《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》54 新婚旅行?
「式も挙げて籍もれた事だし、新婚旅行に行かないか?」
「はい?」
そう言われたのは、式から1週間程経った日のお茶の時間だった。
國してすぐの時には花嫁修業かと思ったら國政に攜わらせてもらい、式を挙げてからも數日ちょっとお休みは貰ったけれど、今また試験制度などについての案のより分けや時期の決定、どう報せを出すか、他にも學びたい者の為の施設を作る事に勵んでいた所で、いきなり夫婦っぽいイベントを出されて思わず聞き返してしまった。
「いや……バラトニアが今の狀態にあるのはクレアのおだと思う。本當に謝している。この短期間に……この國は目覚ましい発展を遂げている。戦爭も回避できた」
「いえ、私は……その、できる事をしたまでです」
「それが凄い事なんだよ、分かっているのかな? ふふ、私たちはずっと君に助けられっぱなしだ。だけど、歩き方をしは覚えたと思うよ。だから、父上と相談して2週間程、フェイトナム帝國とは反対側……北の方に向っていろんな國を見て回るのはどうかと思って」
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バラトニア王國より北になってくると、冬季というものがあって雪がふる國もある。極冬に至ってはずっと冬だ。興味を惹かれた私は思わず目を輝かせてしまった。
「興味があるかい?」
「と、とっても……!」
「だと思った。新婚旅行というか、これはクレアの為の旅行だよ。今までありがとう、これからもよろしく、という事で、新婚旅行にかこつけて諸國漫遊もいいんじゃないかなと思って」
2週間ではそう遠くまではいけないけどね、と言われたが、私は一応箱り娘だ。旅行記や史料をいくら読んでも、現地の空気程刺激になるものはない。
バラトニア王國だってまだ全ては回り切れていないし、取引のある國も行ってみたいが、隣接していながら取引の無い友好國はもっと興味がある。新婚旅行で行きますよ、という親書を出しておけば特に拒まれる事は無いだろう。
問題は護衛だろうか、と私は考え込んだ。友好國というのは建前で、長年フェイトナム帝國の屬國だった國が獨立し、今は他の國から見れば何をするか分からない國だ。
大勢の護衛を連れて行けば開戦の意思あり、とみなされる可能もある。しかし、王太子と王太子妃が旅行するのに護衛無しという訳にもいかない。
「何を考えているのか當ててみようか。……護衛だね?」
「えぇ……、その、旅行は嬉しいんですけれど、バラトニア王國でもいいんじゃないかなとか……」
「確かに、バラトニア王國については戦爭を起こした國というイメージが強いだろうね。特に流があるわけでもないし。これまではフェイトナム帝國の屬國として充分にフェイトナム帝國を潤して來たから、彼らにとってはバラトニア王國は盾だった。今も盾だけれど、屬國から獨立したばかりというのはし弱い」
「はい。他國からどう見られているかと思うと……もしかして、とても危険なんじゃないかしら、と」
アグリア様は、そうなんだよね、とそこでし苦笑した。
「ジュリアスに伝令を出したら『私がお守りします!』と意気込んでいたんだけど、王太子と王子の両方が國を空けて未知の國に行くなんて以ての外だし、クレアに喜んでしいから護衛の選別は今行ってる。大、どの國も王族の旅行となれば20名程度の護衛は許してくれるだろう。特に敵意も無いからね、せいぜい贈りも用意して……だから、諸國漫遊と言っても隣接してる2國位だね」
私が一番喜ぶのは確かに知らない文化にでれる事だが、その為にかかる費用を考えたら、そんな事している場合ではないのでは? という気持ちが強い。
ここはやはり、丁重に延期を申し出るべきか、結婚してすぐの今がチャンスとなんとか知恵を絞るか悩ましい。
「もう一つ、案が無いことも無いんだけど……」
「? 何ですか? 安全でお金が掛からないじの事なら……」
「極冬の船を一隻、貸してもらって沖に出てみる、という案もあるんだけど」
私は思わずの前で両手を組んでしまった。あの船には本當に興味がある。
「だけど、グレン侯爵にそれを相談したら……卻下された」
私は一どれだけ殘念な顔をしてしまったのだろう。アグリア様が口許を押えて肩を揺らして笑っている。
「一応、理由をお聞きしても……?」
「沖はね、別世界なんだそうだよ。練の船乗りじゃないと船から振り落とされるような嵐がくることもあるとかで。だからグレン侯爵達は陸に沿うような近海をぐるっと回って來たらしい」
命がけ、となると、そう簡単にほいほい行きたいです! とも言えない。まだ隣國を回る方が安全だ。
人相手ならば護衛は役に立つが、自然相手に人は無力だ。その位の分別はあるし、自分はバラトニア王國の王太子妃になったのだから、船には港に停泊している時に乗せてもらう位で我慢しなければならないだろう。
それにしても、沖は別世界……、その験を是非漁師の方々に聞いてみたいものだ。絶対に面白い本になる。憧れる人も、恐れる人も出て來るだろうけれど……危険と隣り合わせの冒険を、なんとか追験してみたい。
「クレア? 新婚旅行の相談に戻っていいかい?」
「はっ……! はい、すみません、ついうっかり海に思いを馳せてしまいました」
「その辺は……もうし國が落ち著いたらね。まだ一回目の遠洋漁業中だ。その果次第でグレン侯爵から正式にこちらの國が出す食糧と釣り合う獲か、真珠や木材、造船技といったものを換するかが決まるから。ちょっと言ってみただけだけど、やっぱり興味があったんだね」
「……バレバレですね。はい、でも、危険なことをしていい分ではありませんから」
「で、どうしようか。隣國2つに行く位は、クレアには貢獻してもらったと思っている。父上も、私も、たぶん王宮で働いている誰もがそうじゃないかな。紙、図版の導もそうだし……醫學書や醫者も増えてきた。しだけ國を空ける程度しか時間が取れないのは申し訳ないと思うけれど」
「問題は、護衛と、どういう風な裁で行くかですね。考えてみます。……アグリア様、ありがとうございます」
本當はいきなり連れ出したかっただろうけれど、私は今、かなり國のを把握している。あんまり無駄遣いだと思う事を急にされたら、もしかしたら怒っていたかもしれない。
ちゃんと相談してくれる。信じて頼んでくれる。そういう心遣いが嬉しかった。
隣に座るアグリア様の手を握って、私は「一番安くあがるじで考えてみます!」と新たな仕事を請け負った。
その言葉に苦笑いをされた気がするけれど……、気のせいということにしよう。
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