《サモナーさんが行く》34

空腹を満たした後、彼達は何やら買いがしたいと言うので暫し待つことになった。

その間に武技アーツの説明を確認していく。

リスト化したらこんなじだ。

メディテート(杖)

ブレス(杖)

直突き(打撃)

足払い(蹴り)

払いけ(け・杖)

パーリング(け・打撃)

バックステップ(回避)

魔法の呪文リストに比べたらスッキリとしたものだ。

直突きも足払いも武技アーツとしてはここの所はまるで使ってない。

自然と使ってる方が違和がなくなっている。

払いけとパーリングはロッドを使うか手を使うかの差があるだけで払うって意味では同じだ。

バックステップは距離を置くためのものだし。

まあ理解し易い範囲だ。

ドッペルゲンガーが使った武技アーツが問題だ。

今までずっと見落としてきた存在である。

まずはメディテート。

瞑想って事だな。

その効果だが、大ダメージを喰らった際のペナルティ発生確率を低減、ペナルティそのものも低減するようだ。

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使えるようなものなんだろうか。

良く分からないが、保険のようなものと考えたらいいのかもしれない。

そしてブレス。

祝福って意味か。

ドラゴンなどが使う吐息のブレスとは當然違う。

その効果はクリティカル発生確率の上昇、ファンブル発生確率の低減といった所だ。

地味だ。

地味だが長期戦になったら効く類のものになるのだろう。

そしてこのブレスは他のプレイヤーに対しても使えるものらしい。

両方に共通して言えるのは地味な支援効果を與えるものと言う事になる。

まあ杖だし。

おまけとして考えておいた方がいいのかもしれない。

「お待たせしました!」

「買いは終わりました」

「うん。じゃあ行こうか」

何を買い込んだかは敢えて聞かずに先を急ぐ。

町の外に出て騎乗すると駆け始めた。

今日は天気もいい。

乗馬で遠出するにはいい日だった。

街道沿いに進んだので魔との遭遇は最小限で済んでいる。

優先だ。

たまにダウジングの効果で黒曜石を拾う程度である。

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馬はいいな。

乗馬は全であって言うほど楽ではないのだが、時間が短できるのが何より有り難い。

森の姿が近くなり、見櫓の傍を抜けて森の中へ。

そうなると空気もまた一味違ってくる。

森林浴って奴だな。

レギアスに向かうのであろうパーティをいくつか追い越して、レギアスの村に到達する。

今日は殘念ながらはぐれ馬のような邪魔はなかった。

順調に旅程を終えたんだが殘念だ。

面倒な相手には違いないが、はぐれ馬から剝がせる皮はそれほどに魅力的である。

「ども。お邪魔します」

「「こんにちは!」」

ミオの屋臺は既に晝飯時を過ぎていて客もまばらであった。

フィーナさんの店にも客はない。

「おっす!もうお晝食べちゃった?」

「レムトで済ませてきました」

「もうちょっと早かったら良かったんですが」

アデルもイリーナもミオとは波長が合うようだな。

結構なことだ。

今日はフィーナさんにサキさん、レイナと勢揃いしていた。

何故か皆が笑顔だ。

そしてその笑顔はオレにも向けられている。

どうかしたのかな?

「功労者が來たわよ」

「おつかれー!!」

何なの?

意味が分からない。

首を傾げていたらフィーナさんの注釈がりました。

「生産職を中心に稱號持ちが増えてきてるわ。どうやら依頼によっては稱號が貰えちゃうみたいなの」

「私も昨日『鎮守の森の狩人』を得た!」

「私は『皮革職人の証』を貰ったわね」

「で、私は『村の行商人』。今日の晝になって得たんだけどね」

へえ、んなバリエーションがあるものなんだな。

オレのはなんか微妙な稱號だったりするんだけど、『鎮守の森の狩人』とかカッコイイじゃないの。

正直、うらやましいです。

「そういう訳で私達も稱號持ちは人魂狙いで明日にはレムトに移する予定!」

「いいわね、ミオ」

「むう。ここでお留守番は嫌!」

「今日はし粘って料理に専念なさい。きっと報われるから」

ほう。

どうやらミオはまだ稱號を得ていないようだ。

それで焦っているのか。

「今日の夕方に向けてもう一頑張りするよ!」

「その意気よ」

「まずは馬!」

ほほう。

はまだ料理になっていないのか。

「馬なら馬刺がいいなあ」

「それじゃ料理の意義がない!」

まあそうですけどね。

おっと、そうだ、

野兎のは売り払ってきたが、縞野兎のはまだ殘してある。

他にも野兎の皮がかなりの量があるのだ。

そしてアデルとイリーナの防も依頼しないといけない。

「あ、サキさん。ブーツ作の方はどうでしょう?」

「これから仕上げ。け渡しできるのは明日だけど」

「何か問題が?」

「明日はレムトの町に移になるから。朝のうちなら大丈夫」

「良かった。あと追加で依頼もしておきたいんですが」

「あら、嬉しいこと。ちょっと納期が延びちゃうし場所もレムトになるけどいい?」

「それは大丈夫です」

今まで溜め込んでいたアイテムを次々と取り出していく。

野兎の皮はかなりの量に及んでいる。

縞野兎の皮も縞野兎のしだがある。

余っている野生馬の皮も預かって貰っているのだ。

素材は十分だろう。

「依頼は更に2點、馬の鞍と彼達の防です。材料は足りますか?」

「これなら十分過ぎるほどあるわよ。鞍は前に作ったのと一緒?」

「はい」

「じゃあウサギの皮はアデルとイリーナの防って事でいいわね」

「お願いします」

「分かったわ。フィーナ、手數料は半額前渡しでけたいけど計算お願い」

「了解」

「野兎の皮は間違いなく余るわ。余った分は買取りで渡すときに手數料と相殺で算しましょ」

「お任せします」

「じゃあサイズ測りましょうか」

サキさんが彼達を捕獲して連行していく。

さすがに他の視線がある所での子のサイズは測れませんよね。

料理談義が中斷されてミオを含めて抗議の聲が上がるが無視されているようだ。

サキさんつええよ。

「ミオ!縞野兎のがあるわよ!」

「要る!」

そういえば縞野兎ののつくねを食った覚えがある。

あれは微ながら能力強化の効果があった筈だ。

そりゃしいよね。

「じゃあ當面の売り算しておくわ」

「お願いします」

フィーナさんの提示金額通りに支払いは済ませておく。

ミオは早速縞野兎のに食いついていた。

いい素材でいい仕事をすればいい経験に繋がる。

あのフェイもそう言っていた。

でもいいのかね?

を放って置いてますけど。

「やはり以前通りにつくねで行くか。もうちょっと工夫したい」

「ミオ、馬はどうするの?せっかくの食材なのよ?」

「むー。馬にまで手をかけられないから馬刺しにでもしようかなー」

「賛

うむ。

で王道の食べ方は馬刺しだ。

おおいに賛同しておく。

できれば甘くてとろみのある濃厚な濃口醤油におろし生姜だな。

おろしニンニクでもいいがやはりおろし生姜が一番好きだ。

山葵は邪道である。

「でも薬味がないのよねー」

「甘口の醤油におろし生姜で十分」

「なにをー!キースは九州人か!」

レイナが言い當てた。

九州人ですが何か?

後のハイブリッドです。

「味覚がおかしいって!」

「なぬ?それは聞き捨てならん」

とりとめもない事でレイナと言い合いをし始めたらフィーナさんに怒られました。

し反省。

「で、馬はどうするの?」

「オリーブオイルにバルサミコ酢、塩に黒胡椒、パセリかバジルがあれば完璧」

「カルパッチョよね、それって」

「材料が足りないー」

「もう馬刺しで出したら?魚醤と薬味でなんとかなさい」

「むー」

ミオは不満そうだがどうやら妥協しそうだ。

そうそう、馬刺しでいいのだ。

「計測終わったわ。野兎の皮だけどもうし余りそうね」

「そうですか?」

「レムトでは々とやらなきゃいけない事もあるけど3日はしいかな?」

「了解です」

サキさんには々と頼んでばかりいる。

無理は言えない。

「ではアデル、イリーナ。森に行くよ」

「「はい!」」

今日は試してみたい事もあるからな。

しだけ急かしてしまった。

森深くに進むのは決まっていたので召喚モンスターは総れ替えとなった。

殘月とヘリックスを帰還させて狼のヴォルフとコウモリのジーンを召喚する。

アデルは虎のみーちゃん、イリーナは蛇のトグロとれ替わりになる。

達のMPバーは大きく減ったがこれは仕方がない。

その分の活躍は十分に期待できる。

目指す方向は西だ。

途中、魔と遭遇はするが今や問題にならない。

晝間に警戒すべきなのは暴れギンケイ(オス)くらいだろう。

他のパーティの狩りを邪魔しないように目的地へと向かった。

で、例の場所に著いた訳だが。

緑の回廊だ。

今度は最初から頭上に人魂のようなものが浮かんでいる。

だが何も反応しないまま消えてしまってた。

どうなっているのやら。

「またここですか」

「そうだな。でも今日は通れるかもしれない」

「え?」

先に進んでみる。

人魂があった場所あたりに到達したが何も異変はない。

更に進む。

異変はなかった。

いや、後方にいる筈のアデルとイリーナが居なくなっている。

慌ててウィスパー機能を使おうとしたが使えない。

どうやら『ユニオン』も途切れているようだ。

慌てて回廊を戻ってみると、り口にアデルとイリーナがいた。

「急に見えなくなっちゃいました!」

「以前と同じで私達はれないみたいですね」

「そうか」

ダメか。

『ユニオン』狀態を強制解除されるとはね。

いや、もう一つ試してみたい。

「『ユニオン』がダメならパーティ編で試してみるか」

「え?」

「いいんですか?」

「やってみよう。パーティ編の申請を出すから頼む」

ジーンを帰還させてパーティ加申請をアデルに出す。

アデルが承認したようで、仮想ウィンドウに各々のパーティメンバーの名稱が表示されていく。

一応、禮儀として彼達のステータスやスキル構は見ないようにした。

「では行って見ようか」

どうやらいけるようだ。

ここを通り抜けるには、例の稱號を誰か一人でいいから持っている事が必要らしい。

検証終了だな。

一旦、パーティからオレとヴォルフが抜けて、再び『ユニオン』申請をしておく。

再度ジーンを召喚する。

さて、先に進むかどうかだが。

「ここから先は恐らく誰も足を踏みれた事がない場所だと思う。進んでいいか?」

「行きます!」

「もちろんです」

「恐らくだが魔は強くなってるし、事前報もないぞ?」

「「行きます」」

確認するだけで済ませても良かったのだが。

先に進めるなら進みたくなる気持ちも分かる。

仕方がないか。

「よし。先導は私がやろう」

「はい!」

「では後詰めをやります」

そして見知らぬ場所へと踏み込むことになった。

さて、何が待ちけている事やら。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv5

職業 サモナー(召喚師)Lv4

ボーナスポイント殘20

セットスキル

杖Lv4 打撃Lv3 蹴りLv3 関節技Lv3 投げ技Lv3

回避Lv3 けLv2 召喚魔法Lv5

魔法Lv2 風魔法Lv3 土魔法Lv3 水魔法Lv3

火魔法Lv2 闇魔法Lv1

錬金Lv3 薬師Lv3 ガラス工Lv3

連攜Lv5 鑑定Lv5 識別Lv5 耐寒Lv2 摑みLv4

Lv4 作Lv3 跳躍Lv1 耐暑Lv3

裝備 カヤのロッド 野兎の當て+シリーズ 雪猿の腕カバー

野生馬のブーツ+ 雪猿の革兜 背負袋

アイテムボックス×2

所持アイテム 剝ぎ取りナイフ

稱號 老召喚師の弟子(仮)、家畜の守護者、中庸をむ者

召喚モンスター

ヴォルフ ウルフLv4

殘月 ホースLv3 お休み

ヘリックス ホークLv3 お休み

黒曜 フクロウLv3 お休み

ジーン バットLv1

同行者

アデル&みーちゃん

イリーナ&トグロ

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