《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》92 イーリャンの疑問

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「びっくりしたわね……なんでミリーが」

私たちは王宮の東棟をまるっと借りて滯在中は過ごしてくれていいと言われた。

陛下たちとは帰りにまた謁見の予定があるが、それまで晩餐などもここのダイニングで、一階はついて來た下働きの者たちが個室を與えられ、仕事に當たる。

また、一階の書斎にウォーグ卿は控えているので観に行きたい時は聲を掛けてしいということだった。

私とアグリア様は同じ寢室を與えられ、二階にはサロンもあり、たった今謁見を済ませた私たちはサロンに集まってメリッサが淹れてくれたお茶と、イーリャンの毒見(なんでも、多の毒は効かないというのも修行の一環らしい)で安全だとされた用意されていた焼き菓子を片手に、疲れたをソファに落ち著けて話をしていた。

今は主従も何もない。とにかく、移の疲れと、あの上から圧をかけてくるような國王夫妻に疲れているので、皆でお茶にしている。

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「ミリー、とは……どなたです?」

「メリッサとグェンナと一緒に侍をしてくれていたの。――フェイトナム皇帝が私を殺そうと裏でっていた刺客でもあるわ」

私の説明にイーリャンが片眉をあげた。何故それで生きているのか、と言いたげだ。

「生きているのは知っていたけれど……それと引き換えにフェイトナム皇帝たちを國に帰したのだから。でも、何故……ビアンカ王妃の側付きに?」

「能力としては申し分ない。近くに置いておけば護衛もこなしてくれる。この國に嫁ぐ時に、ミリーが自由を願ってビアンカ王妃に取りったのなら納得がいくわ」

「失禮ですが、護衛が務まるとは?」

イーリャンにはいっそ頭から全て話してしまった方がいいかもしれない。

メリッサとグェンナが目を見合わせて戸っているので、二人に説明を任せた。

「クレア様がお輿れとなった経過はイーリャン様もご理解されているかと思います」

「國民の間で、また、王室の方々や主たる貴族や役人の方々は好意的にクレア様を迎えましたが、中には面白くない……もっと言えば、憎んでいる人もいるはずだと、王室の方々は考えまして」

メリッサの言葉に、イーリャンが多居心地が悪そうに目を逸らして咳払いする。

「クレア様のお側付きの中でも、私とメリッサ、そして……ウェグレイン王國王妃様のお側付きとして現れたのが、その時一緒にお側付きをしていたミリーです。私たち3人は1年間の訓練を経て、暗と護の心得が座います」

「お輿れまで1年間でしたので、もとより力と運神経がいい人間が選ばれたのですが……ミリーは流行り病……アレルギーでお母様を、戦爭でお父様を亡くしていました。なので、その……一度、フェイトナム帝國側の刺客としてクレア様に毒を盛ったり、弱った所を暗で殺そうとしたのです」

「は?」

イーリャンはここで初めて目と口を丸くして、何を言われているのか分からない、という風に聲を発した。

「クレア様はミリーや、フェイトナム帝國側の間者に対して、全ての糸を引いてクレア様を亡き者にして再度の戦爭を起こそうとしたフェイトナム皇帝に対し、無事に柄をお國に帰される見返りに彼らの生命の保証……もっと言えば、恩をかけてできるだけフェイトナム帝國で仕事につき普通に生活できるように、として追い返したのですが」

「貴は頭の中に砂糖菓子でも詰まっていらっしゃるんですか?」

そこまで聞いたイーリャンが、私に向って怒りの表で不敬罪にもあたりそうなことを言って來たが、そこは私としてはどうしても譲れない所でもあったので曖昧に笑っておいた。

戦爭を起こすきっかけになった宗主國の第二皇という立場で、祖國に再度の戦爭の道にされそうにはなった事に悲しみは覚えても、ミリーのような存在に対して私は憎む気持ちは何もない。

私はその戦爭の最中、平和な場所で、ご飯を食べ、家族が欠けることもなく、宗主國の皇としてぬくぬくと過ごしたのだ。元より、嫁に出されたときに自分の命を道に戦爭を起こされないようにしよう、というのが第一目標だったくらいで。

けれど、それを理解されようとは思わない。甘いと言われても、何でもいい。

私がそうしたかった。それに盡きる。

「イーリャン様、お口が過ぎます。……ということで、最終的にフェイトナム帝國側に引き取られたのですが、まさかここで再會するとは思わなかった、ということです」

そこに後悔はない。この形での再會では、話す機會を持つのは難しいかもしれないけれど、メリッサとグェンナとしても、今のミリーと何を話せばいいか分からないだろうし。

こうしてイーリャンに説明してみると、確かにこの再會は意外なものではあったのだけれど、イーリャンに怒られても仕方ないことをしたという事実はけ止められるので、自分の頭の中には砂糖菓子が詰まっている、ということもしだけ頭の中にれておこうと思った。

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