《【書籍化決定】ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた~夢のような生活が始まると思っていたけど、何か思ってたのと違う~》林城靜復活
綺麗になったばかりの床に押し倒され、俺の視界には我が家と全く同じ綺麗な天井が広がっていた。の子に押し倒されているという急を要する狀況にもかかわらず、俺の頭は「流石の靜も天井は汚せないんだな」などとのんきな事を考えていた。現実逃避的な心のメカニズムが働いているのかもしれない。
「真冬ちゃん…………?」
真冬ちゃんは俺に覆いかぶさったままこうとしない。丁度俺の辺りに頭を埋めていて、俺からは綺麗なつむじが良く見えた。何故だか俺は無につむじを押してみたくなり、人差し指の腹で押してみることにした。
「ひゃうっ!?」
「あ、びっくりした? ごめん」
真冬ちゃんは素っ頓狂な聲を挙げ、びくっとを震わせた。何だか反応が過剰な気がするけど、もしかしたらつむじが弱點なのかな。
「な、なに…………?」
「いや、それはこっちの臺詞なんだけど…………」
とりあえず、早く俺の上から降りてしい。寢てるから大丈夫だとは思うけど、こんな所を靜に見られたらまた厄介な事になるに違いない。
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「真冬ちゃん、ほら、とりあえず降りよう?」
背中をぽんぽんと叩いて急かしてみるも、真冬ちゃんは言う事を聞いてくれない。俺の上でじーっとしているその様は昔飼っていたミドリガメを思わせる。何だか今日はミドリガメの事を良く思い出す日だ。
「────お兄ちゃん」
「ん?」
俺のに顔を埋めたまま真冬ちゃんが口を開いた。
「私────諦めないから。今は妹でも、いつか絶対彼になってみせる。だから────覚悟しててよね」
真冬ちゃんはそう言うと、俺の上から起き上がった。立ち上がり、れた服を直すとリビングから出ていく。しあって玄関のドアが閉まる音が響いた。
「いや…………そもそも妹ではないんだが…………」
俺は真冬ちゃんが出て行ったドアを見つめながら、そう呟くことしか出來なかった。
◆
「ふっかーつ!」
午後9時。
ベッドから起き上がった靜が、両手を上げ高らかにんだ。晝の様子から考えるとかなり早い復活だ。やはりゴミ屋敷に生息している靜は免疫力が高いのか、ものの數時間で菌だかウィルスだかを撃退してしまったらしい。
「良かったな、靜」
「うん! ありがとねー蒼馬くん! ずっと一緒に居てくれたの?」
「途中夜飯作るために抜けたりしたけど、まあ基本的には」
因みに今日は真冬ちゃんとひよりんと3人で夜ご飯を食べたんだが、真冬ちゃんはすっかりいつもの様子に戻っていた。
「本當に蒼馬くんのおだよ」
「いや、いいって。元はと言えば俺が傘忘れたせいだし」
屈託のない笑顔を向けてくる靜を、けれど俺は直視出來ず、自然なふうを裝って視線を逸らした。晝間の事件を忘れた訳ではない。
果たして靜がお晝の事を覚えているのかいないのか、それが問題だった。あの時の靜は朦朧としていたし、もしかしたら俺にを見られた事を覚えていないかもしれない。出來れば藪を突くことなくこの場を乗り切りたかった。
「いやー、まさか私が風邪をひいてしまうとはねえ」
「何とかは風邪をひかないっていうのにな」
「んっ!? もしかして今馬鹿にしなかった!?」
「いやいや、そんなこと無いぞ?」
「そうかなあ。そのセリフの何とかって絶対アレだと思うんだけど」
會話を続けながら靜の態度を探る。俺はし希を持ち始めていた。この雰囲気だと靜はお晝の事を覚えてないんじゃないか。だって覚えているのなら、恥ずかしがるとか、怒り出すとか、を見られた事に対するアクションがあるはずだ。それが無いということは、つまり靜は覚えていないんじゃないか。
「────ところで蒼馬くん」
「何だ?」
覚えていないと確信した俺は肩の力を抜き、リラックスした。笑顔の靜に微笑み返す余裕すらあった。良かったな靜、熱が引いて。
「────蒼馬くん、私の…………見たよね?」
「え…………」
言葉が出なかった。何かを言おうと口がかすが、言葉にならず、俺は無様に口をパクパクさせるだけだった。
靜は布を抱き寄せるように集めると、そこに顔を埋めた。
「あの…………あのね。聞いてくれる…………?」
「あ、ああ…………」
布の塊の中からくぐもった聲が聞こえてくる。
「蒼馬くんはさ…………私の…………見た訳じゃん…………」
「すまん…………」
やっぱり、靜は覚えていた。どうしよう。どうすればいい?
「それでね…………やっぱり、を見たからには…………蒼馬くんには責任があると思うんだ」
「…………そうだな」
一何の責任かは分からないが、靜にショックを與えてしまったのは確かだろう。
「本當にごめん。俺に出來る事なら何でもするから」
果たしてのを見るという大罪と償う事が出來るのかは分からないが、その為なら全力を盡くすつもりだ。
「何でも…………?」
「ああ、何でもだ」
部屋の掃除でも、炊事洗濯でも、何でもやるつもりだ。
…………あれ、でもそれは既にやってないか?
じゃあ俺に出來る事って後は何があるんだろう。
「…………それじゃあ、お願いがあるんだけど…………いいかな?」
「何でも言ってくれ」
荷持ちか? それともマッサージか?
俺は構えて靜の言葉を待った。
「じゃあ────」
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