《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》研究員たちから信用を得るために
先ほどの研究室の前に立つと、し開いた扉の向こうから、潛めた聲が聞こえてきた。
「侯爵がわざわざ研究所にくるなんて驚いたね」
「失蹤事件についてしっかりいているというポーズを取りたいのが見え見えだな」
「冒険者ギルドの人間はちゃんと調査してくれるのかな」
「まさか。君だって見ただろ? 連れてきたのは、まだ年端もいかない子供の冒険者だったぞ」
「真面目にレイラとジェイラスを探させる気なんてないんだ。さっきも言ってただろ。侯爵は、二人を駆け落ちだって決めつけてるんだから」
盜み聞きをするつもりはなかったが、そんなやりとりを耳にしてしまった。
さすがにこのまま立ち聞きをするのはね……。
僕は、フェンとキャスパリーグには廊下で待っていてと伝えてから、扉を開いた。
「あのー、すみません」
振り返った研究員たちは、僕を見た瞬間、はっとした顔で黙り込んだ。
噂話を聞かれたのではと心配して、互いに目配せをしている。
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「今、侯爵は一緒にいないので、心配しないでください」
一応そう聲をかけてみたが、怪訝そうな表は変わらない。
僕は心を開いてもらうために、自分の方から本音を打ち明けることにした。
「僕もみなさんと同じであの侯爵が苦手なんです」
笑いかけながらそう伝える。研究員たちは、まだ僕を警戒しているようだ。
僕は気にせず研究室の中へっていった。
「あなたがたから直接話を聞きにきました。失蹤した方たちの報を詳しく教えてもらえませんか? 先ほどのやりとりでは全然わからなかったので」
研究員たちは戸いながら顔を見合わせる。
「……本當に君が侯爵の依頼を擔當するのか?」
「まだ引きけるかはわからないけれど、可能はあります」
「君のような子供しか手が空いている冒険者がいなかったということか? 失禮だが、君に僕らの仲間の捜査を任せるなんて大丈夫なのかと思ってしまうんだが……」
どうやら経験や意識、何より年齢のせいで、能力を疑われているようだ。
冒険者ライセンスを見せれば一応、魔使いと賢者の資格を持っていると証明はできるけれど、それで信用が得られるかというと別問題な気もする。
確かに僕にはろくな経験もないし……。
そのうえ、人してもいないから、半人前と思われても仕方なかった。
うーん。
どうしたものかな。
「はぁ……。まったくなんで侯爵はこんな子供に依頼を出したのか……。いいかい、君、レイラたちは新種の魔の生態調査に出かけて行方をくらませた可能があるんだ」
「え?」
「レイラとジェイラスが向かった山でこれまで発見されたのは確かにAランクの魔ばかりだが、僕らは近くにSSランクの魔ヘンウェンが生息してる可能を疑って調査していたんだ。侯爵は証拠がないからといって聞く耳を持たず、Aランクの依頼を出してしまったが、もし、僕らの予想通りヘンウェンが出てきてしまったら、Aランクの依頼をけるような冒険者には手に負えないだろう?」
SSランクの魔が絡んでいる可能があるなんて、これまでまったく話題に出てきていない。
「ギルドはヘンウェンのことを知ってるんですか?」
「まさか。依頼を出したのは侯爵だし、僕らの話を侯爵がしっかり話していればギルドはこの捜索をAランクの依頼としてけたりはしなかったはずだ」
そんな重要な報を隠して、ギルドに依頼を出すなんてバレたら大ごとになるんじゃないだろうか?
「とにかくそういうわけだから、今回の依頼は君には難易度が高すぎるよ」
「あ、ヘンウェンのことは問題ありません」
「え?」
「ヘンウェンについては知り盡くしているので」
ヘンウェンは奈落の底で吸収した魔の中にいたのだ。
研究員たちは僕の言葉に唖然としている。
「萬が一出てきても、弱點を把握していますし、會話もできるので、相手が戦的でなければ話し合いだけで穏便にやり過ごすこともできるかもしれません」
「な、何を言ってるんだ……。魔と會話なんて……」
「あ、僕、魔使いなんです」
「魔使いだって魔と會話なんてできないだろ!? ふざけてるのか」
「いいえ、大真面目です。僕は加護の力で吸収したことがある魔とだったら會話をすることができるんです」
「信じられないな……」
「まあ、ヘンウェンと會話をわせる件に関しては現時點では証拠を見せようがないので一旦忘れてもらっても構いません。どちらにしろ、ヘンウェンの弱點は先ほども言ったとおり把握しています。ヘンウェンはキャスパリーグが相手だと手も足も出せないんです。というわけで、キャスパリーグさえいれば、僕が何もしなくても勝てちゃいます」
「いやいや!? キャスパリーグって伝説級に珍しい魔だろ!? そんなのどこから探してくるんだ!!」
僕が答えるより先に、もう一人の研究員が會話に參加してきた。
「そんな問題じゃないだろ! キャスパリーグを探し出せたところで、ヘンウェンと戦うよう仕向ける手段だってない。下手したらキャスパリーグに自分が襲われておしまいだ」
「えっと、それらは全部問題ないんですが、口で説明しても信じてもらえなそうなのでお見せしますね」
わけがわからないという顔の研究員たちをおいて、廊下の向こうに聲をかける。
「おーい、キャスパリーグ。ちょっときてくれる?」
『なにかにゃ』
キャスパリーグが廊下からヌッと現れる。
研究員たちは數秒間黙り込み――。
「ぎゃああああああッッッ!!!!!!! きゃ、きゃきゃきゃキャスパリーグが出たアアアアアアッッッ!?!!!!!!!!」
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