《サモナーさんが行く》1291 蛇足の蛇足4 海上にて

私はナイアス。

その名前の由來は川や泉の霊、その総稱なのだとか。

何故、知っているかですって?

旦那様がご友人に説明なさっていたからです。

いいお名前を頂けたと思います。

そうそうアチザリット、貴方の名前の由來はご存じ?

知らない?

冷酷な淑、なのだそうです。

そう、淑です。

お淑やかで慎ましい、そんなであらねばなりません。

だからおとなしく観戦しなさい。

名前負けしますよ?

え?

素っになって海に飛び込みたい?

ダメです。

らしくなさい。

アプネアやアウターリーフ、セノーテは素っなのにって?

彼等はいいのです。

そもそも裝備をに著けるのは馴染みません。

え?

アウターリーフやセノーテはそんなに大きくないしいける?

貴方が知らないだけです。

アウターリーフは一時期、鞍を裝備していたのです。

旦那様が騎乗して海中戦をしてましたよ?

今はハイアムスがいますからその必要が無くなっただけです。

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後でアウターリーフに聞いてみるといいですよ?

お待ちなさい。

今、聞きに行く事はないですから。

プリプレグの甲羅の上でこれから対戦が始まるのです。

観戦なさい。

いい機會だからって海に飛び込むのはダメですよ?

しかも今、裝備をぎ捨てようとしましたね?

私の目は誤魔化せませんよ?

アチザリット、ダナお姉様をご覧なさい!

ああでなくてはなりません。

お手本になさい。

ダナお姉ちゃんを?

そうです。

それにお姉ちゃん、ではなくお姉様です。

ダナお姉様がそう呼ぶのを許してくれた?

そ、そうですか。

よ、良かったですね。

でも私の前ではお姉様と呼ぶように。

ところでロジット、何をニヤニヤと笑っているのです?

え?

観戦しなくていいのかって?

あらあら、もう始まっていたのですね。

あ、ダナお姉様はこちらへ。

特等席はお姉様の為にあるのですから!

アチザリット、どうしました?

考え込んでますけど。

何です?

ヘザーちゃんはお姉様と呼ばないのかって?

・・・

確かに彼は私よりも先に召喚された先達です。

今の彼は外見が大人で間違いなくで通ります。

但し、おとなしくしていればの話です。

は子供同然なのです。

私もちゃん付けで呼ぶようになってしまいました。

もそれでいいみたいです。

だから、いいのです。

え?

さっき言ってた事と違うって?

いいのです。

私も貴方がルベルをちゃん付けで呼ぶのを許してます。

もそう呼ぶのが相応しいから、いいのです。

そういうものなのです。

ところでダナお姉様、此花様がご心配ですか?

大丈夫です。

対戦相手は野々村様ですもの。

ダナお姉様のマスター、此花様はお強い方です。

一対一であれば負ける相手じゃありません。

そうじゃない?

やり過ぎないかが、心配?

お姉様はお優しいのですね。

でも野々村様にそんな配慮は不要です。

此花様に踏まれて喜んでしまうのが関の山ですから。

え?

何で、ですか?

そういうものなのです。

ゴミを見るように野々村様をご覧になれば分かります。

ええ、そうです。

ゴミです。

駿河様も同じです。

あの方もまたゴミなのです。

ほらお姉様、あちらでは春菜様と駿河様が対戦中ですよ?

既に決著済みのように見えますが対戦は継続中ですね。

春菜様、各務様直伝の関節技を使っておられますわ!

インディアン・デスロックというプロレス技らしいです。

プロレス、というのが私には何なのか分かりませんけど。

駿河様、両腳を極められても抵抗しているように見えますわよね?

でもアレ、ポーズじゃないかと思いますの。

だってあの表

時々、嬉しそうになっているのに気付きました?

春菜様に罵られ頬を叩かれる、その瞬間ですわ!

ゴミです。

ええ、お姉様。

ゴミと思うだけで良いのです。

ゴミでなければクズです。

駿河様も野々村様もそれで喜ぶと思います。

大丈夫かって?

あの方達にはご褒になると思います。

私ですか?

一度だけ、そういった視線を投げかけた事がありました。

劇的でした。

し過ぎて何を言っているのか分かりませんでした。

スクショ、とかんでましたけど?

ご褒になり過ぎるのはどうかと思いました。

それ以降、ゴミを見る目は止めてますけど。

ああ、此花様に迷などと考える必要はございません。

大いに推奨されるかと思います。

それにしてもダナお姉様は本當にお優しいのですね。

私も見習わなければ!

それにしても珍しいですわね。

旦那様ったらご自分は対戦なさらず審判役ですわ!

ゼータ様とヒョードル様の対戦、ですわね。

傍らにイリーナ様がおられるのが気になりますけど。

それにしてロジット、何です?

先程からニヤニヤと!

え?

マスターの事を旦那様って呼んでる?

・・・

本當に?

ダナお姉様、そうでした?

本當に?

え?

え? え?

えーーーーーッ!

し、失禮しました。

取りしてしまいました。

え?

テロメアやモジュラス、清姫に話しちゃおうかって?

ロジット。

後で貴方だけにお話があります。

ええ、二人きりで。

いいですね?

貴方に拒否権はありませんから。

えっと、ダナお姉様?

ああ、イリーナ様の事ですか。

マスターの傍らに立つというのは大変名譽な事です。

とてもではありませんが私などでは力不足。

として、ですか?

その點はまあ別の意味で大変ですけど。

テロメア?

モジュラス?

清姫?

ああ、ロジットが告げ口しようとしていた面々ですか。

それぞれに功績がありますし、申し分ない戦力です。

私以上と言っていいと思います。

ですがマスターに貢獻している、という點では私にも自負がございます。

達では料理は出來ません。

でも私には出來ます。

その方面で気になるのは?

やはりアデル様にイリーナ様、ミオ様ですね。

料理が出來る、というだけで気になってしまいます。

まあアデル様は心配ないですね。

ヴォルフ団長を筆頭にモフモフな面々がお気にりですし。

マスターは論外でしょう。

ミオ様も同様、でしょうか?

気よりも食い気のようですし。

それにマスターにはどこか敵愾心を持っているご様子。

要注意ですけどね。

敵愾心が裏返って心に、などとあってはいけません!

フィーナ様、サキ様、マルグリッド様も要注意ではあります。

そんな中でもイリーナ様は最も注意すべきでしょうね。

時々、変な視線をマスターに注いでおられますし。

本當に、気になります。

え?

マスターの理想のお相手ですか?

そうですわね。

頭二つ以上背が高くて筋骨隆々。

板は厚く當然ながら強いタフネス。

毆られ蹴られ投げられても何度も立ち上がるしぶとさ。

汚い手も躊躇無く使う兇暴さ。

こういった點を兼ね備えた方でしょうか?

・・・えっと。

ああ、対戦相手の話ではありませんでしたね。

理想の、ですか。

それはもう清楚で日向を問わず支えてくれる、そういう方?

え?

ダナお姉様、それって私のようですって?

そんな!

ま、まあ嬉しいのですけど!

ええ、それはもう!

旦那様にとってそういう存在になれたら、どんなに素敵でしょう!

何です、アチザリット?

スーラジはどうかって?

ええ、彼人ですし料理も出來ます。

ですが元々、お人形でしたから。

いえ、今もお人形ですから。

旦那様も躊躇するのではないかしら?

ところでロジット、何を笑っているのです?

はい?

また旦那様って呼んでる?

・・・え?

ロジット。

お話があります。

ええ、今からです。

観戦?

ああ、ちょっと席を外します。

申し訳ないのですがダナお姉様、お願いがございます。

アチザリットが海に飛び込まないよう、見張って頂けませんか?

ええ、そうです。

ちょっと大事な用件が出來ましたので。

宜しくお願いします。

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