《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》こんな俺でも、役に立てることがあるのなら

「よっ……と!」

小さなかけ聲とともに、俺は思いっきりベッドにダイブする。

ふと壁面の時計を見上げれば、もう夜中の三時を過ぎていた。

――疲れた。さすがに疲れた。

部屋があまりに豪勢すぎて、さっきはうまく寢付けなかったが……さすがにいまは別。ベッドにを放り出した瞬間、どっと眠気が襲いかかってきた。

々あったな……マジで……」

知らず知らずのうちにそう呟いてしまう。

俺が勇者の仲間りを果たしたと思ったら、今度はユーマオスの不祥事が発覚するわけだからな。いろんなことが立て続いている気がする。

「だが……これで。フェミア街の暮らしも、しは楽になるはず……」

父さん。母さん。ユリシア。

みんなが、もっと良い暮らしを送れますように。

そんな思考を巡らせているうちに、俺の意識は徐々に遠のいていった。

その夢のなかでは、フェミア街全に活気が溢れ返っていた。

父も。母も。もちろんユリシアも。

レクドリア家の圧政に怯えることなく、のびのびと暮らしていた。

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その幸せそうなのなかで、俺は……

翌日。

深い眠りから目を覚ました俺の目前に……ルリスがいた。

しかも薄い部屋著をまとったまま、ぐっすり眠っているではないか。

「…………」

俺は數秒間、思考停止に陥り。

「……は?」

思わず、そんな素っ頓狂な聲を発した。

「い、いやいやいや。待て待て待て」

昨晩、いったいなにがあった?

俺はすぐに眠りについたはずだし、そもそもこの部屋には俺しかいなかったと記憶している。どう転んでも間違い(・・・)が起こるわけがないのだが、しかし、この狀況は……!!

「あ……アルバート? おはよ~」

対するルリスのほうは、呑気に寢ぼけ眼(まなこ)をこすっている。

たったそれだけで、薄い著がゆさっとき。俺としては、目線の向け場にどうしても困ってしまう。

「あれ? どうしたの? そんなに目をパクパクさせちゃって」

「な……な……」

そして朝っぱらから、意図せず大聲を出してしまった。

「なにやっとるんだ、おまえは‼」

事の経緯はこういうことらしい。

昨夜、俺たちが解散した後、ルリスがめちゃくちゃ寂しくなり。

連戦で疲れていたのか、俺が部屋の鍵を忘れていたらしく。

しめしめとばかりに、ルリスは俺の隣で眠ることにしたと。

「とまあ、こういう経緯だね♡」

「いやいやいや……」

橫たわったまま悪びれもなく笑うルリスに……俺は思わず呆れてしまう。

ここは紛うことなきレベルオン王國の王城。

王族をはじめとして、分の高い人々が集まる場所だ。

そんなところで王が男と同じ部屋で過ごす……仮に誤解でもされたら大慘事になると思うんだが。

そう問いかけても、

「いいんじゃない? 誤解されても」

と言うんだから始末に負えない。

しかも、冗談でもネタでもなく、本気で言っているようだしな。

たしかにレクドリア家が失腳しかけているいま、レオンとの婚約は明らかに絶的。その意味では問題ないのかもしれないな。

それに……

――違うわよ。設定なんて関係ない――

――正真正銘、私はあなたのことが好き。だから戻ってきてほしい。……ただ、それだけなの……――

昨日ルリスに投げかけられた言葉が、いまでも克明に思い起こされる。

あれはたぶん……告白ってことでいいんだよな?

経験に疎い俺でも、さすがにあれくらいはわかる。あのときのルリスは演技でもなんでもなく、本気であったと。

「アルバート……。昨日のこと、気にしてる?」

「……え?」

切なげな瞳で俺の手を握ってくるのは、俺たちが《仮初の人》だからか。

もしくは……

「ふふ、ごめんね。困らせちゃった?」

ルリスは名殘惜しそうに俺から手を離すと、くいっと上半を起こしながら言った。

「わかってる。いまはそんなこと話してる場合じゃない。ユーマオスが拘束されたことで、王國は大きくくと思う」

「ルリス……」

そう。そうなのだ。

ユーマオスは侯爵家というだけあって、おさめていた領地も広大そのもの。フェミア街はもちろんのこと、他にも大勢の人々に影響が及ぼされるのは想像に難くない。

その絡みで、々と仕事が押し寄せてくる可能もある。

「それだけじゃないわ。一般市民には知らされてないけれど、フェミア街って歴史的にも重要な場所でね。きっと、魔王に関する大切な報も出てくると思う」

「ま、魔王の……!?」

思わず目を見開いてしまう俺。

そこまで話が飛躍するとは……さすがに予想外すぎるんだが。

とはいえ、ルリスもエリも、昔からレクドリア家のことを探っていたようだしな。もしかしたら……それもなにかしら関係があるのか。

「うん。今日の正午あたりから、昨日のメンバーと國王様(おとうさま)をいれて、急會議を開きたいと思う。王國の命運を左右するなにかが……起こるかもしれないから」

「王國の命運を左右するなにか……」

なんだ。おそろしく話が壯大だな。

つい最近まで貧乏暮らしをしていた俺にとっては、まるで現実のない話ではあるが――

「わかった。俺で役立てることがあるのなら……もちろん、力になろう」

ルリスの真っすぐな瞳を、俺もまっすぐけ止めるのだった。

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敏捷度9999999999の俺にとっては、の速度さえウスノロに見える。~貴族家を追放されたけど、外れスキルが化けすぎたので、俺は馴染の王と新生活を送ります。おや、いつのまにか実家が滅亡してる

ぜひご確認していただけると嬉しいです!

また本作【全自レベルアップ】については、書籍化とコミカライズも決定しています!

詳細は追ってご報告しますので、何卒よろしくお願い致します!

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