《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》今すぐこの家から出て行ってください
「さっき父さんが『加護なし役立たずのくせにどの面を下げてこの家に戻ってきた』と言いましたが、僕は加護無しではないです。なぜそんな判斷が下されたのか、兄さんなら理由を知っています。ね、兄さん」
「な、なんのことだ」
「神をお金で買収して、偽の鑑定結果を伝えさせたんですよね。僕を崖に突き落とすときに、自分で言っていたじゃないですか」
「な、なんだ。俺を嵌めようとして作り話を考えてきたのか。父さん、こいつは役立たずな上、ひどい噓つきですよ! 追放されたくないからって、俺を悪者に仕立て上げるとは、最低なやつだな!」
兄は開き直った態度でしらばっくれたうえ、僕のことを責めてきた。
『グルルルルル……』
「ん? フェン? どうした?」
『主を侮辱するとは許せぬ……! この馬鹿を嚙み殺していいか?』
今にも飛びかかりそうな勢いでフェンが尋ねてくる。
逆立っているフェンのをでながら、落ち著かせた。
「ありがとう、フェン。でも、これは僕自で始末をつけたい」
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『承知した』
フェンが警戒心を解かぬまま、僕の隣にお座りする。
フェンの言葉が理解できない兄は、一人で喋っている僕を見て、うすら笑いを浮かべた。
「見てください、父さん。どうやらディオのやつ、頭がおかしくなってしまったらしい! 追放されたことがよっぽどショックだったんでしょう。こんな奴と俺のどちらを信じるか、考えるまでもないですよね! そもそも、こいつの加護が覚醒していないのが、こいつが噓をついているという何よりの証拠に――」
「魔法、発」
兄の顔の真橫すれすれを狙って、眩い線を放つ。
「へ……?」
何度か瞬きを繰り返した兄が、ゆっくりと背後を振り返る。
壁際に建っていた彫像が木っ端みじんに壊れているのを見た兄は、ごくりとを鳴らした。
「あと5ミリずれていたら、兄さんがああなっていましたね」
「……な……ななな……っ」
「加護はこのとおり使えるようになりました。兄さんが奈落の底に突き落としてくれたおかげで、命の危険に曬されて、加護が覚醒したんです」
「……そんなまさか……。い、いや、百歩譲って加護を使えるようになったとしても、それはあの神が鑑定に失敗したというだけの話……!! 俺が買収したなんても葉もない作り話だ!!」
「あなたと組んだ神はすべてを認めましたよ。その結果、神長から神殿を出て行くよう命じられていましたけど、まだ荷をまとめている最中でしょう。呼んできますか?」
「……っ」
「な、なんと……。ディオ、おまえ、魔法を使える加護持ちだったのか!?」
まだ放心狀態の兄を押しのけて、父が僕に近づいてくる。
「でかした! でかしたぞ!!!」
うれしそうに肩を叩いてくる。
その手を摑んで、靜かにどけると、父の表がわずかに強張った。
気まずさをごまかすように父は咳払いをして、兄を振り返った。
「チャーリー、自分がなんてことをしでかしたのか理解しているのか!? 無能の役立たずはおまえのほうではないか!! 挙句の果てに神を買収するとは……! 家名に傷をつけおって!!」
兄はさすがにこれ以上言い逃れができないと思ったらしい。
「……くそっ。しかしあの程度の魔法だったら、俺の火魔法のほうが強いはず……! 父さん、どちらが跡取りにふさわしいかこれで比べてくださいよ!」
兄が詠唱をはじめたのを見て、父が目を見開く。
「馬鹿、おまえ、屋敷の中で何を――!?」
焦る父の聲を完全に無視して、兄は詠唱を続けた。
「ディオおおおお!!! おまえより長男の俺のほうが優秀に決まってるんだ!! これでもくらええええええええ!!!!!」
絶しながら、兄が火魔法を放つ。
やれやれ。
「哀れだな、兄さん」
僕は片手を掲げ、水魔法を発させた。
力の差は歴然だ。
兄の渾の火魔法は、僕が軽々と放った水魔法に飲み込まれ、一瞬で消滅した。
反で吹っ飛ばされた兄が壁に激突し倒れ込む。
兄は無様に転がったまま、痛みできながら視線を上げた。
「……なんでおまえ……おまえは魔法使いなんじゃ……」
「魔法しか使えないって誰がいいました?」
「……そ、そんな……お前ごときが二魔法の使い手だっていうのか……!?」
二魔法どころか、現段階でも百以上の魔法を使えるんだけど。
わざわざ兄に説明してやる必要はない。
「僕が加護無しでないことも実証できましたが、まだ自分のほうが正しいと主張されますか? 兄さんがもっと戦いたいというのなら、しっかり決著をつけるんでも構いませんが」
「ひっ……! わかった!! 俺が悪かった!! おまえを嵌めたことは認めるから、勘弁してくれ……!!!!!」
「そうですか。じゃあ、今すぐこの家から出て行ってください」
「なっ!?!!! 家を追い出されて生きていけるわけがない……!! お前を殺そうとしたことは謝るから許してくれっっっ!!!」
「風魔法で家の外まで吹き飛ばされるのと、自分の意志で荷をまとめて出て行くのどっちがいいですか?」
「どっちも最悪じゃないかああああああ!」
兄が床に頽れて泣き出したとき――。
――パン、パン、パン。
わざとらしい拍手の音を聞いて振り返ると、父が満面の笑みを浮かべていた。
「ふははは! ディオ、よくやった!! 二種類もの魔法を使えるとは! これで文句なくおまえを嫡男にしてやれる! ――何をしているチャーリー。目障りだ。ディオに言われたとおりさっさとこの家から出て行け!」
「出て行くのはあなたもですよ、父さん」
「はへ?」
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