遭遇し、殺されてしまう。 気が付いた時には、異能力が発現し、しかも、美少女になっていた!? 異能力によって日常が砕かれた彼(彼女)は、異能力による數々の事件に巻き込まれていく。偽りの平和と日常の瓦礫の中で何を見るのか。 そんな、現代風シリアス異能バトルコメディ、ここに爆誕。
8 97友だちといじめられっ子
ある日から突然、少女はクラスメイトから無視をされるようになった。やがて教室に行かなくなって、學校に行かなくなって⋯⋯。 またある日、先生に言われて保健室に通うようになり、教室に行くのだが、影で言われていたのは「なんであいつまた學校に來てんの」。少女は偶然それを聞いてしまい、また保健室登校に逆戻り⋯⋯。 またまたある日、保健室に登校していた少女の元に、友人が謝りに。また教室に行くようになるも、クラスメイトに反省の意図は無かった⋯⋯。 遂には少女は自殺してしまい⋯⋯⋯⋯。 (言葉なんかじゃ、簡単にいじめは無くならない。特に先生が無理に言い聞かせるのは逆効果だとおもいます。正解なんて自分にも良く分かりませんが。) ※バトルや戀愛も無いので退屈かもしれませんが、異世界物の合間にでも読んで見て下さい。 (完結済~全7話)
8 99