《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》俺の手柄じゃないのか?

一方その頃――

「は、はっはー! たいしたことねぇな、こいつら!!」

ユーマオスの息子、レオン・レクドリアは、奇聲を発しながらウルフやゴブリンを蹴散らしていた。

《全魔法の使用可》を使えるレオンにとって、この魔たちはたいした敵ではない。

雷屬の上級魔法によって、魔たちを麻痺させ。

そして火屬の魔法によって、けない魔たちにトドメをさす。

そんな多彩な立ち回りができるのも、レオンの強みだった。

だが――

「はぁ……はぁ……。やったぜ……!」

両膝に手をあてながら、レオンは荒々しい呼吸を繰り返す。

勝つには勝てたが、本音を言えば――疲れてしまった。

倒しても倒しても、魔たちはずっと立ち上がってくるわけだからな。でっぷり太ったレオンにとって、長期戦は大の苦手だった。

……まあ、結果的に勝てたからいいわけだが。

「は、はは……! さすがはレオン様、お見事!」

「お、王國一の強さでございます!」

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護衛の剣士たちも、やや疲れた表でレオンに聲援を送る。

二人ともそれなりの実力者で、ゴブリンごときには苦戦しないはずなんだがな。やはり妙だが――まあ、やはり結果的に勝てたんだから問題ない。

「へっ……。これは俺の手柄だよな? 俺の」

「はい! それはもちろんレオン様の功績でございます!!」

「《勇者》アルバートの存在など、もはや霞むレベルの功績ですよ!!」

「へ……へへへ……。そうだよな。わかってんじゃねえか、おまえら」

――アルバート・ヴァレスタイン。

クソムカつく領民のくせして、《勇者》なんぞにり上がったゴミクズ野郎。

あいつの故郷ではアルバートを賞賛する聲がちらほら上がってきているらしく、レオンとしても腹が立って仕方のないことだった。

だからこうして、証明する必要があったのだ。

アルバートですら倒せない魔を、自分が倒してみせたと――

「へ……へへへへ……」

ああ……いまから楽しみだ。

自分の信用が失墜したとき、アルバートはどんな表を浮かべるだろう。ウルフやゴブリンも倒せない最弱勇者……そんなふうに罵倒されればなお最高だ。

「レオン様! ご無事ですか!?」

と。

気づけば二十人もの剣士たちが、こちらに向けて走り寄ってきていた。

あれは……冒険者か。

ずいぶん時間がかかった気がするが、やっと騒ぎを聞きつけてきたようだな。

「なんだ、おまえら。いまさら來たのかよ」

「も、申し訳ございません。別の地域でも魔が暴れていまして。……この魔たちは、レオン様が?」

「はっ! 當たり前だろ!! これ全部、俺の手柄だぜ!」

そう言いながら、レオンが手差しする先には――最弱の魔たるゴブリンとウルフの死骸。冒険者でなくとも倒せる、弱い魔の群れだった。

「は、はぁ……」

《闇のオーラ》の事を知らない冒険者たちに、レオンの頑張りが正しく伝わるわけもなく。

「レオン様……。ずいぶんお疲れのようですが、大丈夫ですか?」

「ああ! だいぶ疲れちまったが、なんとか倒せたぜ! これも俺が最強スキルを持つゆえだな! はっはっはっは!!!」

「はぁ……。さ、最強スキルですね……」

得意気に笑うレオンに対して、冒険者は全員、引き気味だ。

まあ、それも當然といえば當然。

ゴブリンもウルフも、冒険者であれば誰でも倒せるレベルの魔。そいつを倒したと自慢気に言われても……反応に困るのが正直なところだった。

「そ、そうだ!」

そこで思い出したように、冒険者が周囲を見渡す。

「ここらに勇者アルバート殿はいらっしゃいませんか!? なにやら《魔大量発生》の首謀者らしき犯人を見つけたとのことで……!!」

「は、はぁっ……!?」

そこで思いっきり目を見開くレオン。

「あ、あいつが事件の首謀者を見つけただって!? なんだよそれ、聞いてねえぞ!!」

ここでレオンが頑張っている間に、あいつはそんな手柄を獲得したというのか……!

「は、はぁ……。そうですか」

さも期待外れのような表を浮かべる冒険者。

――なんだ。

――どうなってるんだ。

頑張っているのは俺のほうなのに、どうしてこいつらは俺を白い目で見つめてくるんだ……!

と、その瞬間だった。

「あ! 皆さん、ここです! ここ!」

忘れるはずもない、無駄に爽やかな聲が響きわたる。

――アルバート・ヴァレスタイン。

最近《勇者》になったばかりの、レオンにとって天敵ともいえる男だった。

「事件の犯人たちを捕まえました! 他にも怪しい連中がいますので、制圧を手伝ってください!」

そう言うアルバート本人も、ひとりの男を背負っているようだった。

――おそらく、そいつが事件の首謀者ということだろう。

そしてその男の顔を確認したとき、レオンは目玉が飛び出すほどに驚愕するのだった。

「ち、父上っ…………!?」

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