《【書籍化決定】ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた~夢のような生活が始まると思っていたけど、何か思ってたのと違う~》ホラー回です。

本作は丁度連載一か月が経過しましたが…………なんともうしで15000pt、ブックマーク數4000に到達しようとしています!

とんでもない數字に恐れおののく毎日です。いつも沢山の応援ありがとうございます!

「あの…………真冬…………サン…………?」

真夏の太のような…………というのとはまた違う、じっとりとした中にも重い冷たさをじる真冬ちゃんの視線が、俺をい付ける。

「…………あの…………講義…………遅れちゃう…………よ…………?」

「…………」

の知れない悪寒に震えそうになるを押さえつけながら、決して真冬ちゃんから視線を外さないようにしながら、ゆっくりと手探りで靜の家の鍵を閉める。気分はあの有名なジュラシック映畫。恐竜を刺激しないようにしずつドアににじり寄る、あのが脳裏に蘇った。

手元の方からカチン、という軽い金屬音がする。俺はゆっくりと合鍵を引き抜いてポケットに閉まった。その間も視線は真冬ちゃんから外さない。いや、外すことが出來なかった。蛇に睨まれた蛙のように、かすことが出來ない。

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「…………朝から」

「っ!?」

真冬ちゃんがようやく口を開き、俺は肩を震わせた。

…………どうして俺はこんなに真冬ちゃんにビビってるんだろうか。何故か本能が真冬ちゃんを恐怖していた。

「…………朝から、何してたの。靜の家で」

ちら、と靜の家のドアの方へ視線を向ける真冬ちゃん。なんでそんな暗殺者みたいな目をしているんだよ。

「まさかとは思うけれど…………夜からいた、とか言わないわよね」

「…………ぁ」

聲を出そうとして────がカラカラになっていることに気が付く。

なんだよこれ、一なんなんだ。どうしてこんなに怖いんだ。

「どうして黙ってるの? まさか本當に────」

違う、違うんだって!

張して聲が出ないだけなんだよ!

俺は必死に首を橫に振ってアピールした。真冬ちゃんはそんな俺を、まるで地獄に落ちた罪人の命乞いを眺める閻魔大王のようにじっと眺めている。

閻魔大王様は俺の命乞いを見飽きたのか、それとも判決が既に決まっているのか、すっと視線を外した。寢間著姿の俺の全を、顔をかさず目線だけで睨めつけていく。

「…………話は署で聞くから。とりあえず著替えたら?」

…………一何署なんだろうか。俺はを震わせながら真冬ちゃんの橫を通り、自宅に避難した。

靜が風邪を引いただけだとは伝えたものの真冬ちゃんはずっと怖い目をしたままで、俺は2つ年下の馴染に恐れ慄きながら大學への道のりを踏破した。去り際に「今晩じっくり話し合いましょう」と半ば強制的に約束をわされ、俺は何とか生き延びる事が出來たのだった。

そんなこんなで靜の調と、真冬ちゃんの事を考えながら午前の講義を聞き流しているとすっかり晝になっていた。俺は急いで大學を後にし靜の家へ向かった。因みに靜からのルインは無かった。寢ているんだろうか。

「…………」

靜の家の前で俺は悩んでいた。

悩んだ末、合鍵を使う事にした。インターホンを使用した場合、もし寢ていたら起こしてしまうからだ。極力音を立てないようにゆっくりとドアノブを回し、靜の家に侵する。カーテンの閉め切られたリビングは薄暗く、ゴミだらけの部屋は天然の地雷原と化していた。そろそろ掃除しないとな…………

何とか地雷原を切り抜け寢室の前まで到著すると、俺は細心の注意を払ってドアを開けた。

…………俺は一つ思い違いをしていた。地雷原は、この先にあったのだ。

ドアを開けると、靜はベッドから上半を起き上がらせていた。勝手に開いたドアを、そしてそこから出て來た俺を、不思議そうに見つめている。

────上で。

「きゃああぁあああああっ!?」

「うわっ!? うわわわわわっ!?」

まさかの出現に俺の脳は一瞬で機能停止した。

靜が?

ナンデ?

────人間は脳の許容量を超える出來事に直面すると、かなくなるらしい。今朝に引き続き俺はその事ををもってした。

今すぐ立ち去るべきなのは分かっている。目を逸らすべきなのは理解している。なのに、は鉛のように重く俺の言う事を聞かない。

事実だけを羅列するなら、俺は一糸まとわぬ姿の靜を凝視してしていた、ということになる。

「────出てけッ!!!!」

「あグッ!!!」

顔面に何かが投げつけられ────よくじれば(見れば、ではない)それは汗びっしょりのパジャマとブラジャーだった────俺は後ろに倒れ込むように寢室から弾き出された。

沢山の方に見て頂きたいので、ブックマークと評価をして頂けると飛び跳ねるほど嬉しいです!

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