《サモナーさんが行く》1323 反撃編2
「序盤戦は順調ねー」
「先鋒は大丈夫ですかの? 先行し過ぎて孤立しますが」
「周りが敵だらけになって喜んでると思うわよ?」
「・・・確かに」
「あ、戦況を視覚化します」
私の周囲は正に総本部の様相だった。
ジュナ様、その背後に金紅竜。
ゲルタお婆様、その背後には黒曜竜。
オレニューさん、その背後に最長老様。
ルグランさん、その背後には転生煙晶竜。
重鎮が揃っている上にドラゴン達の威圧に圧倒されそう!
仮想ウィンドウに全の戦況を表示した。
フィーナ・エコー、それに翠玉竜が知結界を使って把握してくれている。
報リンクは順調、干渉されている様子はない。
これは一種のレーダーだけど知範囲外の様子は分からないから過信はだ。
そこは目視による偵察、それに報告に頼る他ない。
敵陣を突き抜けるかのように突出しているのは?
ハヤト・ブラボー、ジュナ・ブラボー、それにキース・チャーリー。
第二遊撃軍という呼稱はあるけど実態はこの三名と配下の召喚モンスター達だけ。
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でもそれで戦力は十分。
ある平行世界の魔神ハヤト、ジュナ様、それにキースの分なのだ!
実の親子三名のみによる編になる。
他のメンバーが參加しても邪魔になるだけだから放置しといて、と言われていた。
本當に放置で大丈夫なんだろうか?
・・・多分、大丈夫なのだろう。
他の布陣はどう?
全を俯瞰する。
私達は半包囲されているけど左翼側はこちらが押しているようだ。
細かな戦況を確認しておこう。
中央は?
第一軍、ケイオスワールド・オンライン勢。
支援ドラゴンは柘榴竜、指揮するのはフィーナ・インディア。
第二軍、マルチスキル・オンライン勢。
支援ドラゴンは黃晶竜、指揮するのはフィーナ・オスカー。
第三軍、ミレミアム・キングダム勢。
支援ドラゴンは水晶竜、指揮するのはフィーナ・デルタ。
・・・第二軍の陣容が薄いけど今の所は問題なさそうね。
右翼に展開するのは第四軍、ビーストバスターズ勢。
支援ドラゴンは蒼玉竜、指揮するのはフィーナ・ジュリエット。
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左翼に展開するのは第五軍、ブラッディダンジョン・オンライン勢。
支援ドラゴンは白金竜、指揮するのはフィーナ・タンゴ。
各々の指揮は名前持ちのドラゴンに騎乗し上空からオペレーションを行う。
戦況の把握は重要だからだ。
護衛戦力は別途、用意してあるから問題ない。
いえ、問題はあるかしら?
第一軍の規模が想定の倍以上になってしまい移に時間が掛かっている。
規模が大きいだけに指揮が大変だと思うけど、今の所は順調に見えた。
・・・左翼側の後方にスペースが大きく生まれているわね。
予備戦力を展開すべき?
『フィーナ・アルファよりズール、左翼後方に移を!』
『ラジャー!』
予備戦力の第六軍をかす。
これはエンドレスワールド・オンライン勢だ。
支援ドラゴンは紫晶竜、指揮するのはフィーナ・ズール。
これで當面は心配ないかしら?
予備戦力はもう一つ第七軍があるけど出來ればかしたくない。
翠玉竜とフィーナ・エコー、それにダークエルフ勢とバオバブエントだ。
鋭のドラゴニュート、バードマンも參加している。
彼等には知結界を展開して貰っていた。
戦闘しながらでも知結界は機能するけど、移すると補正が必要になる。
かすのは控えたい。
・・・フィーナ・エコーの世界は殘念な事に剪定されてしまっている。
私達が救えたのはフィーナ・エコーとキース・ズールだけだ。
彼が指揮する他の戦力は純粋にNPCだけになっていた。
その點は空中戦力の要、浮き島で指揮を執るロメオも同様だ。
第八軍は翡翠竜とフィーナ・ロメオ、そして無數のドラゴン達。
指揮を行うフィーナ達とドラゴン達、その護衛戦力を兼ねる。
フィーナ・ロメオの世界もまた、剪定されてしまっていた。
そして第八軍にはキース・ビクター、キース・ズール、キース・エクスレイが參加。
キース・ビクターとキース・エクスレイも戻るべき現実は消滅している。
ログアウトしても夢の中だ。
所屬する世界観たるゲーム世界はあるが現実はもう無い。
彼等はアバターだけの存在だ。
・・・ああ、もう!
名前にコードを付けててもややこしいわね!
私、現実ではもう百歳を超えてるお婆ちゃんなのよ?
混しちゃうじゃない!
「ジュナ様、第一遊撃軍はどうします?」
「うーん・・・どうしよっかなー?」
第一遊撃軍とは?
目の前にいるジュナ様、いえ、ジュナ・アルファ。
その伴である魔神、ハヤト・アルファ。
この夫婦の息子達とも言えるキース・アルファ、キース・ブラボー。
無論、オレニューさんにルグランさん、ゲルタお婆さま。
そして名前持ちのドラゴン四からなる數鋭部隊だ。
通達で分かり易いように本部と呼稱している。
それも納得の陣容になる。
アナザーリンク・サーガ・オンラインのプレイヤーはこの二人のキースがいるだけ。
そしてアナザーリンク・サーガ・オンラインに存在していた私はもういない。
NPCとして生き、NPCとして死んだ、と思う。
この場合は消えた、かしら?
今の私のアバターはジュナ様が拾い上げたデータを元に再構したものだ。
・・・ところで、私も第一遊撃軍?
ジュナ様からはいざとなったら金紅竜に乗れと言われていた。
広義の意味で第一遊撃軍、だと思われる。
その第一遊撃軍、今は機能していない。
ジュナ様達は次元シフトに集中していて、リソースも大半を費やしつつある。
干渉領域を使って回復しているけど、戦闘に加わるにはもうし時間が要るだろう。
で、他の面々は?
私の目の前に転がっていた。
魔神が、そして二人のキースが、グレイプニルで拘束されている!
「する妻よ、そろそろ解いてくれないか?」
「まだ、ダメ!」
「ねえママ、勝手に突撃したりしないから、さ?」
「ダーーーメッ!」
「ママ、腕が痛いからさ、し緩めてくれない?」
「うん! それ無理!」
一斉に盛大な舌打ちが聞こえたけど・・・大丈夫?
ジュナ様の笑顔が怖いんだけど・・・
「儂等もまだくには早計であろうが、な。何もせんというのものう・・・」
「ルグラン、気持ちは分かるが今は待て」
「オレニュー師匠、こっちの気持ちも汲んで頂けませんか?」
「お主等は到底、我慢出來んじゃろうが!」
そう。
この三人を拘束してある理由は唯一つ。
獨斷専行をさせない為。
・・・あら?
そう言えば、確認しておかないと!
「フィーナ・アルファより各位、黃金人形は確認したか?」
『こちらインディア、未だ確認せず!』
『こちらロメオ、メルカバー上にはいません!』
「エコー?」
『知出來ていません!』
「キース・チャーリー! 応答せよ!」
『ここまで見てない! おかしくないか?』
そう、彼の言う通りだ。
おかしい。
前回、運営は管理者の依代となる黃金人形と追従戦力を投。
その目的はリソースの再奪還だった。
奇襲とも言える次元シフトによる侵攻、これに対する運営側の反撃は早かったのだ。
今回、そのきがまだない。
遅い、わよね?
そこが気になる。
「第三遊撃軍、本部に向け降下! 合流せよ!」
『了解!』
「エコー、第七軍は臨戦態勢に移行! 相互の距離を取れ!」
『ヤァ!』
當面の指示はこれでいい。
問題は本部であるここをどうするかだけ。
・・・なるようになる、かしら?
「ジュナ様、そろそろ第一遊撃軍も準備を」
「ここも戦闘になりそう、なのね?」
「読みが當たれば、ですけど」
「いいわ、拘束は解きましょうか」
魔神ハヤトの影の中からバンパイアデュークが出現。
三人を拘束していたグレイプニルを解くと再び影の中へと消えてしまう。
解放された三人は視線だけでジュナ様に不満を訴えていた。
まあ、気持ちは分かるのだけど・・・
「・・・やっとか・・・」
「心配しなくていいわ。すぐに暴れる事になると思うから」
「フィーナさん、本當に?」
「・・・直接、ここを狙うと?」
「ええ、來ると思う」
私達の頭上を第三遊撃軍がフライパス。
キララと雲母竜、コーパルと琥珀竜。
そしてキース・ケベック。
浮き島に待機させていた切り札だ!
キース・ケベックは々、雰囲気が違う。
いえ、かなり違う。
彼の世界もまた剪定されてしまっていた。
彼がプレイしていたゲーム名はプラネットダイバー・オンライン。
大型ロボットが星に降下、地上でバトルを展開するタイプのゲームだ。
俗に言う近未來FPS、ファーストパーソン・シューター?
そして彼のる大型ロボットは私の目には奇異に寫る。
戦闘機のようなフォルムで変形機能を備えた機種なんだけど・・・
一見すると銃やミサイルに類する兵裝がない。
長大な一振りの刀があるだけ。
彼が言うには機そのものが兇らしい。
その戦い振りを見るのは今回が初となる。
周囲を見渡す。
どうやら、來たわね?
足下の一點から地表の様子が変化していた。
円形に鏡面がゆっくりと拡がる。
運営側がリソースの再奪取を狙っている!
ならば、來る。
黃金人形が、來る!
問題はその追従戦力、よね?
私はジュナ様の後を追った。
金紅竜の頭上に辿り著くとすぐに私は空中にいた。
眼下には幾つもの円形の鏡面が生じている!
運営は一、どれだけの數を送り込んで來たの?
アダムカドモンと能面妖怪達が各所に出現!
同時に何かが文字通り、破壊されていた。
魔神が、それにキース達が先制したのだ!
始まったわね?
狂騒ともいうべき破壊の饗宴。
幻聴だと信じたくなる笑い聲が聞こえていた。
もう私の指揮なんて要らない。
いいえ、私の指示なんて聞くような人達じゃない!
「本部に奇襲あり! 直衛戦力にて対応する! 各方面、各個撃破を継続!」
眼下ではキース・アルファの周囲に召喚モンスター達が出現する。
そして剣豪の英霊達。
いえ、私の隣にも英霊が出現していた。
キース・ベータが太公釣魚を使ったのね?
・・・ところで太公呂尚さん?
ジュナ様は勿論、私へのセクハラはダメですよ?
絶対ですよ?
私ってば中はお婆ちゃんだけど、許したりしませんからね!
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