《【書籍化決定】ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた~夢のような生活が始まると思っていたけど、何か思ってたのと違う~》半墮ち?ひよりん
『とっても味しそう! 寄ってもいいかしら? 22時過ぎになっちゃいそうなんだけど…………』
1時間のザニマス生放送を観終え、靜の使った茶碗や箸を洗っていると、ひよりんから返信が來た。
22時過ぎっていうと…………今から丁度一時間後くらいか。それなら問題ないな。
『大丈夫ですよ。焦らず來てくださいね』
返信して、洗いに戻る。それもすぐ終わり手持ち無沙汰になった。
「先にシャワー浴びちまうか」
そんな訳でシャワーを浴び、ぼーっと料理レシピサイトを巡回していると、インターホンが鳴った。モニターに映っているのは見覚えのあるクリームベージュのワンピース。さっき生放送で映っていたままの姿のひよりんだった。
あれ、私服だったんだな。
急いで玄関のドアを開ける。
「こんばんは、お疲れ様ですひよりんさん」
「蒼馬くん。ごめんね、夜遅くに」
「いえいえ。ってくださいな」
連れだってリビングにる。
「軽く溫めちゃうので、ちょっと待ってくださいね」
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フライパンで軽く溫めなおしてからテーブルに並べると、ひよりんは楽しそうな聲をあげた。
「わあ。すっごく味しそう。蒼馬くん凄いわねえ」
「そんなことは。白魚って溫めなおすとパサパサになっちゃうのでちょっと味は保証出來ないんですけど」
「ううん、絶対に味しいわよ。あ、そうだ蒼馬くん、お酒付き合って貰ってもいいかしら?」
ひよりんはお酒のボトルと炭酸水を持參してきていた。
「是非是非。それは?」
「これはグレンモーレンジっていうウイスキーでね、柑橘の香りがしてハイボールにするとすっごく味しいのよ」
「そうなんですか」
聞いたことない名前だ。ウイスキーは角とかニッカしか買わないからなあ。
「ちょっとキッチン借りるわね」
勝手知ったる、というじでグラスなどを用意するひよりん。やっぱ好き勝手やってくれた方が気が楽だな。
テキパキと作業するひよりんの背中を眺めていると、グラスを2つ持ったひよりんが戻ってくる。
「はい、どうぞ」
コト、とグラスが俺の前に置かれる。グラスの中では薄黃金のハイボールが軽く泡を立てていた。
「蒼馬くん」
対面に座ったひよりんがグラスを持って俺に微笑みかけてくる。
俺はグラスを持って、ひよりんのグラスに軽くぶつけた。
「それじゃ────頂きます」
蒼馬會第二部…………始まり始まり。
◆
「────つまりね、アメリカのウイスキーがバーボンでスコットランドのウイスキーがスコッチなの。日本のウイスキーはスコットランドのウイスキーを源流にしているから、スコッチに似ているのよ」
「へえ…………そうだったんですね」
心配なんて何のその、アクアパッツァは早々にひよりんの胃袋に収まり、俺はまったりとひよりんとお酒を飲んでいた。構えていたものの酒の気配はまだない。いつもの穏やかなひよりんだ。
「因みに、スコッチとバーボンではウイスキーの綴りが違うの。スコッチはeがなくてwhisky、バーボンはeを足してwhiskeyなの。ラベルに注目してみると面白いわよお。メーカーズマークはスコットランド系移民が始めたブランドだから、バーボンなのにeがないんだけれどね」
ひよりんはいつになく饒舌で、楽しそうに顔を綻ばせている。本當にお酒が大好きなんだなあ。
「ひよりんさんは外でもよく飲むんですか?」
俺は何となく気になってそんな事を聞いてみた。
というのも、外で昨日みたいな狀態になったら大変じゃないか?
それにあんなひよりんを誰かに見られるのは…………何か嫌だった。
他の人に甘えるひよりんを見たくはない。それが男だったら尚更だ。
ひよりんは俺の質問にし恥ずかしそうに顔を歪めた。
「あはは、それがねえ……? 私、酔うと暴れちゃうらしくて外では飲まないようにしているの。お酒はそんなに弱い訳ではないんだけれど、念のためね」
「なるほど、そうだったんですね」
ひよりんは自分が酒だという事は自覚してたのか。それなら外でああなってしまうことはないか。
「そういえば昨日…………私、蒼馬くんに何かしちゃってない? あの量じゃいつもは酔わないんだけどね…………昨日は楽しくて、気付いたら酔っちゃってたみたいなの」
あの量じゃ酔わない…………?
昨日のひよりん、ビールのあとにストロング缶3本空けてた気がするんだが。めちゃくちゃ酒強いじゃん。
「あー…………うん。大丈夫でしたよ」
昨日の事を思い出して恥ずかしくなり、俺は顔を背けた。
気を抜くとあのらかなを思い出しそうになる。
「うそ。その態度は私何かやっちゃったんだね…………教えて、私何しちゃったの…………?」
ひよりんの潤んだ瞳で上目遣いに見つめられる。
多酔っているのか頬は上気していて、なんとも艶めかしい。
俺は急激に顔にが集まるのをじた。頬がかっかっとして、鼓が速い。
思考能力が低下してしまったのか、俺は本當の事を言ってしまった。
「…………膝の上に載せられたり。抱き締められたり…………しました」
「~~~~~~~っ」
ひよりんは俺の暴を聞いて両手で顔を覆った。耳まで赤くなっている。
「ごめんね…………嫌だったよね、こんなおばさんにくっつかれて…………」
顔を覆ったままひよりんが謝ってくる。聲がし震えている気がした。
「そんな事言わないでください! あの…………なんというか、嫌、ではなかった、ので…………」
「…………え?」
ひよりんは顔を覆ったまま、ピッと指を開いて目の所に隙間を作り俺を見てくる。
「ほ、ほら! 俺八住ひより推しなので! 寧ろ嬉しかったというか何というか…………」
ひよりんを元気付けようと無軌道に喋り出したのはいいものの、もしかして今トンデモナイ事いってないか!?
あのウイスキーアルコール度數何パーセントだよ。絶対酔っぱらってるわ今。
「蒼馬くんは…………私にぎゅーってされると、嬉しい、の?」
「え…………?」
ゆっくりと顔から手を放し、ゆでたこみたいになったひよりんが現れた。
「いい……よ……? お料理、作って貰ってるし。ぎゅーって…………して、あげても」
ひよりんは顔を赤くしてそっぽを向き、指先をいじいじ絡ませながら…………そんな事を言ってきた。
「ちょ────ひよりんさん酔ってません!?」
「う、ううん酔ってないけど…………今ね、とっても恥ずかしい」
てへへ、と笑うひよりんの橫顔が可すぎて、俺はすっかりに落ちそうになった。
「あはは、そうですよねっ。と、とにかくぎゅーは辭めましょっ。俺も変になっちゃいそうなので! というか何かちょっと変な空気ですから今!」
パタパタと顔を仰ぎながらひよりんから目を逸らす。
今のひよりんを見ていたら…………正直言って求のままに押し倒してしまいそうだった。
「そっ、そうだね。ごめんね、ヘンなこと言っちゃって。忘れてね」
「ハイ! 忘れます! 綺麗さっぱり忘れますから!」
「でも…………ありがとうね。嬉しいって言ってくれて」
「…………はい」
ドキドキしたものを抱えながら、蒼馬會第二部は終わりを告げたのだった。
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