《じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出の魔導士、通訳兼相棒の新米回復士と一緒ずてツートな無詠唱魔で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】》ヘール(回復)

突然の言葉に、レジーナはしどろもどろに頷いた。

「え、えぇ、ありますけど……」

「よし、それでは(へば)、俺(わ)さ回復の詠唱ば通訳せ」

え? とレジーナはオーリンの顔を見た。

「つ、通訳って……詠唱をそのままにですか?」

「んだ。俺(わ)ば回復魔法はし(ぺっこ)すか知らない(おべでね)。ほでも、お前(な)が俺(わ)さ詠唱ば通訳せば、俺(わ)でも回復魔法は使えるがもわがんねぇ。まぁ、付け焼き刃だども――今でばそれすかねぇ」

そんなことが――できるものだろうか。

レジーナは一瞬、言われたことの意味を素早く考えた。

確かに、オーリンは魔法を専門とする魔師、そして昨日の晩には闇の呪魔法さえ使ってみせたのだから、間違いなくレジーナよりも魔力量が富であるのは間違いない。

だが、魔法詠唱は得てして専門が高く、それぞれ系統の違う魔法までを広く使える魔師はない。流石のオーリンと言えども、今ほどの大怪我を癒やす回復魔法には詳しくないようだ。

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だが、【通訳】のスキルさえあれば――レジーナが心得た魔法の詠唱を他の者に【通訳】することで、オーリンに回復を使ってもらうことが可能かもしれない――それは確かにレジーナにならできる、レジーナにしかできない蕓當だった。

これに賭けるしかない――。

「わかりました」と頷いたレジーナの肩に腕を回し、「よし」とオーリンがを支えてくれる。

倒れ伏した怪我人の側にしゃがみ込み、しばらく怪我人の様子を見た。

先程の一人ほどではないが、こちらもかなりの出があるようだ。

オーリンに目配せすると、オーリンが無言で頷いた。

レジーナはしばらく、回復の詠唱を脳に思い描き――そして【通訳】した。

【吹き渡れや癒やしの風、潤さんや萬里の川、我がただむきに依りて那由多の傷も癒やせと命ず】――。

「フケデバエヤスノカジェ、ウルガセタンゲダカワ、ワノウデコサタモジガテキズデバハーナモカモエヤセズコド――!」

一瞬、自分の口から出てくる言葉が信じられなかった。

いくら【通訳】しているからと言って、この慣れ親しんだ回復の詠唱がこんなにも滅茶苦茶になるものなのか――!?

目を白黒させてアオモリ弁にローカライズされた回復魔法の詠唱が口から出たと思った瞬間、オーリンが大きく頷いた。

「なるほどわがった、行くど――!」

オーリンが怪我人に対して両手を差し出し、大聲で宣言した。

「【回復(ヘール)】ッ!」

オーリンが宣言した途端だった。

レジーナの回復魔法とは違う、青い雷撃が迸り、凄いを放ったと思った瞬間――バチッ! という鋭い音が鼓をつんざき、レジーナはうわっと耳を塞いだ。

今のは一、やはり失敗したのか――!? 慌ててレジーナが怪我人に這い寄ると、ふーっ、とオーリンが細い息を吐いた。

功だ――傷ば塞がったべ」

そう言われて、レジーナは怪我人を覗き込んだ。

確かにオーリンの言った通り、怪我人はぎょっとしたような表でオーリンを見上げ、それからハッと自分のを両手でった。

「え、え――!? 俺、どうしたんだ――!?」

「す、凄い……傷がみんな塞がっちゃうなんて……!」

今まであんなに蟲の息だったのに、傷を手當された怪我人は今やすっかりともよくなり、引き裂かれ、まみれになった服以外はほぼ無傷と言っていいような狀態に回復していた。

思いつきの付け焼き刃だと言っていたのに、自分より何倍も治療が上手く行ってる――レジーナが絶句していると、オーリンがどさりと地面に餅をついた。

「やれやれ(やんや)、上手ぐ行ったはでよがったでぁ。額(なずぎ)さ凄く(たげ)汗掻ぇだで」

オーリンも張していたらしく、ローブの袖で額をごしごしと拭っている。

とりあえず、これで怪我人はふたりとも助けることができたらしい――その気持ちがようやく湧いてきて、レジーナもその場にへたり込んだ。

「あ、あの、回復士さん……ありがとう、あんたたち二人が俺を助けてくれたんだよな?」

その聲に、レジーナはその場に寢転んだままの男を見た。

よく見ると――まだ若い男だ。自分と同じぐらいか、し上程度の印象である。

「なに(なも)、禮だっきゃいらねね。それより、お前(な)、何があった? 何故(なすて)こしたら傷ばつけらえだ?」

オーリンが冴えた表で冴えない事を言うと、男の顔に一瞬「?」が浮かんだ。

あ、そう言えばオーリンは何言ってるかわからないんだっけ、と思い直したレジーナは、慌てて通訳した。

「お禮ならいりませんよ、それより、一何がありました? どうしてこんな大怪我を負ったんですか?」

レジーナがオーリンの言葉を【通訳】すると、男はがばっと上半を起こした。

「そ、そうだった! 忘れてた……フェンリルだ! 巨大なフェンリルが王都に向かって來てるんだ! 急いで避難を始めないと大変なことになるぞ!」

こごまで読んでもらって本當に迷ですた。

「おもしぇ」

「続きば気になる」

「まっとまっと読ましぇ」

そう思らさっていただげるんだば、下方の星コ(★★★★★)がら評価お願いするでばす。

まんつよろすぐお願いするす。

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