《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》フェンリルは人に懐かない魔だったらしい
僕とフェンは、徒歩で二日ほどかけ、港灣都市ギャレットまでやってきた。
ちなみに所持金がほとんどないため、道中は野宿をし、空腹は木の実や果で凌いだ。
フェンが狩りをしてこようか聞いてくれたけれど、僕はまだ調理道を何も持っていないので、おや魚を食べることはできなかったのだ。
この先冒険者としてやっていくなら、調理と料理の知識は必要になってくるなあ。
ギルドに登録できて、仕事がもらえるようになったら、稼いだお金でまずは日用雑貨をそろえよう。
お金を稼ぐにしたって、ギルドでの登録が必要だ。
とにもかくにも、まずは冒険者ギルドへ向かおうと思う。
街の口にあった案板によると、冒険者ギルドは中心部を通っている大通りに面しているらしい。
大通りは簡単に見つかったので、僕は冒険者ギルドの看板を探しつつ進んでいった。
それにしても、易が盛んな港町だけあって、すごく賑やかだ。
ギャレットは、この地域で一番大きな港町で、各ギルドの支部がある。
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だから、商人だけではなく、僕のように魔を連れている冒険者の姿も結構見うけられた。
……そのわりに、変だな。
魔を連れた冒険者の姿なんて珍しくないのに、なぜか僕とフェンだけが二度見をされたりして、やたらと視線をじるのだ。
どうなってるんだろう?
こちらを凝視した挙句、首を傾げながらひそひそと話している聲を聞くため、耳を澄ましてみる。
「やっぱりどう考えても、あれはワーウルフじゃない。あのしい並みを見ろよ」
「……たしかに、あの沢を帯びた並みってフェンリル……いやいや、まさか……伝説に近い生きだぞ……。だいたいあんなふうに人間に寄り添っているわけがない」
「だよな……。フェンリルが人間に従うなんて聞いたことない。でも、じゃああれは一なんなんだ……?」
そんなことを言っている。
「……ねえ、フェン。フェンリルが人と一緒に行するのってそんなに珍しいの?」
僕だってもちろん今まで一度もフェンリルを見たことはない。
でもそれは田舎者だからで、様々な冒険者の行き來する都會にくれば、フェンリルを連れた魔使いとも普通に遭遇するものと思っていたのだ。
『出會ったときに話したであろう。我らは誇り高き孤高の種族。格下の人間などに従ったりしない』
「でも、フェンは僕の仲間になってくれたよね?」
『主は格下などではない。母と我が認めた唯一の人間だ。主には、他の人間とは比べにならない力が宿っていると我にはわかる。千年に一度現れるか現れないかという逸材であろう』
「はは……。千年って、それはどう考えても言い過ぎだよ」
人の視線に曬されながらそんな話をしているうちに、僕たちは冒険者ギルドに到著した。
ギルドの扉を潛った途端、広いホールにざわめきが起こった。
ここにいる冒険者たちは、一般人に比べて魔に詳しいからか、先ほどまでとは比べにならないほど注目を集めているようだ。
「うそ……。あの子が連れているのって、もしかしてフェンリル……!?」
「まじかよ……!? 初めて見るぜ!?」
「あの見た目の特徴、確実にフェンリルだろうけど、こんなことってあるか……!?」
「なんで人に従わないフェンリルを同行できてるんだよ!? しかもあんなひょろっちいガキが」
「ていうかフェンリルって危険度SS級の魔だろ……」
「あんなの野放しにしてていいのかよ!?」
フェンは狂暴なんかじゃないと示したくて、冒険者たちのほうに向かいペコッと頭を下げてみる。
しかし返ってきたのは、疑わし気な眼差しだった。
ちょっと気まずいな……。
僕は急ぎ気味にギルドの窓口カウンターへと向かった。
付擔當の職員たちはとても忙しそうにしており、様々な冒険者が窓口で手続きを行っていた。
運よく端の席が空いたので、そこへ向かい聲をかけた。
「すみません、職業登録がしたいんですが」
付嬢の若いの子は、ぴょんぴょん跳ねたポニーテールがよく似合う明るいの子だった。
「はいはい、こんにちはー! 本日擔當させていただきますマーガレットです! さてさて今日はどのようなご用件で――ん? んんんっ!? そ、その子はまさかーっ!?」
カウンターに手をついて、マーガレットがを乗り出してくる。
「フェンリルですか!?!! しかも子供!?」
「はい、わけあって一緒に行することになったんです」
「ひえええええ、すごいです……!!! フェンリルなんて初めて見ましたよおお。ていうかフェンリルが人間に懐くなんて……!!」
いろんな人がこういう反応をするってことは、フェンがいうとおりフェンリルが人間といることは本當にレアなんだな。
「それでこの子と仲間になったので、同行する許可証がほしいんです。魔使いになれば発行してもらえるって聞いてきたんですが、どうやったら魔使いとして職業登録できるか教えてもらえますか?」
「あ、はい、えっと――」
ところがそのとき――。
「待て。そんな危険な魔を登録させるなんて、見過ごせないな」
僕たちの向を眺めていた冒険者たちが、ぞろぞろと集まってくる。
僕とフェンはあっという間に取り囲まれてしまった。
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