《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》ギルドマスターの男泣き

急ぐ旅ではないということで、僕らは街道沿いの宿に泊まりつつ、徒歩で港灣都市ギャレットまで戻ってきた。

昨日も今日も天気は良好。

日が眩しくとても過ごしやすい。

ギャレットは相変わらずの賑わいぶりで、冒険者たちの騒がしい聲で溢れ返っている。

人が多いせいで、フェンとキャスパリーグを連れている僕は、何度も二度見されてしまう。

しかも今回は最初に街を訪れたときとは違い、キャスパリーグが増えているから、なおさら目立っていた。

「村での君の活躍が広まれば、今以上に注目を浴びるようになるだろうな」

どこか誇らしげに、ホランドさんが僕の肩を軽く叩いてくる。

どうやらこの仕草は彼のクセの一つのようだ。

「こんな大きな街では、田舎の村で起きたことなんて話題にも上らないんじゃないですか?」

注目されるのが苦手な僕としては、もちろんそのほうがいいに決まっている。

ところがホランドさんは何を言っているんだという顔で僕を見てきた。

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「君は単獨でSSSランクの魔を倒してしまったんだぞ!? そんな話が広まらないわけがない。とくにこの街は冒険者が多いから、その手の話には敏だ。當分は君の噂でもちきりになるだろうな」

僕がげんなりした表を浮かべると、ホランドさんは聲を上げて笑った。

「注目を集めるのは君の宿命みたいなものだ。さっさと諦めてれるんだな。――さて、まず先に冒険者ギルドに付き合ってもらってもいいか?」

「今回の依頼の報告を行うんですか?」

「それもあるが、何よりも君との約束を果たさなければならないだろう?」

約束と言われて、僕は、今回の依頼をけるにあたってホランドさんに出した換條件のことを思い出した。

◇◇◇

ギルドに到著すると、カウンターの向こうにいたマーガレットが僕らに気づいて慌てて駆け寄ってきた。

「おかえりなさい!! 依頼はどうでしたか!?」

「うん、無事に功したよ」

「わああああ! おめでとうございますうううう! さすがディオさんですねっ!! ギルドマスターも毎日すごく心配していたので、その知らせを聞いて大喜びすると思います! すぐ呼んできますね。――ギルドマスターあああ! ディオさんが戻られましたよおおおおっっ!!」

ギルドにマーガレットの聲が響き渡ると、勢いよく扉を開けてギルドマスターが駆けつけてきた。

怖いぐらい必死な顔つきで走ってくるところからも、ギルドマスターがすごく心配してくれていたことが伝わってくる。

そんなギルドマスターが口を開くより先に、僕の隣にいたホランドさんはガバッと頭を下げた。

「先日は失禮な態度を取って、申し訳なかった」

「……なっ!?」

予想外の謝罪を前に、ギルドマスターが骨にうろたえている。

ギルドマスターはずっと目上のホランドさんから謝罪され、どうしていいのかわからないようだ。

オロオロしながら僕を見てきたので、僕は頷き返した。

「道中にディオ君から、あなたについて々聞いた。早くからディオ君の実力を見抜き、特例で二職同時試験の提案をしたことや、賢者になるよう薦めたことは、本當に素晴らしい対応だったと思う。支部のギルドマスターは數いれど、そこまで的確な判斷を下せる者となると限られている。そんな相手に対して、俺の態度は明らかに敬意が足りていなかった。改めて謝罪させてほしい。侮辱するような発言と態度を取って申し訳なかった」

話を聞いているギルドマスターの目が微かに潤む。

「……すみません」

ギルドマスターが、目頭を押さえる。

「……本部の方が支部の人間を下に見るのも當然のことだと思ってきたんです。これまで何度もそういうことがありましたし……。私はいい大人です。上司であるあなた方に逆らうより、自分の地位を守るために耐えるほうが賢いことぐらいわかっています」

そうはいっても悔しかったのだろう。

ギルドマスターは一度ホランドさんにしっかり頭を下げてから、僕を見た。

「ディオ君、ありがとう……。君は私の尊厳を守ってくれた」

僕はギルドマスターに笑顔を返した。

それからホランドさんにも。

「約束を果たしてくれてありがとうございました」

ホランドさんは、眉を下げて首を橫に振った。

「ディオ君、君にも謝らなければならない。今、振り返れば、溫厚な君が謝罪を換條件に出すなんて、よっぽど頭にきていたのだろう。君にも不愉快な想いをさせて悪かった」

「いえ、僕のことはいいんです。……でもちょっとびっくりしました。換條件なんて言ったけれど、ここまで誠意を見せてくれるなんて全く予想していなかったので」

僕は結構失禮なことを言っているのに、ホランドさんは怒ることもなく、照れくさそうに頭を掻いた。

「実をいうと俺も自分自に驚いている……。これまでの俺だったら立場を気にして、さっきのような心からの謝罪はできなかったはずだ。……君と數日共に過ごしてかなり化されてしまったらしい」

「え?」

「君のマイペースな分というか、どんな時でものほほんとしている姿を見ていたら、だんだん片意地張って生きているのが馬鹿げているように思えてきたんだ」

「マイペース……のほほん……。……それ褒めてます……?」

「當り前じゃないか!」

ホランドさんはバシバシッと背中を叩いてくる。

「いた、いたた、もうし手加減してください……!」

慌てて謝るホランドさんを見て、ギルドマスターとマーガレットが笑い聲をあげる。

僕もなんだかおかしくなってしまって、気づけば笑顔になっていた。

「數日、旅をしただけなのに、お二人ってばすごく仲よくなってませんかっ!?」

マーガレットが笑顔で聞いてくる。

「そうかなぁ。自分たちだとなにもじないんだけどね」

「だれがどうみてもすっかり仲間ってじですよ!」

「仲間……」

ホランドさんを見ると、「仲間なのは間違いない。信頼し合いともに戦った同士だからな! なくとも俺はそう思ってるぞ」と言ってくれた。

僕ももちろん異論はない。

ただ、新人冒険者の仲間が、冒険者ギルド本部の役職付きなんて聞いたことないけど……。

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