《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》前代未聞、二職同時合格!
「それでは改めて――、ディオ・ブライド君。魔使いと賢者の二職同時合格おめでとうー!!!!!」
ギルドマスターが立ち上がり、木樽ジョッキをかかげる。
それを合図に、お祝いの場に集まってくれた人たちから、一斉におめでとうの聲がかけられた。
付嬢マーガレットの手配してくれた小さな酒場は今日、貸し切りになっているので、気兼ねなく騒ぐことができた。
席についているのは顔見知りの面々ばかりだ。
ギルドマスター、ルカ試験、マーガレット、アリシア、アガサばあさん、それからウォーレンさんも。
僕の右側の足元にはいつもどおりフェンが伏せをしていて、左側にはなんとキャスパリーグが座っている。
驚くべきことに、彼は僕たちの後を勝手についてきてしまったのだ。
彼曰く、とくにすることがなくなったから、飽きるまで一緒にいるらしい。
フェンは納得がいかないようで、キャスパリーグがしでも近づくと唸って威嚇するが、キャスパリーグのほうは全然気にせず、尾を優雅に振ってはフェンを挑発した。
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とくに問題を起こすわけでもないし、トーマスさんのために行していたことからも悪い魔ではないことがわかっている。
だから、とりあえず好きにさせることにした。
フェンがあんまり嫌がるのならよくないと思ったけれど、こっそり尋ねてみたところ、『すぐにどうこうしなくてもいい。だが、主に迷をかけたら、我が噛み殺してやる』という返事が戻ってきたのだった。
そんなことを考えながらキャスパリーグを眺めていると、正面の席に座っているギルドマスターから聲をかけられた。
「今回の任務報告の最中、SSランクのキャスパリーグが現れたと聞いた時には、嫌な汗をかいたものだが……。さすが、ディオ君だ。キャスパリーグまですっかり手懐けてしまっているようだな」
キャスパリーグは自分の意志でついてきただけなので、手懐けたというのは語弊がある。
そう伝えたら、何を言ってるんだという顔をされた。
「キャスパリーグはSSランクの魔の中でも、とくに狡猾で獰猛だと知られている。それが見てくれ。君の隣ではおすまし顔で座っているんだぞ!?」
「狡猾で獰猛……。そこは個差がかなりあるんじゃないでしょうか? 彼は僕が會ったときから、優しさを持った子でしたし」
もともとそういう格だったのか、トーマスさんとの関係の中で培われたものかはわかりませんが、なくとも僕の功績ではない。
ね? という意味を込めて、キャスパリーグを再び見ると、なぜか彼はその澄んだ目で僕をまじまじと見つめていた。
『……別に優しくないにゃ』
「ん? そんなことないよ」
『優しく見せて取りってやろうっていう魂膽かもしれないにゃ』
僕は笑ってしまった。
「もしそう思ってるなら、計畫を口にしちゃまずいんじゃないかな?」
『にゃ!? そ、それは……うっかりしただけかもしれないにゃ……!』
そんなうっかりしてる時點で、やっぱり狡猾さとは無縁だと思うけどなぁ。
僕がクスクス笑ったせいで、キャスパリーグはばつが悪いのか、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
フェンとはまた違った意味で、かわいらしい魔だ。
後ろからそっと手をばし、ビロードのような短をでる。
意外にもキャスパリーグは嫌がらず、ゴロゴロと小さくを鳴らした。
「やはり見事な手懐けっぷり……! しかもフェンリルに続いてSSランクの魔を二も……!!」
「ほんと、ギルドマスターの言うとおりですよ……! もういろんな方から何度も稱賛されて聞き飽きていると思いますが、本來はSSランクの魔を連れているだけでもありえないことなんですよっ!? なのに、あろうことか両手に侍らせているなんて……!!」
ギルドマスターの隣に座っているマーガレットが、テーブルにを乗り出してぶ。
「は、侍らせる……!?」
言い方……!!
僕が揺してツッコミをれると、周りからドッと笑い聲が溢れた。
「とにかく私が言いたいのはこういうことだ。ディオ君、君は私たちの期待を遙かに上回る才能を見せて合格してしまった! 本當に素晴らしい!」
「何度伝えても伝えたりません、ディオさん、合格おめでとうございます!」
ギルドマスターとマーガレットが改めてお祝いの言葉を伝えてくると、アガサばあさんとウォーレンさんがそれに続いた。
皆に褒められて気恥ずかしい。
と、そのとき、左隣に座っているルカ試験がテーブルの上に置いている僕の手のひらを指先でつんとつついてきた。
「あ、あの私からも伝えたいことが……。依頼に同行させてもらったことで、あなたのすぐれた人柄と見事な実力を目の當たりにしました。しかし、今の時點でわかっている実力以上に、あなたにはまだ眠っている多大な才能があることを確信しています。あなたならこの先何があっても、道を切り開いていけるでしょう。私はそんなあなたをサポートしたいと思っています。困ったことがあったら、頼ってきてください。あなたは私が初めて選んだ合格者。永遠に特別な存在です……」
ルカ試験がこんなに饒舌に話すなんて珍しい。
……もしかして……。
「練習して暗記してきました……?」
「……! なぜわかりました……?」
この人のこういうところ本當にかわいいなと思って、僕は笑ってしまった。
ルカ試験は真っ赤な顔で恥ずかしそうにしている。
その時、右隣から咳払いが聞こえてきた。
振り返るとアリシアがをぷうっと尖らせていた。
……ん!? なんで?
「君が誰からも好かれる人だってことはわかってるけど……あんまり見せつけられると妬いちゃうな。でも私だって負けてないわよ?」
「え?」
冗談、だよな?
「それはおいといて、私からもお祝いを言わせて。ディオ、本試験の合格おめでとう! 何よりも怪我なく戻ってきてくれてホッとしたわ。遅くなっちゃったけど、おかえりなさい」
僕の右手にそっとれて、アリシアがにこっと笑う。
はからずも左手をルカ試験に、右手をアリシアに握られている狀態になってしまった。
なんだこれ……。
『主、両手に番だな』
「フェン……!!!!!」
この場にいる僕以外の人が、フェンの言葉を理解できなくて本當によかった。
『さすが我の主だ』
『あたしのご主人でもあるにゃ』
また一即発になる二匹。
「まあまあ、喧嘩はよしてよ!」
僕は苦笑しながらフェンとキャスパリーグを宥めた。
「さあ、ディオ君。明日には本部から君の冒険者ライセンスが屆く。それで正式登録の完了だ。本當におめでとうディオ君。君の新たな門出にもう一度乾杯だ!」
ギルドマスターの乾杯に合わせてみんなも一斉にグラスを掲げる。
こうして、笑い聲の絶えない夜は更けていった――。
【※作者からの大切なお願い】
これにて第一部完結です!
下にある☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて反応していただけると、とても勵みになります。
このあとも休んだりはせず、第二部に突します(๑´▿`๑)
まだまだ更新をがんばっていくので、ブクマや評価でのご支援どうぞよろしくお願いします!
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