《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》77 ポレイニア王國の王宮と神殿

「やぁ、よく來てくれた。バラトニア王國王太子殿下、王太子妃殿下。こうして相まみえることができて幸福だよ。神に謝だ」

「ありがとうございます、ポレイニア國王陛下。この度は我々の新婚旅行のために、お時間を割いてくださり謝申し上げます」

「新婚旅行で他國に、等とは今まではむべくもなかったことだろう。この世界がしずつ変わっている、その一歩だとは思わないかね? よければ、我らが神にも顔見せ願いたいのだが」

ポレイニア國王は、気で明るく、それでいて背は低く、の丸い、口ひげを綺麗に整えた仁だった。

軍服とも神服とも言えないような、かっちりとした長を著ていて、刺繍は豪華だが全的に合いは統一されている服裝だ。

「私たちは宗教を持ちませんが、國の神は我々をよく思われるでしょうか?」

アグリア様の言葉を、イーリャンが翻訳して話している。イーリャンはイーリャンで、表向きの通訳の仕事を見事にこなしていた。

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私はある意味知識の集積所もあったフェイトナム帝國の王室の人間だからいくらでも學ぶことができたが、イーリャンは一どこでどうやって學んだのかが不思議だ。後で聞いてみようか迷ったが、せっかくの新婚旅行で他の男に構いつけていたらアグリア様が拗ねるかもしれない。

旅行が終わってからにしよう、と思い直して、なるべく微笑みを絶やさないようにアグリア様の隣にいた私は、ポレイニア國王が鷹揚に笑ったのを見て安心した。

「もちろんです、我が國の神は客人にも心を開かれています。どうか、旅の無事でも祈っていかれるとよろしい」

「ありがとうございます。では、土産の品を供として捧げますので、時が來ましたら陛下がお使いになってください」

「それはそれは、心遣い痛みります。部屋に荷を運ばせている所ですので、どうぞ、私が案しましょう」

國王自らの案という言葉に、イーリャンも含めた私たち3人は目を見合わせてしまった。

それでも、側近からお土産のグラスの箱を預かり、私が持ってポレイニア國王の後に続いて歩いていく。

ポレイニア王國の王宮や建は、一貫して平屋建てだった。王宮でさえ木造で、神殿もまた木造なのだが、王宮と神殿は朱塗りや木彫りの飾り(後で聞いたが、欄間(らんま)飾りというらしい)で風通しや採を行っているそうだ。

全く建築技の発達の方向が違う。古いはずなのに、樹で出來たこの建造に危なげな所はしもない。

「二階建て以上の建の街もあるのですが……その、新婚の王室の方々に勧める場所ではないのですよ。歓楽街ですので」

「ははぁ……、それはまた、何故」

「平屋ですと、そこで働く遊に無を働かれる事があります。王宮は逆に警備が行き屆きますし、平屋の方が良いのですが、治安の悪い場所もこの國にはあります。ですので、そう言った所は卻って高い建造が建つのです」

新婚の他國の王族にする話では無いが、元はと言えば私が歩きながら好奇心に負けて平屋建ての理由やら建について質問していたせいなので仕方が無い。

それに、し興味があるのも確かだ。シナプス王國では歌姫、花姫と呼ばれて大事にされている娼婦だが、この國では遊と言うらしい。他にも、蕓と呼ばれるは売らずに蕓を売るもいるらしい。

大変興味があるけれど、新婚旅行に來て、まさか妻の方が歓楽街に興味を持つのもどうかと思うので、私はうずうずした気持ちを抑えて「そうなんですね」と話を流した。この辺については、帰りに本屋にでも寄ってもらってたくさん資料を買って帰ろうと思う。

そんな私の様子も思考もお見通しのアグリア様が、口元を抑えて堪えられないというように小さく笑う。

恥ずかしさに耳まで赤くなった私が、あれは何ですか、これは何ですか、という質問を止めてすぐ、ポレイニア國王が「著きました」と言って足を止めた。

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