《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》歴戦の戦士

勇者。

それは世界に數人だけ存在する、実に名譽ある稱號だ。

莫大な資金を國から提供される代わりに、《魔王》なる存在を倒すため、日々努力することを求められる。自己の鍛錬はもちろんのこと、みずから討伐しに出向くことも重要だ。

この點が、冒険者と違うところだな。

――勇者は、魔王を倒すために行をする。

――冒険者は、その実力に応じて、民間人を助けるための依頼をける。

見ての通り、危険度としては勇者のほうが格段に高く――もちろん、誰にでもなれるわけではない。

現役の勇者と戦い、そして認められた場合にのみ……その稱號が授けられる。

もちろん勝つ必要はないが、世界最高峰と言われる勇者に認められるのは並大抵のことではなく――今年だけでも數百人の志願者が、自信を折られて帰っていくらしい。

「……以上が、《勇者》に関する簡単な概要じゃ」

レベルオン王城。

その謁見の間にて、俺は跪(ひざまず)きながら、國王の話を聞いていた。

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俺の両端にはもちろん、ルリスとエリがいる。

「しかし……ルリスよ。本當にいいのかの? この者に試験をけさせて……」

「はい。問題ありません」

「そうか……。う~む、しかしなぁ……」

國王が疑わしそうな視線を俺に向けた。

「申し訳ないが、おぬしからは強者の覇気のをじられぬ。失禮ながら、剣か魔法の心得はあるのかの?」

「いえ……ありません……」

「スキル名は?」

「…………全自、レベルアップです……」

「ふむ……聞いたことないな」

國王はさらに怪訝そうに呟くと、自の隣に控えていた強面の男に話しかけた。

「なあ。おぬしから見て、あやつをどう思う?」

「……申し訳ないですが、問題外ですな」

うはぁ。すごい威圧のある聲だなぁ。

歳も40歳ほどで、にまとっている防が見るからに使い込まれている。しかも頬に深い切り傷があるあたり、まさに歴戦の戦士ってじだな。

のこなし、視線の配り方に至るまで……完全に素人です。持っているスキルも聞いたことがなく……外れスキルと判斷するのが妥當でしょう」

そこまで言って、男は俺と視線を合わせた。

「申し訳ないな。私も勇者の一員として、簡単に認めることはできぬ。悪意があるわけではないので……許してくれまいか」

「いえ……大丈夫です」

まあ、実戦経験がないのは事実だしな。

それをピタリ言い當ててきたことからも、この男、相當に見る目があるのだろう。

「お言葉ですが、お父様」

ふいにルリスが會話に割り込んだ。

「このアルバートは、フェミア街に現れたデスワームのみならず、道中に現れたブラックタイガーをも倒しました。それも今日一日でです」

「な、なんですと……!?」

勇者の男がぎょっとしたように目を見開いた。

「それが事実であればたしかに素晴らしいですが……しかし王殿下。こと戦闘においては、イレギュラーな事態は常に起こりえるもの。まわりの協力者の力を得れば、不可能なことではありません」

「……いいえ、それについては私から否定させていただきましょう」

そう言ったのは、Sランク冒険者のエリだった。

「アルバートさんは、死にかけていた私を決死の覚悟で助けてくれました。しかも私たちのために、エリクサーを何本も差し出してくれましたし――そのあとはほぼお一人で、ブラックタイガーを倒されていました」

「な……ブラックタイガーをひとりで……!?」

男がまたしても目を見開いた。

「ふむ……正直疑わしいが……。そなたはSランク冒険者のエリ・ファーラスだな。噂はかねがね聞いている。まさに剣聖と呼ぶにふさわしい、突出した力を持っているようだな?」

「ふふ……お褒めにあずかり栄です♪」

「そなたがそこまで言うのであれば……この私も、無礙にするわけにはいかぬ……か」

男はこくりと頷くと、再び國王に目を移した。

「陛下。この者との試験をさせていただきたく思います。ご許可を」

「そ、それは構わんが……。きちんと手は抜くのだぞ? いくら剣を用いるからといって、試験で死者が出ては困るからな」

「ええ……。もちろん、存じておりますとも」

男はゆっくりと頷くと、最後に俺を見つめていった。

「ではアルバート・ヴァレスタインよ。こちらに來るがいい。私との戦いで、10秒でも持てば合格になる。せいぜい、大怪我せぬようにな」

「は、はい……!」

ひぇえ。

怖いな。

志願者をものの數秒で斬り伏せていった、まさに伝説級の勇者がいると聞いたことがあるが――

運の悪いことに、その勇者と戦うことになってしまったようだ。

「ふう……仕方ない。やるか……!」

勇者になれば、多くのお金が手にる。

そうすれば両親を助けることができるし、ゆくゆくはフェミア街のみんなを助けられるかもしれない。

そのためにも――この戦い、手を抜くことはできないな。

絶対に。

俺は決意を固めると、大きく深呼吸をし、男の後ろについていくのだった。

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