《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》58 貴石の買い付け

シナプス國の虎の子の蕓品を買い付けるために、先々の取引に関してと同じだけの希のある貴石を求めて、鉱山の國……ドラグネイト王國への書類をまとめることになった。

私はまた僚の仕事場にお邪魔して、特に易に関わる部署の人と協議した結果、先々3ヶ月分の予算で2國に渡す蕓品に相応しいだけの希な石を買い付ける為の予算を立て、その間取引は商人との間で行うのみで、國と國の取引は3ヶ月間止める、という旨の契約書を作った。

商人間との取引の方が、國と國で行うよりも関稅が高く設定されている。その分、いい品が商人に行き渡る事になるし、商工會議所にも人をやって了解を得た。先を見據えたら悪い取引では無いはずである。

商人は今、潤っている。今まで買い込んでいた食料品を極冬に渡すために國が買い上げた分があるからだ。

暫く関稅は高くとも直接取引が多くなり、蕓も高まって來た國に良い貴石が広く売られるのはいい事かもしれない。製紙工房から獨立して改めて寶飾品のデザイナーとして仕事がしたい、という人もちらほら出てきている。

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その分、製紙工房で働きたいという若者も各地で出てきており、人の流れも大分流的になってきた。

今はその流れに乗って識字率や數字を教えるいい機會だが、結婚してすぐにしか新婚旅行という名目で他國を訪れるのは不可能だ。一生に一度のチャンス、と思えば、ある程度バルク卿に託すしか無いだろう。

「識字率と數字を教える仕組み、丸投げにしてしまってごめんなさい」

「丸投げ? さんざんアイディアはいただきました。まずは怪我や高齢で働けなくなった者に國が生活を保障する施設を作り、そこで文字や數字を教え、そこから子供に教えて広めていく……、そこまで考えておいて、丸投げも何も無いでしょう。私がするのは、しお金と人をかすくらいです」

とは言うが、そう簡単なことではないのは分かっている。

貴族の中には、市井に知識を行き渡らせることを不満に思っている一派がいるのは知っている。私のこともよく思っていないのはじている。

保守派、とでもいえばいいのだろうか。

がそんなことをして……、と思われているのだ。男の中に混ざって何を、という事らしい。もっと有りに言えば、生意気だ、という。

フェイトナム帝國ではそんな視線は慣れっこだったし、私は口は出さずにただ本や資料を読み漁っていただけだから構わないが、今は仕事として國の運営や改革、そして予算との折り合いをつけてしずつ変化させていこう、というところだ。

それでも、まだ急激な変化のようにじられるらしい。それは仕方が無いが、責正爵は早く浸してしいと思っている。

まずは各地の役人から順に試験をけてもらえるように、各役所に一冊ずつ、責正爵位書の見本を送った所だ。

中には興味を持って読み進めている人もいるらしい。

こういう、しずつの変化でいい。まずできる人からで、そして、増えてきたら正式に試験や學べる場所を作っていく……。そう考えると、私が旅行に行くのはいいことなのかもしれない。

「クレア様? それで、いつドラグネイト王國に買い付けにいかれるのですか?」

「あっ、そうだった。明日行ってくるわ。アグリア殿下は旅行前に片付けることが多いと言っていたから、私とメリッサとグェンナで」

「ふむ……」

私の言葉にバルク卿はし考える顔付きになると、出発を2日遅らせてしい、と言って來た。

「構わないけれど……どうして? 友好的な関係でしょう?」

「とは言いますが、王太子妃様にの護衛2人ではいけません。ドラグネイト王國は鉱山の國。海の男と気の荒さは変わらず、商人は我が國の商人よりもっと狡猾だ。扱っている品が品ですので」

「それは……」

困ったように笑ったバルク卿は軽く首を傾げた。

「クレア様に能力がないという訳ではないのです。向こうが虛勢を張った時に、それに張り合える何かが無ければいけません。それから……」

意味深長に言葉を切ったバルク卿の次の言葉に、私まで真剣な顔になって聞いていると。

「男の護衛の一人も付けずに買い付けに行かせたとバレたら、私がアグリア殿下に盛大に怒られます」

いつもにこにこ笑ってはいるけれど、アグリア殿下は意外と的で意思が強い所がある。

私は真剣な顔のまま、しっかりと頷いた。

「バルク卿にはまだ、ここでたくさん仕事をしてもらわないといけないわ。強面のいかつい護衛をつけてちょうだい」

「畏まりました」

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