《じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出の魔導士、通訳兼相棒の新米回復士と一緒ずてツートな無詠唱魔で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】》ツオビタ・ドリンク(一本)
「西又葵商店へようこそ。見たところ死霊師の方ではないですね、観ですか?」
った店屋の店員は実にフレンドリーに話しかけてきたが――言葉の容とは裏腹に、これまたおかしな格好であった。
が隙なく著込んだ著はこの大陸の地方では割とポピュラーといえる裝いだが、なんと顔が見えないのだ。
店員は誰も彼も、半月型にぐいっと深く折れた奇妙な形の編笠を目深に被っており、笠に隠れた顔は口元しか見えない。
艶やかに引かれた紅と聲の高さでであるらしい事はわかるのだが、逆に言えばそれぐらいしか報がないのである。
そして店には同じように編笠を被ったの他に、どうやら男であるらしい店員が、目だけ出した黒い頭巾を被ったまま、せっせと商品をハタキがけしている姿もある。その様はまるでニンジャのようだ。
その異様さに思わずドギマギしてしまい「え、ええ……」と適當に相槌を打ったレジーナの姿を見て何かを察したのか、店員のがにいっと笑みの形に歪んだ。それもまた不気味である。
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「ああ、ごめんなさいね、こんな格好の人間に話しかけられたら誰でも驚きますよね」
「あ、いや、そんなことはないんですけど……」
「この編笠はここらの風習なんです。このカワラケ地獄にやってきた亡者に顔を見られないようにね」
地獄の亡者に――? レジーナが思わず目をパチクリさせると、店員は続けた。
「昔から、地獄の亡者たちは顔がよく見えないと言い伝えられていましてね。顔を隠している間は亡者と生者の區別がつかないんだそうです。だからカワラケ周辺の人間は夜になるとこんな風に顔を隠して出歩くんですよ。ここで働く私たちは顔を覚えられないようにいつもこんなんですけど」
「え、えぇ……」
レジーナのに何だか嫌な怖気が走った。
それを橫で聞いていたイロハが、ごくっとつばを飲み込む音が聞こえた。
「か、顔を隠さないで出歩くと……どうなるのだ?」
「そりゃあまぁ」
店員の口元が、再び三日月狀に吊り上がった。
「そりゃあ――招かれちゃったりするかもしれませんねぇ、あの世の人間に」
半笑いの聲で実にあっけらかんと店員は説明したが、笑い事ではない。
ここらでは生きた人間も死んだ人間も一緒の世界が當たり前なのか。レジーナが思わずゾッとする気分を味わうと、蒼白の顔のイロハがぶるぶるっと震えた。
「れ、レジーナ……今夜は夜になる前に宿に行こうな、な?」
どうもイロハはこういう心霊系の話題がからきしであるらしく、店員が口元だけの笑みを向けてくる度に怯えて目を泳がせている。
まぁ自分だってそんなにオバケ話は得意ではないのだけれど――唯一、地元はオソレザンで修行したことがあるらしいオーリンだけはその異常に慣れているのか、実に落ち著いた表で棚にあった商品を會計している。
なんやかや怖い思いもしながら買いを済ませ、店を出たレジーナたちは、買ったものを荷に詰め込んだ。
オーリンは水や食料の他に、なにか長四角の箱を背嚢に苦労して詰め込んでいる。
なにやら相當な量を買い込んだらしいが、中はなんだろう。
「先輩、さっき何かをたくさん買い込んでましたけど、何を買ったんですか?」
「ああ、こいだこいだ」
オーリンは一本の小瓶を示してみせた。
その鮮やかな青の合いに――なんだか見覚えがあった。
「え、帯びた(ブラッディ)ドリンクですか?」
帯びた(ブラッディ)ドリンク――それはこの大陸ならどこでも容易に手にる、疲労回復用の比較的安価なポーションの名前だ。
何だか騒な名前なのは中のが鮮のように真っ赤なをしているからなのだろうが、その安さと手軽さから、冒険者でなくともこのポーションはお馴染みの一本である。
だが疲労回復に効果はあっても、傷を治したり、魔力を回復したりするならもうし高級なポーションもある。
オーリンはわざわざ安価なこのポーションを実に三箱も買い込んでいたらしいのだが――一どうしてだろう。
「先輩、そんなに帯びた(ブラッディ)ドリンク買ってどうするんです? 自分で飲むんですか?」
「すたなわけねぇべな。これは――そうだな、いわゆる通貨の代わりだ」
オーリンは背嚢を背負い直しながら説明した。
「昔聞いたごどがあってな。ヴリコにはエルフやドワーフも多く住んでるがら、人間側の通貨が通用しねぇごどもあるらすぃ。それで異種族間の取引にはこの帯びた(ブラッディ)ドリンクを使うってな」
「ほう、ドリンクが通貨の代わりになるのか。面白いな」
イロハが興味津々の顔でポーションを眺めた。
「噂によればヴリコではこのポーションを贈答さ使ったり、取りさ襲われた(かがらえだ)時、このポーションを投げて注意を反らしてる間に逃げたりもするらすぃ。とにかぐ買っておいた方がいがべ」
「へー、そんな文化があるんですねぇ。こんなポピュラーなポーションがそんなに価値のあるものとして珍重されているなんて」
「安いとは言え、帯びた(ブラッディ)ポーションは疲労回復を助ける有効分を多く含んでるんだ。ヴリコは昔から大陸有數の穀倉地帯だがらの。とかく重労働で疲労が蓄積しがちな農家でばこいづは欠かせねぇものなんだの」
こんな安価なポーションが、というより、安価だからこそ取引に使われるということなのだろうか。
世の中には面白い文化があるんだなぁと、王都生まれ王都育ちのレジーナは素直に心することにした。
「さぁ、補給も終わったらカワラケの観でもしていぐかぁ。繰り返しになるけどよ、あんまりタチ悪そうな死霊師とは目ば合わせんなや」
オーリンのその言葉とともに、三人と一匹は白茶けた大地に足を踏みれる一歩を踏み出した。
閑話休題回です。
「たげおもしぇ」
「続きば気になる」
「過酷な農作業に、一本」
そう思らさっていただげるんだば、下方の星コ(★★★★★)がら評価お願いするでばす。
まんつよろすぐお願いするす。
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