《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》従わないならこうなるよ?

宿に到著すると、ジェレマイア試験の紹介だからと言って、店主がごちそうの大盤振る舞いでもてなしてくれた。

テーブルの上には、鶏の丸焼きや塊のベーコンなど食うものが山ほど並んでいる。

「さあ、好きなだけ食べてください」

「ありがとうございます。でも、こんなにしてもらっていいんですか?」

「なんてったってあなた方は特別なお客様だ。ジェレマイア試験にしっかりおもてなしするよう言われてますからね! どうぞどうぞご遠慮なく!」

一介の冒険者志が【特別なお客様】なわけもないので、それだけジェレマイア試験の影響力が強いということだろう。

ふと隣を見ると、フェンが料理を見つめながらそわそわしている。

今にもよだれが垂れそうだ。

僕は苦笑して、フェンを促した。

「すみません。それではいただかせてもらいます」

僕たちが席に著くと、宿の店主は「ごゆっくり!」と言って、部屋を出ていった。

「いただきます」

まずはフェンの分を皿に取り分けてあげた。

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すぐに食べていいのに、フェンは僕の許可が下りるまで、手を付けずにじっと待っている。

「フェン、どうぞ。戦って疲れただろうから、おなかいっぱい食べてね」

『ありがたく頂戴する……!』

フェンは待ってましたといわんばかりに、目の前のにむしゃぶりついた。

『むううう……うまうまうまうま……!!』

したのかおいしくって尾をプンプン振っている。

その景がかわいすぎて、僕は思わず笑ってしまった。

フェンが喜んでくれてよかった。

よし、僕も食べよう。

大きめに切ったベーコンを、フォークにさして口へと運ぶ。

ここ數日、まともな食事を摂っていなかったので、おなかがぐうっと鳴った。

「あむっ」

ひと噛みすると、じゅわっとあふれる

うん! おいしい!

『うまうまだな、主』

「ふふ、そうだね、フェン。おいしいね」

笑顔で目を合わせた僕たちは、久々の料理を目いっぱい堪能した。

◇◇◇

そして、食後――。

おなか一杯食べて、風呂で汚れを落としたら、急激な眠気がやってきた。

々なことがあったから、ちょっと疲れたのかも……。

僕がベッドにると、フェンはその足元でぐるぐると回りはじめた。

しっくりくるポジションがあったのか、ドカッと座ってふうっとため息を吐く。

フェンはかわいいなぁ。

微笑みながら目を閉じると、すぐに睡魔がやってきた。

――何かが変だ。

そう思って目を覚ましたのは、おそらく眠りに落ちてすぐのことだ。

複數の人間の気配と、潛めたような息遣い。

部屋の中に、僕でもフェンでもない何者かがいる。

その事実に気づいて瞼を開けると、月明りしか頼りがない中でもわかるほど部屋中が煙っていた。

火事?

……いや、違う。

妙に甘ったるいこの煙の臭いは、が燃えるときのものとは異なる。

「ひゃはは! こーんな大の仕事が転がりこんでくるなんてついてるなあ!」

「おい、靜かにしろよ……!」

「おまえこそ。だいたいしぐらい騒いだって起きやしねえよ。フェンリルのほうは魔用またたびで酔っぱらっちまってるし、小僧は料理にたーっぷり睡眠薬を盛っておいたからな」

そんな會話が聞こえてきた。

もうし様子を伺うため、噎せかけたを締めて、無理やり息を止める。

「てかその小僧も、いつもどおり最後には殺してくんだろ? だったら睡眠薬なんかじゃなく、毒薬を盛ったほうが楽じゃねえか」

「馬鹿野郎。主人が毒殺されたりしたら、魔だって警戒するだろうが。またたびで酔わせる隙がなくなったらどうするんだ。順番が大事なんだよ、順番が」

「ははあ、なるほどなあ」

「ほら。さっさとこの魔を袋詰めにしちまうぞ」

……なるほど。

そういうことか。

ぐったりとしているフェンを袋詰めにしようとしている男たち。

こいつらこそ、ジェレマイア試験が言っていた魔を盜む竊盜団だ。

狀況が理解できたので、寢たふりを続ける必要はもうない。

「くくくっ。このフェンリルなら相當高い値がつくだろうなあ。當分遊んで暮らせるぞ」

「それは無理だよ。フェンを売らせたりしないから」

「……!?」

一斉に振り返った男たちは、ベッドの上に座っている僕を見て、目を剝いた。

「んなっ!? おまえ、なんで起きてやがる!? 睡眠薬で朝までぐっすりのはずじゃ……!?」

「殘念だったね。僕は睡眠耐を持ってるから、そういうものは一切効かないんだ」

奈落の底の魔からオマケみたいなじで手にれた睡眠耐が、こんなところで役に立つとは思っていなかったけど。

「睡眠耐だと……!? そんな馬鹿な……! さっきまで睡してたじゃねえか!?」

「それは単純に疲れて寢ちゃってただけだよ」

まあ、そんなことはどうでもいい。

「今すぐフェンを放して、両手をあげるんだ。あんたたちを魔盜難事件の犯人として、憲兵隊に引き渡させてもらう」

竊盜団の男たちは、顔を見合わせると、腹を抱えて笑い出した。

「ぶははははっ!! ガキが何言ってやがる!」

「はぁ……。口で言っているうちに大人しく従ったほうがいいと思うよ」

「ぎゃはははっ! あんまり笑わせんなって!! 従わなかったらどうなるってんだよ!?」

「こうなるんだよ」

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