《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》この子はとんでもない大なのか……

「ディオ君、自分が何を言っているのかわかっているのか?」

スキンヘッド眼鏡の幹部が、唖然とした表で問いかけてくる。

どうやら彼をはじめとする幹部たちは、僕が斷るなんて微塵も思っていなかったらしい。

「わかっています。しっかり考えて決めました!」

「これは今後の人生を左右するような、とんでもなく特別な依頼なんだぞ!」

「そうじゃよ、こんなチャンスめったに巡ってこないのだからねえ」

ムキムキおばあさんも一緒になって僕を説得してくる。

「すみません。でも僕はこの依頼に興味がないんで」

僕は説得にかされることもなくありのままの本心を伝えた。

「楽して生きていきたいとは考えていません。多分そうんでいるのなら、冒険者にならなかったと思いますし」

幹部たちは黙り込んで、まじまじと僕を見つめてきた。

その橫でホランドさんが聲をあげ笑い出す。

「ぷっ……はははっ! ディオ君らしい意見だ」

スキンヘッド眼鏡と筋ムキムキおばあさんは呆気にとられたように瞬きを繰り返した後、顔を見合わせて會話を始めた。

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「この子はとんでもない大なのか……」

「それとも単なる馬鹿なのか……」

「どうだろうな。ただ、今どき珍しく自分に正直な子だってことは確かだ……」

「アタシはこの子、なんだか嫌いになれないねえ」

「別に俺だって嫌ってるわけじゃねえよ」

背もたれに寄りかかり、やりとりを黙って眺めていたレイリィさんが、ゆっくりとを起こす。

「関心を失うような言い方を皆でしたのはこちら側の失態であった。だが的な依頼容も聞いていないのに、撥ねつけてしまうのかい?」

「……」

レイリィさんからそう言われ、ハッとなる。

もしかしたら、依頼を出した貴族が困り果てている可能だってあるのだ。

依頼容を聞かずに斷れば、そういう事実にも気づけないままだ。

直前までの僕はまったくそのことに思い至っていなかった。

僕は、依頼を出してきたのが貴族だからという理由や、新人を指名してきたという報から、相手が軽い気持ちなんだろうと思い込み、突っぱねてしまったのである。

「すみません、考えが足りませんでした……」

「ふっ。そうやって素直に自分の非を認められるなら、やはり君には長の見込みがかなりあるということだ。どうだい? 一度話を聞いてみてから、依頼をけるかけないか結論を出すというのは」

「……貴族から話を聞いた後でも、やっぱりないなと思ったら斷ってしまいますが、ギルド的にはそんなことをされて大丈夫なんですか?」

僕の答えを聞き、スキンヘッド眼鏡と筋ムキムキおばあさん以外の幹部が顔を顰めた。

「話を聞いたうえで斷るほうがハードルが高いわよ」

「新人が依頼を選ぶなんて調子に乗ってるのか!」

僕は幹部の意見を聞いて、眉を下げた。

「決して調子に乗ってるつもりはないんですけど、新人ってやりたくないこともやらなきゃいけないものなんですか?」

思ったことを素直に尋ねた。

正直、ここでギルド側が求めているような答えを返すことはできる。

與えられた依頼をありがたがり、従順な態度でこなせば彼らが満足することはさすがに僕もわかっていた。

でも、そんなことをしたら、この先、確実に生きづらくなる。

彼らは僕を値踏みし続けている。

この最初の一回で、どんな対応をするか、とても重要な場面だとわかっているからこそ、僕は敢えて聞き分けのない子供のような反論をしたのだった。

生意気ともとれる僕の発言を聞き、幹部たちが一斉にレイリィさんを見る。

「レイリィさん。こいつ、侯爵様を怒らせてしまうんじゃ……。もっと別の人間をさがしたほうがいいんじゃないですか?」

「怒らせたときは、私が謝罪にいくよ」

僕に向けてレイリィさんが頷いてみせる。

「どういう展開になるか予測ができなくてわくわくするじゃないか? とりあえずこの子を一度侯爵様のところに送り込んでみよう」

幹部たちは顔を見合わせてため息をこぼした。

「またギルドマスターの悪い癖がでたな!」

「こうなったら何を言っても無駄ですよ。すぐ自分が面白いかどうかを優先させるんだから」

レイリィさんは幹部の會話を聞き、すました顔をしている。

「……そう考えるとさっきのディオ君の発言と通じるところもあるな。もしかしてレイリィさんとディオ君、すごく気が合うんじゃないか……?」

みんながホランドさんを見て、怖いことを言うなよという顔をしている。

僕とレイリィさんの発言が似てる……?

レイリィさんの方へ目を向けると、まんざらでもないというような不気味な笑みをこぼしてきた。

僕はこの人ほど、無鉄砲ではないはずだけど……。

僕は顔を強張らせながら笑みを返しておいた。

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