《【書籍化決定】にTS転生したから大優を目指す!》49――撮影開始!

いつもブックマーク&評価、誤字報告頂いてありがとうございます。

1月18日で投稿開始から丸1年が経ちました、お付き合いありがとうございます。2周年が迎えられる様に頑張って今年も書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

いよいよ、神崎監督が手掛ける映畫の撮影が始まった。主演のひとりである私がほとんど無名の子役だからか、周りは蕓能界で名前が通った役者ばかりで固められていて、私としては恐しきりだ。

普段からあずささんや洋子さんからも『挨拶はきっちりと禮儀正しくを合言葉にして皆さんに接しなさい』と、口を酸っぱくする勢いで言われてる。前世では大人として社會に出ていたので、挨拶や禮儀の大事さは骨にしみてわかっている。出演者のリストを見てタレント名鑑で名前と顔を一致させてから、顔合わせに臨んだ。もちろん楽屋を訪れての挨拶も忘れない、張していたからうまく笑えていたかはわからないけど、にっこり笑顔を意識してぺこりと頭を下げた。

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でも當然の事ながら、他の共演者の人達には私が同業者には思えないんだろうね。どこか久しぶりに遊びに來た親戚の子供の様な、部外者を見る様な目で私を見ていた気がした。悔しいけれど彼らはまだ私の演技も見てないし、會ったばかりの小學生に対する対応としては妥當なのではないだろうか。

対等にとまでは言わないけれど、私だってギャラをもらって映畫に出るのだ。せめて一人の役者として認めてもらいたい、そう思って最初の撮影に臨んだ。中村さん演じる主人公が、転換と若返りをしている自分に気付かずに目を覚ます場面。そこから主人公は私が演じる事になる、だから挨拶代わりに気合をれて……それでいて自然でいつもどおりの演技ができるように。

このシーン二度目のカチンコが鳴る頃には、知り合いの子供の授業參観を見に來た様なほのぼのとした空気は消えて、どこかピリピリとを刺すような空気がスタジオ中を満たしていた。何もこのワンシーンだけで認められるとは思っていない、この映畫の撮影が終わるまでにはひとりの役者として見てもらえればそれでいい。その取っ掛かりは摑めた気がした。

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ベッドの上でそんな事を考えていると、男っぽい雰囲気を出すためにかいていた胡座になんだか違和じて、そっと足を折りたたむの子座りに姿勢を変える。これが一番落ち著くとか、も心もの子らしくなったもんだとなんだか慨深くもある。まぁもうの子として生まれ直して10年以上も経つ訳だし、そっちに寄っていってもしかたないのかな。

監督は順撮りというシーンを順番に撮影する手法で映畫を撮影するので、本當なら大きなセットの換に時間が掛かるのだけど、それを嫌って敷地の複數の撮影スタジオを押さえているらしい。余計に費用が掛かりそうだけど、実はその方が出費も撮影時間もなくて済むんだって。

他の主要な役者さん達も撮影に慣れている人達ばっかりなので、NGも出ずに本當にサクサクと撮影が進む。私も他の役者さんやスタッフさんに迷を掛けまいと必死に演技をして、気がついたら初日の撮影が終わっていた。休憩時間で一度楽屋に引っ込んだ時に、何やらこれまでの私に対する態度が良くなかったと中村さんに謝罪されたのだが、私の頭はもう次のシーンの事でいっぱいでそれどころではなかった。あずささん達の言いつけを守ってちゃんと対応できたと思うんだけど、正直なところどう返事をしたのかは朧げで覚えていない。中村さんが不快に思っていなければいいけど。

「……なんで洋子さんはそんなにプリプリ怒ってるの?」

「いいの、すみれは知らなくていいのよ。明日も撮影があるんだから、お風呂にでもってゆっくりしましょうね」

私に対してはいつもどおりのニコニコ笑顔だからいいんだけど、怒るのって力が必要だしストレスも溜まるから洋子さんを怒らせた人は速やかに謝ってあげてほしい。背中をポンと押されて近くの銭湯まで移する、當然ながら撮影所には泊まれないから私達はホテルにしばらく連泊しなければいけない。

できるだけ節約したい私としては、どうせ寢るだけなのだから安いホテルで充分だと思っていたので、その意向を洋子さんに伝えた。それに沿って洋子さんがビジネスホテルを押さえてくれたんだけど、お風呂がユニットバスだったのが辛い。今日の疲れをリカバーするには、やっぱり足がばせるぐらいのお風呂が必須なのだ。私はちっちゃいから部屋のお風呂でも足はばせるんだけど、ジメジメしたシャワーカーテンを閉めて圧迫であっぷあっぷしながらお風呂にるのも嫌だ。

という事で、ホテルの近所にある昔ながらの佇まいの銭湯にやってきました。夜だからか結構混んでるなぁ、番臺に座るおばあちゃんに洋子さんがお金を支払って所にると、結構な人口度が私達を出迎えた。まぁこれからる人ともうお風呂から上がった人の両方がいるからね、所が混み合うのも仕方がない。周囲にはの人達がたくさんいるけど、もうこんな狀況にも何もじない自分がちょっとさみしい。でもよくよく考えたらJKふたりとJC、それに加えて人な20代子とも事ある毎に一緒にお風呂にるんだから、そりゃ慣れるでしょ。ボディタッチも日常的にあるんだし、むしろ男子のるほうが今や抵抗があるかもしれない。

そんな事を考えつつ服をぎ、タオルを持っていざお風呂に突貫。もちろんる前に全キレイに洗って、広い浴槽にちゃぽんとを沈めた。途中で洋子さんが『洗いっこしようか、ね?』とか言って邪魔してきたが、そんな元気がないくらい疲れてるのでちゃっちゃとお湯に浸かりたい旨を伝えるとしぶしぶと引き下がってくれた。でもなんだかしょんぼりしてかわいそうだったので、背中だけ流してもらう事にした。たまにの近くとか脇腹に洋子さんの指が當たったけど、まぁ大目に見ましょう。私のはアバラがくっきり浮くぐらい結構なガリガリ合なんだけど、らかい部分は本當にプニプニしててらかいからね。真帆さん達に教わっておの手れもちゃんとしてるし、りたくなっても仕方がない。

大きくため息をついてから、グーッと指を絡ませて両手を前へと突き出す。前世のならあっちこっちでゴキだのグキだのと骨が鳴ったんだろうけど、まだまだいこのは特に音も出さずに疲れた筋や筋をいいじにばしてくれる。そのまま指を離して両手をお湯の中に沈めると、ちーっとも膨らまない自分のが目にる。頭は膨らんできたからすぐに他のところも膨らんでお椀みたいになるのかなと思ったんだけど、そのまま特にきもなくそのままになっている。

「なに、どうしたのすみれ? に手なんか當てて。もしかして、苦しい?」

自分のを洗い終えた洋子さんが浴槽にってきて、私の隣にを沈める。ちょっとだけ心配そうな表でそう言うので、私はふるふると首を橫に振った。

「わたしの、全然おっきくならないなって思ってたの。もしかしたら、不良品なのかも」

「すみれは気にしすぎなのよ、まだまだこれから大きくなる年頃なんだからドーンと構えてればいいの。あと、も背も大きくしたいならもっとご飯を食べなさい」

洋子さんに痛いところを突かれてしまった、頑張って食べてるんだけどどうにもこうにもすぐにお腹いっぱいになってしまうのだ。胃袋が小さいのだろうか、それとも運量が足りないのかな。ままならない自分のに、ぷくりと頬を膨らませてしまう。そんな私を見て苦笑する洋子さんの後ろから、笑いながら近づいてくるの姿があった。

「あ、花さん。お疲れ様です」

誰かすぐに分かった私が立ち上がって挨拶をしようとすると、そのに手で制される。起き上がるために曲げた膝をまたばして、座ったままでぺこりと頭を下げた。麻生花(あそうはな)さん、同じ映畫で共演している優さんだ。役柄としては中村さんの妹なので、私にとっても妹役だったりする。20代半ばぐらいの、まだまだ若手だけど実力派優として有名な方だったりする。

「すみれちゃんは真面目だなぁ、でもあんまり丁寧にやり過ぎると逆に嫌がる人もいるから気をつけた方が良いよ。恩田のおじいちゃんとかそういうタイプだからね」

「麻生さん、お疲れ様です。恩田さんとは親しいんですか?」

私に苦言を呈す花さんに、橫から小さく會釈して洋子さんが質問した。それを聞いた花さんが、笑いながら答える。

「飲み友達なのよ、私なんかじゃなかなか行けないお高いお店なんかにも連れて行ってもらえるから、結構ありがたいのよね」

「お二人は結構、お歳が離れてらっしゃるのに……」

「私は割といろんな人と飲みに行くけどね、中村さんともたまに行くよ。すみれちゃんもお酒が飲める歳になったら、一緒に行こうね」

辭令だろうけれどってくれた花さんに、私は『はい、是非お願いします』と返事を返した。するとどうかしたのか、私の目の前に移した花さんがじっと私の目を見つめる。

「よかった、もう普通のの子に戻ったね。さっきまでのすみれちゃんの様子が、どこからどう見てもの子の皮を被った中村さんだったから、もしかしたら元に戻らないんじゃないかって心配してたのよ」

私のほっぺを手のひらでりながら、心底安心した様に言う花さん。別に演技中も意識が飛んだりしてないし、逆に々考えながらやってるから私は私のままなんだけどな。でもそんなに心配してくれるくらい、見てる人に私の演技が中村さんをじさせるものだったのだとしたら嬉しい。

「ありがとうございます。でも特にわたしがわたしじゃなくなったりする訳ではないので、だいじょうぶです」

「あ、別にすみれちゃんの頭がおかしくなったーとかって思ってる訳じゃないんだよ!? 恩田のおじいちゃんがすみれちゃんの事を『あの子はイタコ優かもしれんなぁ』とかしみじみ言ってたから、ちょっと心配になっただけで」

あわあわと言い訳する花さんの様子が面白くて、洋子さんと顔を見合わせてクスクスと笑った。その後は私と洋子さんが話していた容を聞かれて、正直にの話だと話したら何が彼の琴線にれたのかはわからないけれど『あー、私もそういう時期あったなぁ。可い!』と構われてのぼせる寸前までぎゅっと抱きかかえられた。

結果的に花さんと仲良くなれたのはよかったけれど、背中に當たっていたふたつの丸い膨らみには格差をじずにはいられない。ご利益でにならないかな、花さんのおっぱいはすごく大きい訳ではないけど形がすごくキレイなのであやかりたいなと強く思った。

まだ本調子じゃないのかこれくらいが限界なので、當分4000~5000文字ぐらいの文字量で更新すると思います。

ちなみにTS子がを執拗に気にする現象への個人的な見解ですが、男だった時に経験していない未知の徴への不安と、どうせ膨らむならできれば平均的な大きさでしく仕上がってしいというこだわりなのではないかと勝手に想像してます(笑)

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