《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》新たな仲間
スライムを待っている間に山の様子は変化していき、寒さが出てきた。
辺りはすっかり暗くなり、三日月の明かりだけでは心許ない。
「山ってあっという間に暗くなっちゃうね。魔法で明るくするよ」
『うむ。暗闇には夜行の狂暴な魔が集まりやすい。主ほどの実力があればどうということもないだろうが、それでも用心するにこしたことはないしな』
僕がさっそく魔法で周囲を照らすと、スライムが細い目を見開いての聲をあげた。
『すごぉぉーい! こんなに眩しい初めて見たあ!』
無邪気に喜ぶスライムを見て、僕も笑顔になる。
その隣で伏せをしているキャスパリーグは、相変わらず不服そうだ。
『ふん……。知能の低い魔だにゃ……。そんなことより、スライムたちの帰りが遅いけど本當に戻ってくるのかにゃ?』
『みんな必ず戻ってくるよう!』
僕の頭の上のスライムが興しながら答える。
『私に反論するなんて百萬年はやいにゃ! 本當に生意気なスライムにゃ! きしゃあああッッ』
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キャスパリーグがスライムを威嚇して脅かす。
『うわぁぁー!』
スライムは震え上がって、僕の襟の中に逃げ込んできた。
「キャスパリーグ、脅かしたらだめだってば」
『だ、だってそいつが生意気だから――』
キャスパリーグが反論しかけたそのとき、絶好のタイミングでスライムたちが戻ってきた。
『報あつまったよおおお』
スライムたちはぽよんぽよんと飛び跳ねながら、僕らのもとへ駆け寄ってくる。
『やっと來たかにゃ、遅すぎるにゃ!』
『みんなー! 待ってたよぉー』
僕の頭の上にいたスライムがぴょーんと地面に飛び降りる。
そのまま仲間のもとに向かうと、報をまとめてから戻ってきた。
スライムの話によると、山の至るところにいる仲間たちに確認して回ってくれたらしいが、やはりひと月以上前から人間を見たものはいなかったようだ。
『こいつの言っている事は本當かどうか怪しいにゃ』
『ウソなんていってないよう……。信じて……』
スライムは僕を見つめて、目をうるうるとさせている。
「君の言葉を信じるよ。ありがとう。君たちのおかげですごく有益な報を得られた」
『ほんと? アタシたちお役に立てた?」
「うん、とっても。僕達だけじゃ報を集めきれなかったからね」
僕の言葉を聞いていたらしく、スライムたちは一斉に跳ねはじめた。
『わーい! わーい! 褒められたー!』
『うれしいー! がんばってよかったー!』
『うんうん、お役に立ててよかったー!』
無邪気で優しいスライムを見ていると、自然と心がほっこりしてくる。
僕は微笑んで彼らを見守ってから、頭の中で現狀を整理した。
レイラさんとジェイラスさんはこの山には近づいていなかった。
となると山で遭難したという可能は消えたわけだ。
じゃあ彼らは一どこに行ってしまったんだ……?
研究員が、この山へ來る計畫をたてるのを聞いていたのだから、予定ではここへ向かうはずだったんだよね……。
二人はなぜ、山に向かうのをやめたんだろう。
事が変わった?
でもその原因は……?
材料がないため、これ以上考えていても答えを見つけられそうにない。
ひとまずこの山でできることはなさそうだから、街に戻るか……。
ホランドさんのほうで何か新しい報を得ているかもしれないし、家族の失蹤を告げられたアリシアとジェイラスさんの弟さんのことも気にかかる。
僕は帰る前にもう一度スライムたちにお禮を伝えた。
すると、僕と一緒にいたスライムはもじもじしながら口を開いた。
『もういっちゃうの……? あの、アタシ、アタシ……』
キャスパリーグがスライムの言いたい事を察したのか、慌てて會話にってくる。
『まさかご主人についていきたいなんて言うつもりにゃ!?』
スライムの顔がどんどん赤くなる。
『だ、駄目かなぁ!? 邪魔はしないよう』
『主は本當に魔に好かれやすいな……。いや、魔だけじゃなく、人間たちも主の周りにわらわらよってくるか……』
そう呟いたフェンのほうは否定的な態度ではない。
問題はキャスパリーグのほうだ。
『弱小魔がついてきたってできることなんてないにゃ! の程をわきまえるにゃ!』
キャスパリーグはスライム前に立ちはだかると、睨みつけながら威嚇した。
『弱くても今日みたいに役に立てるかもしれないよぉ……』
スライムはぶるぶる震えながら答える。
「君は僕と一緒にいきたいんだよね?」
『うん、アタシのご主人様になってほしいの』
「ご主人ていうか、仲間みたいなじだったら僕は全然問題ないよ。一緒にくる?」
『ほんとー!? やったああ!』
スライムは喜んで嬉しそうに飛び跳ねる。
『みんなー! アタシ、この人と一緒にいくねー! ばいばーい!』
仲間たちにそう言うと、仲間のスライムたちは見送るようにぴょんぴょん跳ねた。
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