《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》模擬試験~魔使い編~

マーガレットに案され、冒険者ギルドの奧にある試験會場へ移する。

試験會場は、まるで闘技場のような場所だった。

「すぐに試験がいらっしゃるので、ここで待っていてください。試験がんばってくださいね!」

笑顔でガッツポーズを作ってから、マーガレットは試験會場の外に出て行った。

「明るくていい子だね」

『うむ。番にするか?』

「つがっ!? げほげほっ」

フェンのとんでもない発言に咽てしまう。

『主、どうした? 大丈夫か?』

「大丈夫、でもフェンが驚かせるから……!」

フェンはきょとんとした顔で瞬きを繰り返した。

『驚く? 気にいった雌が現れたら番にするものではないのか?』

「こらこら、雌って言い方もだめだ……!!」

顔が熱くて仕方ない。

マーガレットが出て行ったあとでよかった。

こんな真っ赤な顔を見られるなんて恥ずかしすぎる。

パタパタと手で頬のあたりを仰ぎながら、視線を上げると――。

「や、やあ。なんかすごい獨り言を言ってたね?」

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気まずそうな笑顔を浮かべた男の姿があった。

多分この人が試験だろう。

し、死にたい……!!!!

「あの獨り言ではなく、この子と習の違いについて話していたというか……!!」

試験はにこにこしたまま、首を傾げた。

絶対にへんな奴だと思われている。

「すみません……。変な話を聞かせてしまって……」

「あはは、面白かったよ。試験をける前はみんな張でカチコチになるもんなんだけど、君はずいぶんとリラックスしてるようだね。ギルドマスターと付嬢が君のことを絶賛していたのも納得だ」

試験は、自ら手を差し出し、握手を求めてきた。

慌ててその手を握り返す。

「君はディオ君だね。僕は魔使い擔當の試験ジェレマイアです」

「よろしくお願いします」

ジェレマイア試験はひょろっとした背の高い男で、肩に黒の蝶を乗せている。

おそらくあの蝶が彼の魔だろう。

「それじゃあさっそく、今日の試験について説明させてもらうね」

「はい」

ジェレマイア試験は優しそうな人で、試験の流れを教えてくれている間も笑顔を絶やさなかった。

試験は、以下のような點をチェックされるのだという。

と意思疎通がはかれているか。

どんなときでも魔を従わせることができるか。

に命じて求められるレベルの攻撃をしかけることができるか。

それらの能力を見て、総合的なレベルを判斷されるらしい。

「あれこれ言ったけど、試験容は単純だ。僕の魔である幻蝶がこれからゴーレムを作り出す。そのゴーレムを相手に子フェンリルと協力して戦ってくれればいいだけだ」

僕とフェンはお互いの顔を見て、頷き合った。

「心の準備はできているみたいだね。それじゃあさっそく試験をはじめるよ!」

ジェレマイア試験が合図を出して命じると、彼の肩から蝶が飛び立った。

蝶が羽を羽ばたかせると黒のキラキラした粒子が舞った。

粒子は徐々に巨大な生きの形を形しはじめ、しばらくすると完璧なゴーレムが姿を現した。

このゴーレムが幻で作り出されたものだなんて信じられない。

ゴーレムは雄たけびを上げると、いきなり襲い掛かってきた。

僕とフェンを潰そうとして、太い腕を振り下ろしてくる。

僕はフェンとともに、床を転がって攻撃をかわした。

ゴーレムが毆りつけた地面は陥沒している。

めちゃくちゃな力だ。

あんなものを食らったらひとたまりもないだろう。

とはいえ、僕は奈落の底でもっと巨大な魔と散々戦ってきた。

を相手にする時は、この方法に限る。

「フェン、おいで!」

両手を広げて呼びかけると、フェンが僕のの中に飛び込んできた。

「飛翔魔法、発

フェンを抱っこしたまま、天井近くまで飛び上がり、そのまま浮遊する。

『グオオオオオオオオオオッッッ』

吠え聲をあげたゴーレムは、上空に向かって、屆かない手をぶんぶんと振り回している。

さてと。

どう戦おうか。

ゴーレムとは【奈落の谷】で遭遇していないから、生に関する報はない。

この試験は、魔と共闘できるかを見るものだと言っていたから、僕が加護を使って吸収しちゃったら意味がないし。

空中にぷかぷか浮かびながら眺めていると、腕の中にいるフェンがこちらを振り返ってきた。

『主、噛み殺してしまっていいか?』

「ん? 相手は全巖でできた魔だけど、歯が折れたりしない? フェンリルも攻撃魔法を使えるよね? それで倒すでもいいんだよ?」

『問題ない。歯が生え変わる時期なのか、歯がいからを噛みたいのだ』

なるほど。

だからフェンは口癖のように噛み殺していいか尋ねてくるのか。

今までは相手が人間だったから止めてきたけど、ゴーレムなら問題ないだろう。

「わかった。それじゃあ気が済むまで噛んでおいで」

『がぉぉーっっ!!!』

かわいらしい雄たけびをあげて、フェンが僕の上から飛び降りる。

ゴーレムの首に食らいつくフェン。

ゴーレムはフェンを摑み首から放そうとするけれどフェンは食らいついて放さない。

――ゴリゴリゴリゴリッ。

えっ。

まさか、この音って……。

ゴーレムの太い首に亀裂が走っていく。

そして――。

――バキッ。

あ!?

ぐらっと傾いたゴーレムの頭が、首を離れて落下する。

重い音を立てて地面にぶつかると、ゴーレムの頭は々に砕け散った。

頭部を失ったも同じように、側から発してバラバラに吹っ飛んでしまった。

「フェン、すごいね!? あのゴーレムをかみ砕いちゃうなんて……!」

噛み心地が良かったのか、フェンは満足そうな顔で尾を振りながら僕のもとへ駆け寄ってきた。

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