《悪役令嬢の中の人【書籍化・コミカライズ】》5
発売日まで何らか毎日投稿しようと思ってたんだけど無理でしたね。流石に間に合わなくなった……
2日空きましたがスフィア視點の最終話です
當初の予定では、同盟について話が出た時に悪しき存在に騙され気づかぬまま祀り上げている事を指摘し、「そんな國とこのまま契約する訳にはいかない」と話を持っていく予定だったのが大きくズレ込んだな……
レミリア様はなるべく目立たぬように話をしたいと慈悲を持っていたようだが、私やアンヘル様を含めたレミリア様を慕う者がそれで納得するわけがない。かに、この國の……かつてレミリア様を裏切った者達に、公の場で真実を明らかにしてやろう、と計畫を進めていたのだ。
なに、ウィリアルド王太子がやったのと同じ事であるからな、夜會の場を騒がせても問題あるまい。それにこちらは冤罪ではないし。
アンヘル様は制の薬と指定したはずの匂い(実際は特徴的な香りのただの香水だが)がその星の乙からする事、それを魔族への害意だと指摘して王に判斷を迫った。
その言葉に対してオロオロするだけのデイビッドが見えて、思わず顔を覆って嘆きたくなる。星の乙付きとなっているはずの自分を飛ばした指示に、すぐ様見限られている事に気付いてここで起し……自らも星の乙の捕縛に積極的になればこの後まだ浮かぶ瀬もあっただろうに。
弟のようにそこそこ可く思っていた昔馴染みのみっともない姿に悲しくなってしまった。昔はちゃんと……盲信するだけではなく騎士として考えて行できていたと思うのだが、いつの間にこんな男になってしまったのか。それともあの星の乙の呪いはじわじわと思考能力も蝕んでしまうのか?
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「そんな! 違います、あたしはただ……」
「易を行っている擔當者から報告が上がってきている。輸出をじた薬原料を求める者がいて、斷ったが賄賂を積んで詰め寄られたため別の魔界原産の花の香水をそうと偽って渡したと。その違法に流通した香水の匂いが鼻に付くほどお前から漂っている。もう一度聞く、私に害を為そうとしたのではないのなら、何が違う?」
「っ、……」
アンヘル様が指示を出して行った調査によると、人を何人も介していたがおそらくこの星の乙が指示したものだろうと目星がついている。悔しいことに仲介が殺されていて、的証拠は殘っていないが証言と狀況証拠で我々はほぼ確信していた。
そしてその薬の効果を知っていたこと、魔王の前で偽りを口にしないように警戒している様子、やはりアンヘル様の推理した通り星の乙に人知を超えた何らかの力がある事だけは確かのようだ。
天啓で、その薬の存在を知らされアンヘル様の眼の事も存じ上げていたレミリア様とは違う。きっと悪しき存在から與えられた知識であるか、能力からして星の乙のであるのは確からしいのでその力を悪用して知ったのか……。どちらにせよ本人の悪意が無いとり立たない犯罪である。口封じに人を殺したことを含めてその責任と罪は大きい。
「ほう、やはり、俺の瞳が噓を見抜くと知っているのか。聞いていた通りだ」
「ち、ちがいます……ただ、私、魔族の皆さんともっと仲良くなりたかっただけで……」
「それで薬を使うのか? レミリアの忠告してくれた通りだな」
「なん、でアンヘル様がそいつの名前を……?!」
「……そこの騎士、そいつの口を塞いでおいてくれ。我が國を救ってくれた大恩あるを侮辱されると思わず縊り殺しそうになる。あと、俺は名を呼ぶことを許していない。一國で祀り上げられるお飾りの立場を俺は慮ってはやらない。死にたくなければ無禮な口を閉じろ」
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レミリア様の事をそいつ、と呼ばれて騎士として控えている立場を忘れて思わず怒りをじたが、すぐにアンヘル様の激昂にれて自分は逆に冷靜になっていた。
絶対強者の貫祿、に裏付けされた怒りに周りは皆気圧されていた。先程控の間で散々私達にヘタレとチクチクされていたとは思えないな。
に関して臆病すぎるのは擁護できないが、やる時はしっかり追い込む方なので安心して任せていられる。に関しては本當にヘタレだが。つい二度言ってしまったな。
様子のおかしな星の乙に、お優しいレミリア様は事を荒立てないように提案をしてくださったと言うのに、愚かにもこのはその手を振り払ってしまった。完璧な反証を用意しているこちらからすると、駆け足で斷頭臺に登る自滅行為にしか見えない。
そのボロはすぐに出た。
噓を見抜くと知っているアンヘル様の前で偽りを口にしないようにする……その程度の知恵はあるようだが、アンヘル様も追い詰め方は承知しているようではっきりと是非を問うている。
周りの目がどんどん星の乙にとって厳しいものになっていき、それが分かっているのだろう、被っていた仮面が更に剝がれていく。
「どれほど祀り上げられてるか知らんが、俺は肩書きだけで誰かをしたりすることはない。レミリアは創世神の末娘レンゲ様に加護をいただく浄化の乙でもあるが、俺がしているのは味方が1人もいない中、腐らず折れず信念に基づき世界のために盡力した心優しいレミリアというだ、なんの加護を持っていても関係ない」
歌劇だったらここが一番の見せ場になるだろう。元婚約者や冤罪を著せた悪人の前で、レミリア様の正しさと素晴らしさを説きつつどさくさに紛れてを告白する手法は鮮やかすぎて心してしまった。
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「國王陛下、発言をお許しいただきたく」
臺本とは違うがそこでアンヘル様からの合図があり、もう強引に軌道修正するしかないなと判斷した私は聲を上げた。普通一介の騎士がこのような場で他國の王に上奏するなどありえないが、何か問われたら「我が魔國の王アンヘル陛下にお聲かけしたつもりだった」と言い逃れが効くだろう。
この混した場に乗じた試みは功して、アンヘル様に口裏を合わせてもらうよう目配せをする必要はなくなった。
そうして皆が注目している中、魔王陛下の指示で私が今から何を見せるのかを詳しく語って見せた。これがレミリア様の意思に関係無く、想いに駆られた我々が勝手にやっている事だとしっかりアピールもしておく。
レミリア様の騎士として、信頼されて預けられたこの映像りの魔晶石をこうして勝手に持ち出した事はどうか許していただきたい。犯罪者とはいえ曬し者にはしたくない、というお優しいレミリア様の気持ちは分かる……分かるのだがこればかりは私とアンヘル様のわがままを通させていただく! いくらレミリア様の頼みと言えども聞くわけにはいかないのです……!
真に世界を救った聖をげた罪、これをこの國にはしっかりと自覚してもらわないとな。
心優しいレミリア様の騎士がこんな事を考えていて大変申し訳ない……この夜會が終われば、貴のスフィアは騎士道に則った、レミリア様の言葉に忠実な騎士に戻るので! 今だけ復讐に燃える事を許していただきたい。
慈悲深いレミリア様によって斷罪を中斷されないように、アンヘル様が障壁を作ってクリムト殿ごと隔離したのでこの隙にきっちり偽証をした輩に引導を突き付けないと。レミリア様ならきっとあの障壁ですら、多てこずる程度で解除してしまうだろうから。
映し出される魔の映像に、次々星の乙に加擔した者どもの罪が暴かれていく。
中には「造だ」なんて騒ぐ往生際の悪い者達もいるが、まあその訴えが正式な司法にも通ると良いな。この場にいない、學園の使用人やレミリア様の侍、學園に通っていた特待生枠の平民の姿も多い。関係者や家族、後援の貴族家などは面目丸潰れだが、こうして冤罪の造に手を貸すような者だと知れて縁を切るきっかけになったのではないか。
騙された、愚かだったのを悪とは言わないが、偽りを口にするのは罪だと分かっていたはず。「力になりたいけど噓はつけない」ときちんと斷れば良かったのだ。……実際そう斷った者達もいたが……彼ら彼らが、偽証を求められたと、レミリア様の調査の時に証言してくれれば……。
いや、虛しい仮定の話を考えるのはよそう。
しかし、そうしてここが一番、と言うべき星の乙のを明らかにする寸前でレミリア様が止めにってしまった。クッ、この先を見れば誰一人一切同が湧かないほど、あのの悪辣さを観衆に理解してもらえたと言うのに……!
それに、個人的にレミリア様の護衛達の裏切りは大々的に追求したかったのだ。仮にも護衛「騎士」と呼ばれる存在であったというのに、主君を裏切り陥れる形で罪を犯すとは。騎士と名乗ってしくない。なんと正義に反した存在だろうか!
心悔しがっていると、勝手にウィリアルド王太子と星の乙が諍いを起こしている。なんだか、騙された被害者みたいな顔でつらそうな顔をしてる殿下に酷く腹が立つ。いや、あなたが最後までレミリア様を信じていればこんな事になってなかったと思いますが? と割ってって問い詰めたくなってしまう。いかんいかん。
噓がバレた次は泣き落としを始めたが、今更それを信じる者なんて誰もいない。最後は自分の罪が暴かれたと認めたくないのか発狂したように暴れ出したが、それで何ができるわけもなく、みっともない顔で泣きぶ姿を衆目の前に曬しただけになった。
「ピナさん……可哀想、まじないに頼って人の気持ちをって、それでいくら好かれたって虛しいだけなのに……そんなに、偽りでもいいからされたかったの……?」
しかし、レミリア様の慈がここで強く発されたのだ。
自分を陥れた者の末路に哀れみを抱き涙まで流すレミリア様……! ほ、本の聖だ……いや、分かっていたのだが……
ええい、絵師を呼べ! と言いたいところだが今は流石に無理だと私も理解している。
このお姿は後世に殘すべきなのに……と口惜しく思いつつ、そうだ後でアンヘル様にこの景を水鏡の魔で映し出してもらってその魔晶石の複製をたくさん作ればいいのだ! と素晴らしいアイデアを思いついた。必ず実行しよう。
「こいつはお前を冤罪で陥れただぞ? けをかけてやるなど……」
「いいえ……アンヘル。確かにに覚えのない罪を著せられて、誰も信じてくれなかったのは悲しかったけど、わたくしは今幸せだもの。ピナさん……お金で買収して、自分のを使ってまでわたくしを悪人に仕立て上げたけど……そんな事したってピナさんは幸せになれないのよ……? わたくしを貶めても、呪いで人の気持ちをっても、ピナさん自がされる訳じゃないのに……こんなことって、すごく寂しいしピナさんが可哀想で……」
レミリア様はなんてお優しいんだ……それに、あの罪人を悼んで流す涙のしい事……
想いを伝えた途端に人面して、ちゃっかり肩を抱きつつ一番良いポジションを得ているアンヘル様は々気になるが。
アンヘル様によって聲を奪われた星の乙が退場させられた後の會場はまるで葬式のような雰囲気だった。
中でも悲壯な顔をしている者達は、先ほど水鏡の魔によって映し出された者達やその親族だろう。犯罪に荷擔したことがこうして明らかになり、罪の意識のある者は崩れ落ち、泣きだし、中には気を失った者までいる。
誰が正しくて、誰が悪しき存在で、自分が何をしたのかようやく理解したのだろう。
あたりは騒然とし始めたが、私はそんな景を見てもちっとも同の念が湧かなかった。知人やの繋がった存在もその中にいるのに薄だろうか。
自分の將來と天秤にかけて、聲を上げられなかった者達。確かにそれは善い行いではなかったが、立場やしがらみもあって全ての人が常に正しい行を選べる訳ではないのは分かる。
しかし今回星の乙に手を貸した愚か者達は、犯罪になると分かっていて噓を吐き、偽証に関わった。星の乙の悪意によってそそのかされたのは確かだが、犯罪に荷擔することを選んだのは自分だ。罪に相応しい罰は彼ら全員がけるべきだろう。
それ所ではなくなってしまった夜會はなし崩し的に中斷され、収拾を付けるためにこの國の王は慌ただしくこの場を辭していった。魔國との同盟はきちんとなったと、それだけは確認して。この國の生きる伝説だったこの「星の乙」がまがいだと判明した今、これだけは何としても、と思ったのだろう。
會場が騒然としてくると、アンヘル様は未だショックをけたご様子のレミリア様を伴って、素早く下がってしまわれた。
あっと思う間も無く、実に鮮やかな手際で。
「スフィア嬢! お父上は何もおっしゃっておりませんでしたが、魔族の國に仕されていたのですな!」
「ご家族については殘念でしたねぇ……いえ、こうなっては早めに離れていたスフィア嬢が賢かったと言えましょうか」
涙を流されていたレミリア様を早く靜かな場所で休ませて差し上げたかったそのお気持ちはわかる。
しかしその場に殘された形の私達は我に返った貴族達に囲まれて、特に彼らが一応顔見知りである私には次から次へとあからさまなすり寄りを行ってきた。清々しいほどにこすい連中だな……
騎士団長はまだ國王の信頼があったが、次期王の側近だったはずのデイビッドを飛ばして指示を出したのを見て悟ったのだろう。
剣聖と呼ばれつつも政治力のない兄シルベストと、王太子の側近で、司令塔としても確かな実力もあるデイビッドで、騎士団でも勢力が分かれていた。
彼らはデイビッド……もっと言うと王太子勢力に屬する軍閥の人間だ。私の実家もそうだな。デイビッドの凋落が確定して、第一王子エルシャーハと懇意なシルベスト殿の支持に鞍替えするのが難しいと判斷したのだろう。一介の騎士でしかないこのような小娘にびを売るほど、何か思い當たるふしがあるらしい。
絶対にそんな連中を魔國の取引に攜わらせたりしないがな!
「あー……私は貿易や取引に関しては一切口を挾む権限を持っていないので……」
「いえ、そんな口利きを狙ってお聲をかけた訳では!」
「そうですよ、ご実家とも関わりがありますから、私などは懐かしくなってつい話しかけてしまっただけで」
まぁ正攻法で斷っても正直に引き下がるわけはないか。どう逃げたものか……周囲を囲まれてしまっているし……と思案していたところ、「出來たわよ」というミザリー殿の聲にあわせて誰かが私の手を握った。
「?! こ、ここは……城の庭園?」
「蹴散らして強行突破も出來たけど……格の違いを見せつけるためにちょっとね」
ほんのし得意げな顔をしたミザリー殿が、空中でまだほのかに発している魔法陣を指の先でかき回して消した。どうやら彼が描いた転移魔法であの場から逃げてきたらしい。やはり素晴らしい腕だな……本人は「自分は研究者だから実戦はし自信がなくて」なんて言っていたが。
とりあえず殘りのメンバーも城に散開しているらしく、先ほど勢いとは言えやっと思いを伝える事の出來たアンヘル様とレミリア様がおそらくいらっしゃる控えの間にはしばらく行かないでおこうという事になったらしい。うむ……今夜の、素晴らしくしいレミリア様を男と二人きりにするのは途轍もなく心配だが……あのアンヘル様なら手なんて出せないから心配ないな!
ちなみに。會場には煩わしいから私は戻る気はないが、せっかくだから酒や晩餐をたらふく楽しんでくる、と希して殘った猛者が二人ほどいるらしい。強いな。
「クリムト殿、その……手が」
「あ、ご、ごめんなさい……っ!」
転移魔法を使うミザリー殿と私を繋ぐために握った手を指摘されたクリムト殿が、慌てたように手を離した。
や、もちろん嫌という訳ではない。でもいつまでも握ったままというわけにもいかないから、その。
離した手を気にしてあからさまに距離を取る私達に、ミザリー殿がニヤニヤしながら近付いてきて「ふ〜ん」「ほぉ」なんて面白げな視線を送ってくる。なんですかその目は。
「ねぇ、今夜はパーティーなんだからさ。この國でのレミリア様の名譽が回復した素晴らしい夜でしょう……二人とも、ちょっと踴りましょうよ」
「何を唐突に」
「いいじゃないのホラ、私が一曲奏でるから」
そう言いつつクリムト殿の背中をグイグイ押して、ミザリー殿が私と向かい合わせにしてくる。
「姉さんが言いだしておいて自分はしないの?」
「姉弟で踴っても楽しくないでしょ。いいじゃない、今日はめでたい日なんだから」
強引に私をダンスにわされたクリムト殿が、し困ったような顔で私を見上げた。
「いやぁ、すいませんスフィアさん……ほら、姉さん困らせてるよ」
「いや、その、困ってるわけじゃないんだ。実際、真実を知って後悔するあの男達の顔は正直スッキリした。快哉をぶ代わりに、この熱を発散するのにダンスもいいかな、とも思うし。うん」
「でもやりづらいでしょう? 僕の方が背が低いし」
「そんな事関係ない! ……ない、ですが……」
周りに人はいないと言うのに、私はつい小聲になってしまった。あまりに恥ずかしすぎて。
「……踴れないんだ」
「え? レミリア様と練習してたわよね?」
「男パートで、ですね。元々から王子様役を求められることが多くて……婚約者がいたときも婚約者らしい流を持ったことがなくて……」
昔覚えはしたが、すでに忘れてしまった。この夜會のためにレミリア様の練習相手をつとめた時は、久し振りではあったが実際男役として何度も踴ったステップだったので、が覚えていたため問題なかったのだが……。パートのダンスは本當に自信がない。
今までの數ない機會では、周りで踴るを橫目で見て確認しながらだった。ここにカンニングが出來る他の踴り手はいない。
「ふふ……じゃあ、僕がパートを踴ってもいいですか?」
「クリムト殿が?」
「ええ、スフィアさんなら上手くリードしてくれるでしょう? 僕も……やっと兄さんがレミリア様に思いを伝えてくれて、嬉しすぎて踴り出したいくらいの気分だったんです」
ワクワク顔で竪琴を用意していたミザリー殿がすかさず旋律を奏で始めて、私は何となくその場の流れでクリムト殿と踴ることになってしまった。二人とも騎士服で、私は彼よりも背が高い。きっと男が二人で踴っているように見えるだろう。
しっかりリードするために腰に回した手に力を込めると、思っていたよりがっしりとした回りをし意外にじてしまう。ダンスのために繋いだ手は私よりも大きくて、何だかそこを意識してしまって。男役として何度も踴っているはずなのにステップを間違えそうになってしまった。
「すまん、きっとこれから社の場でこんな機會もあるだろう。お互い側近としてパートナーを組むこともあるだろうから……練習しておく」
「別に僕はどっちでもいいですけどね、誰と踴るのかの方が重要じゃないですか?」
そんな事を言われたのは初めてで。
突然踴ろうと言いだしたミザリー様の真意は分からなかったが……なんだか、本來の男が逆転したパートで踴るこのひと時が、とても心地良い時間にじた。
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