《サモナーさんが行く》1322 反撃編1

連投はないです。

不定期投稿予定。

「サキ! ミオ! 急ぎなさい、こっちよ!」

「フィーナ姉! 待ってよー!」

「もう、何でこんなに混雑してるのよッ!」

私も同

サキが言うように人混みが酷い。

ここは唯の平原だった筈なんだけど・・・

集合時間には間に合った。

でも現地に來てみて驚いた。

イベントを期待して集まったであろうプレイヤーの群れ。

サキやミオにはNPCが集結しているように見えるだろう。

私達は掲示板に報は出していない。

口コミで參加を募っただけだ。

・・・あら?

思わず聲が出そうになったけど我慢、我慢!

向こうも気付いた?

小走りしながらそのNPCとハイタッチ!

うん、今はこれで十分!

「フィーナ姉? 今のって・・・」

「NPC、よね?」

「そうね」

サキにもミオにも彼はNPCとしか思えないだろう。

でも私には黃とは別に白のマーカーが重なって見えている。

もまたフィーナ。

區別の為にコードを付けているからフィーナ・インディアだ。

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アバターの顔付きが私に多似ているけどその姿は別人。

平行世界からここにログインしている、もう一人の私。

今回のイベント、その裏事を知っている數ないメンバーでもある。

混雑している理由も分かる。

多分、接続されている別のゲームでは掲示板に載ってしまったのだろう。

周囲にはNPCを示す黃のマーカーが山のように見えていた。

ただ、プレイヤーを示す緑のマーカーが集まる一角もある。

私達が目指す場所はそこだった。

「ゴメン! 待った?」

「ギリギリセーフ、かな?」

私達を出迎えたのは三人のパーティメンバーだ。

レイナ、マルグリッド、ヘルガ。

それに本部直衛、生産職の選抜パーティのメンバー。

與作、東雲、ハンネス、不、レン=レン、篠原。

最後にキース。

私の肩に彼の召喚モンスター、フォレストアイのストリクスが舞い降りた。

この子は最古參で大事な戦いに欠かせない召喚モンスターなんだけど・・・

キースったら、他の子達はまだ召喚していないの?

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「混み合ってるからな。召喚は自重してる」

「この有様だものね・・・」

「アデル達サモナー組は上空で待機させてるよ」

周囲を見る。

メンバー全員が不自然に私達から視線を外していた。

気を遣わせちゃってゴメン!

私はキースの頬に軽くキスする。

見ていたのは多分、ストリクスだけよね?

『もうすぐ時間よ! 準備はいい?』

ジュナ様からメッセージが來ていた。

簡単に返信しておいてキースを見る。

彼の所にもメッセージが來ている筈。

互いに目で確認。

本番が迫っていた。

キースがやや張しているのが分かる。

多分、私もそうだろう。

「・・・フィーナ姉、挨拶は終わった?」

「ええ。もういいわよ?」

「夫婦でラブラブとか、羨ましいッ!」

「ミオったらこないだ、フラれたものね・・・」

「サキ姉ッ! それ、ここで言わないッ!」

がないわね。

これから始まる戦いがどんな意味を持つのか?

その意味を知る私は心配で心配で仕方ない。

運営のリソースを削ぐ。

それだけじゃない、こちら側が奪うのだ。

地味だけど極めて重要。

結果として幾つかの平行世界の剪定と選定、その阻止が可能になる。

実際、ここに接続している世界の幾つかを救えていた。

可能であるならば管理者の依代、黃金人形の確保。

前回は想像以上の戦果があった。

黃金人形を四、確保している。

ただ、殘念な事に運営上位への手掛かりが得られていない。

今回はどうだろう?

運営側もこちらの手のを知った筈。

簡単にこちらの攻勢を許しはしないと思うけど・・・

「フィーナ姉! リックが來たよ!」

「じゃあ私、行ってくるわ!」

「指揮の方は宜しく!」

戦力編を終えたリックは私と替でパーティにる。

そして私が全指揮を擔う訳だけど・・・

、と言うのは正しくもあり間違ってもいる。

プレイヤー全の指揮はするけどNPCの指揮はしない。

そっちは私とはまた別のフィーナが指揮を執る。

大量にいるNPCも大部分がプレイヤーなのだ。

プレイしているゲームが違うけど同じフィールドで一堂に會している。

相互にNPCとして認識しているだけなのだ。

いずれにしても私は部隊指揮の役割だ。

の指揮を執るのは?

それもまたもう一人の私だったりするのよね・・・

『フィーナ・アルファよりロメオへ。早期警戒態勢に移行を!』

『コピー!』

『ジュナ様、次元シフトまでのカウントダウンをお願いします!』

『オッケー! 各位、干渉領域の展開狀況は常時確認してね!』

『浮き島よりドラゴン部隊の展開を開始!』

『次元シフトまであと二分よー!』

裏事を知るメンバー間には常時テレパスが使われている。

ゲルタお婆様特製の呪符によるものだ。

目の前にある仮想ウィンドウが切り替わってカウントダウンが表示された。

・・・頭上には浮き島が三つ。

多數の影が展開しているのが見えた。

幾つかの群れに分かれて浮き島を囲む。

・・・來たわね?

一頭のドラゴンが私達の頭上を通過する!

それは淡く明で黃金に輝くドラゴン。

黃晶竜だわ!

私のがフワリと浮く。

次の瞬間、黃晶竜の頭上に私はいた。

『しっかり摑まって!』

「お願い!」

私はフィーナ。

でも今からはフィーナ・オスカー。

ここには複數の平行世界からそれぞれ、私の分が來ている。

いいえ、私もまた分の一人であり本人でもある。

區別する為にコードを付けてあるだけ。

それはキースも一緒だ。

黃晶竜はドラゴン達の群れを突き抜け更なる上空へ急上昇!

そこにはしさを競うように名前持ちのドラゴン達が待ち構えていた。

本當に綺麗!

このまま眺めていたい程だわ!

『フィーナ・アルファよりエコーへ、知結界を展開開始!』

『ヤァ!』

『次元シフトまであと三十秒よーッ!』

『各位、報リンクを再確認!』

『フィーナ・アルファへ! 各軍への指揮、宜しくねッ!』

仮想ウィンドウを展開、報リンクは問題なく機能しているようだ。

後は敵が來るのを待つだけ。

・・・いえ、この場合は私達が毆り込みをする形?

眼下に広がる平原が二重に見える。

次元シフト直前に起きる現象だわ!

『ゲルタちゃん、ルグランちゃん、オレニューちゃん! 次元シフト開始ッ!』

『干渉領域、展開!』

「警戒せよ! 防陣を崩すなッ!」

平原の景が一気に鏡面になる!

頭上には星空、但し巨大な球狀星団が一つだけ。

異なるの星々が所々に混ざっているのが分かる。

大部分は白、剪定と選定を待つ世界。

は選定中。

は選定済でこのまま継続が決まっている世界。

は剪定中、いずれ消えてしまう世界。

そして紫に點滅しているのは?

現在ここに接続されている世界だ。

・・・數はかなりない。

但し數多ある星々の中でかなり目立つ。

ジュナ様の見ている視界を共有しているから、私には分かる。

鏡面の世界が一點から漆黒に変わる。

管理者が潛む世界へと干渉が始まる!

この干渉領域は、管理者達のリソースを継続的に奪う。

可能な限り、その領域を拡大させたい所だけど・・・

それには広域にこちらの戦力を布陣させる必要がある。

前回、干渉領域を展開出來るのはジュナ様しかいなかった。

次元シフトもジュナ様に頼る他なかった。

今回はゲルタお婆様、ルグランさん、オレニューさんがいる。

それにもう一人のジュナ様、ジュナ・ブラボー様もいる。

干渉領域を展開するのに奪取した黃金人形の能力を使っているのだ!

だから可能な限り、黃金人形は奪取しておきたかった。

管理者側も座視などしない。

リソースの奪取を阻止しようとく。

必ずく。

その兆候はあった。

天空に幾つもの次元の狹間が生じる!

巨大な何かがゆっくりと出現、地上へと無數の影が降下していた。

・・・これ、前回と比べて倍以上の戦力かしら?

霊を召喚するよッ!』

「お願い! 地上支援を手厚くね!」

『了解!』

黃晶竜の周囲に無數の霊が出現、眼下の地上戦力の支援に向かう。

フェニックスの數は十數と數が多い。

ちゃんと回復を考えてくれている!

運営側が繰り出す戦力は全てが難敵とは限らないけど・・・

數が多いから継続戦闘が難しい。

恐らく追加で戦力を投するだろう。

これは本當に助かるわ!

「そのまま前進! 前衛は並列突撃用意! 機戦力はそのまま待機!」

『了解!』

「空中戦力は地上支援を! 頭上なら任せて!」

次元の狹間から出現していたのは?

空中空母といも言うべき巨大なメルカバーだ。

そして複數のメルカバーの間にが奔った。

空中に巨大な魔方陣と魔法円が展開!

、何を召喚するの?

『先鋒に警告! テスカトリポカだ! 全種、揃ってるぞ!』

『確認した! メルカバーにはツィツィミトルが鎮座!』

『コピー!』

『地上戦力も來ます! アダムカドモンを確認! 距離に注意! 封印は最優先!』

『敵先頭集団はグレンデルに禍神達、それに各種キメラです!』

「全種英霊召喚、用意! 継続時間に注意!」

どうやら難敵も十分な數を用意しているみたいね?

良かった。

多分、キースは大喜びしているんでしょうね・・・

いえ、この場合はキース達、と言うべきなのかしら?

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