《え、社システム全てワンオペしている私を解雇ですか?【書籍化・コミカライズ】》論なんて、もう古い? 1
私っ、佐藤2歳!(+300ヶ月以上)
今、お客さんの膝でバブみをじているの!
「ひどい!」
おぎゃあ!
「ひどいよ百合ちゃん!」
おぎゃん!
「どの裝も頑張って作ってるの! 早著替え重視なだけなの! 一分縛りなの! なのに、なのにぃ……ボロクソォォォ」
「よしよし。泣かないでください」
定期講を始めた百合。佐藤は転職に功した旨を聞き、自分のことのように喜んだ。そして號泣した。
百合が書いた口コミ。そこに記されていたコスプレのクオリティに対する痛烈な批判を思い出したのである。果たして佐藤は、百合にめられる形となった。
「すみません。他の方の口コミでコスプレがボロクソだったので、そういうノリなのかなって」
「えっ、じゃあ本音じゃないの?」
「いえ本音です」
うわぁああああ!
再び號泣する佐藤。
それを遠目で見る鈴木は、もうどうにでもなれという表をしていた。
さて、と急に泣き止む佐藤。
ちょっぴり真面目な顔で百合を見て、
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「百合ちゃん、なんだか可くなったね」
「そうですか? むしろ隈とか酷くてダメになったと思いますけど」
「そんなことないよ。かわいいよぉ~」
ふにゃんとした笑顔で褒める佐藤。
百合は気恥ずかしくなって顔を逸らす。
「お仕事どう?」
「周りが子供みたいな人ばっかりで大変です」
「楽しい?」
「……まあまあですね」
ツンデレちゃんは、そっぽを向いたまま言う。
「正直困ったことの方が多いですね。例えば、みんな時間管理が甘過ぎます。昨日なんか、私が指摘しなければ終電逃してましたよ」
「わーお。に気を付けてね」
「そこは大丈夫です。渡辺さん――社長の提案で、水曜日が休みになりました」
「おー、週休三日制だ。すごいね」
「ただの殘業時間の調整ですけど」
「えー、すごいよー」
大したことないです、と得意そうな表。
それから百合は、ふと自分の両手を見つめて言う。
「だから力的には余裕なんですけど……最近、何もしてないと手が震えるようになったんですよね」
「あっ、それダメ。チェンジ」
を起こした佐藤。
今度は百合が佐藤の膝に頭を乗せる。
「切り替え大事。リラックスできる音楽とかオススメだよ」
「ぬかりありません。推しのドラマCD常備です。今もほら、ワイヤレスイヤホンです」
「あー、わかるー。落ち著くよねー」
「はい。でも足りません。だから今日は……時間ギリギリまで、膝枕してくださいね?」
まあ、と驚いた表を見せる佐藤。
こほんと咳払いして、なんだかっぽい聲で言う。
「あらあら、甘えん坊さん」
「佐藤さん限定です」
そんな二人を見て、鈴木は思う。
……ここそういう場所じゃないんだけどな。
しかし、口は出さない。
お客さんが満足しているなら、それでいい。
従來の常識から考えれば異常な判斷。
しかし、これこそ若い會社の特権でもある。
……信じるんだ。お客さんの笑顔が一番なんだ。
鈴木は目を閉じて、強い胃痛をじながら思った。
強く生きろ鈴木。
お前は正しい、はず。
***
佐藤が転職してから一月。
鈴木は、手帳に記した実績を見ながら思案する。
現在、獲得した定期講生は二人。無料験の実施回數は八回。週に二人のペースで人が來ていた計算となる。
ここで重要なのは約率。
現在8人中2人が定期講を申し込んでいるから、約率は25%。母數が不足しているは否めないが、現時點では好績と判斷して良いだろう。
この塾では1コマを2時間としている。定期講には二つのコースがある。一月だけ無制限で講できるコースと、1年間週に1コマだけ講できるコース。また、1コマ2萬円の単発コースがある。
単発コースはし高額だが、無料験の事後アンケートの結果、定期講に申し込まなかった6人中5人が「単発コースを検討する」と回答した。殘りの一人は「どちらとも言えない」であった。肝心の申し込み數は現時點で3コマとなっている。
要するに順調である。
平均的な満足度が非常に高いので、講生を増やすには接客數を増やすことだけ考えれば良い。
一方で、講生が増えた場合に考えられる問題として「人手不足」や「定期講したのに予約できない」がある。まだ先の話だが、これらの対策も必要だ。
「茶でございます」
「……うん、ありがとう」
スーツ姿のからお茶をけ取り、口に含む。
ふんわりと茶葉の香りが広がる上質なものだった。
思考再開。
今度は本命について考える。
本命。エンジニア向けの大規模イベント。
このイベントで必要な「仕掛け」は、佐藤が加したことで順調に開発が進んでいる。
イベント開催參加者の募集については昨日の時點で進捗率が約2%。とても低いが、日次増加數を平化すれば上昇傾向にあることが分かる。
そしてイベント參加を約と考えるならば、約率は良い口コミが得られる度に上昇している。
計算する。
現狀を維持した場合には――
「ごめん佐藤さん、集中できない」
「えー、見てるだけだよー?」
思考中斷。
鈴木はソファの背もたれに頭を乗せる。
「今日はどうしてスーツ?」
目だけかして隣に座る佐藤を見る。
非常に珍しいことに、どこに出しても恥ずかしくない格好をしている。
「ケンちゃんアニメとか全然観ないタイプか」
「そうだね。映畫くらいかな?」
鈴木はお茶を手に佐藤を見る。
「まさかとは思うけど、それもアニメなの?」
「そだよー」
へー、と言いながらお茶を飲む鈴木。
佐藤は特にふざけたりせず、ニコニコ鈴木を見る。
「……なに?」
「なにが?」
「さっきから見てるから。何かついてる?」
「べつに。なんか落ち著くなーって」
目を逸らす鈴木。
平然とした表の彼、実は心ドッキドキ。
……ほんと彼は、なにかと距離が近い。
特別な意図が無いことは分かっている。
例えば接客。佐藤は男問わず近距離タイプ。他人のパーソナルスペースにグイグイり込む。
しかし、全く不快を覚えさせない。
それは稀有な才能。一種のカリスマだった。
とても無邪気で、裏表が無い。常識が欠けているように見えて、きちんと相手を見ている。
その面は、まさに鈴木が理想とするものだった。
外見については、コスプレを無視すれば良くも悪くも普通で、何か特別な魅力があるわけではない。
しかし、その笑顔を見ていると心が軽くなる。
……このは、なんなのだろう。
尊敬や憧れ。あるいは羨。
近しいは浮かぶけれど、ピタリと嵌まらない。
ただ、心地良い。
こんな時間が長く続けば良い。
そう思った直後だった。
――インターフォンが鳴る。
來客。
ドアを開けた先にはスーツ姿の男。
彼は挨拶と同時に一禮すると、名刺を差し出しながら言った。
「わたくし、オン転職の柳と申します」
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