《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》旅のあとの至れり盡くせり

「本部に今回の件を急いで報告したいから、すぐこの街を発つ事にするよ」

ギルドマスターと和解したホランドさんが、スッキリした表でそう伝えてくる。

「報酬はこのギルドでもらえるが、報告が終わったら、俺からも改めて連絡をれさせてもらう。おそらく君には一度本部に來てもらうことになると思う」

「わかりました」

「それまでひとまずお別れだな。今回の依頼では本當に世話になった。ありがとう」

「こちらこそありがとうございました。々勉強になりました」

ホランドさんが握手を求めて手を差し出してくる。

僕は彼の手をしっかり握り返した。

◇◇◇

ホランドさんを街の口まで見送ったあと。

依頼が終わったら戻ってくるようアリシアに言われていたため、僕は商店街を通って、アリシアの店を目指した。

商店街は夕食の買い出しに訪れた主婦たちで賑わっている。

八百屋や果屋の店主は、新鮮な品を道行く人に勧めるため、活気のある聲で呼びかけていた。

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アリシアのお店の前に辿り著き、通りに面した窓から店の様子を伺うと二組の先客がいた。

アリシアはこちらに背中を向けて薬を用意しているため、僕らの存在には気づかない。

「忙しそうだから、お客さんが帰るまで待とう」

フェンとキャスパリーグにそう伝えて、邪魔にならないよう店の脇で待機する。

しばらくすると立て続けに二組の客が出てきた。

彼らとれ違いでアリシア薬師店の扉を潛る。

リンリンと鳴ったベルの音に反応してアリシアがこちらを振り返る。

その顔に、花が咲いたような笑顔が広がるのを見て、思わずドキッとしてしまった。

「ディオ! おかえりなさい!」

「ただいま、アリシア」

アリシアは僕等のもとまで駆け寄ってくると、喜びを隠すことなく迎えいれてくれた。

「その様子だと依頼を功させられたのね!」

「うん、さっきギルドで報告書を出してきたよ」

「ご苦労様! すごく難しい依頼みたいだったけど、ディオならきっとし遂げられるって信じてたわ。旅はどうだった? 聞きたい事でいっぱいよ! 奈落の底のことも教えて」

アリシアは僕らを奧の部屋に導きながら、きらきらした瞳で質問を投げかけてきた。

「奈落の底には、もう一匹も魔が殘っていなかったんだ。ヌシと呼ばれる魔以外は、僕が全部加護を使って吸収しちゃってたらしい」

「そのヌシはどうなったの?」

僕はメデューサが村を襲ったことと、退治するまでの顛末をアリシアに語った。

父と兄に関しては、きっとアリシアを嫌な気持ちにさせるだろうし、心配をかけたくもなかったので伏せておいた。

説明を聞いているうちに、アリシアの表はどんどん変化していった。

驚き、不安、恐怖、安堵、最後に

「すごいわ、ディオ……! そんなに大変な思いをして、村の人たちを救ってきたなんて……!!」

「いや、村の人たちにも言ったけれど、僕は當たり前のことをやっただけだから。すごくなんてないよ」

「そんなことないわ。誰かを救うために命がけで戦うことを當たり前だと言えるなんて、誰にでもできることじゃないもの。魔竊盜団のときにもじたけれど、他の人のために戦える君を心から尊敬するわ」

面と向かって惜しげもなく褒められるとめちゃくちゃ照れくさい。

「とにかく疲れてるだろうから、お風呂にってきて、その間に食事の準備をしておくわ」

「あ、そのことなんだけど、冒険者ライセンスを発行してもらえたから、フェンたちを連れて宿に泊まれるようになったし、これ以上世話になるわけにはいかないと思っていて……」

さすがに居候を続けるわけにはいかない。

別の宿へ移るつもりだと告げかけた僕は、アリシアの表を見た瞬間言葉を飲んだ。

アリシアは瞳を揺らめかせて、ショックをけたような顔をしていた。

「え……。出て行っちゃうの……?」

悲し気な聲で問いかけられ驚く。

姉がずっと留守にしているせいで、一人だと寂しいのだろうか?

「そのほうがいいかと思ったんだけど……」

「まさか……!」

アリシアは首を橫に大きく振った。

「どうせ、冒険者ギルド本部から連絡がったら、またこの街を離れることになるんでしょ? なら、それまでの間ぐらいうちにいてよ」

「えっと……」

本當に世話になり続けてもいいのかなあ……。

の子の一人暮らしだから、どうしたって遠慮する。

「ね!?」

「うっ、アリシアが迷じゃなければ……」

「何言ってるの。迷なんて思うわけないじゃない!」

アリシアはさっきとは打って変わってうれしそうになり、元気よく腕を捲り上げた。

「それじゃあ食事の準備を始めるわ。ほらほら、お風呂にってきて!」

アリシアが笑い聲をあげると、僕の背中をずいずいと押してきた。

「わっ!? わかったから押さないで……!」

一番風呂を與えてもらい、そのうえ食事の準備までしてくれるなんて、まさに至れり盡くせりだ。

僕もアリシアのために何か返せることがあればいいんだけど……。

そんなことを考えながら、彼の厚意に甘えさせてもらったのだった。

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