「このままじゃ、あの人たち危ないよね、私、行くよ。発させてくる」

巨大すぎる樹木のモンスター。

その表皮はく剣も歯が立たない。

メテオは「ひぃいいい、化けどころの騒ぎやないで」とガタガタと震えている。

確かに見た目は恐ろしい。

でも、相手はどこからどうみても樹木。

樹木ってことは熱に弱いんじゃないの？

昔から、たき火をするのは好きだったし、そんなに驚くような相手なんだろうか。

「ご主人様、あいつは火炎魔法に耐があるようですよ！？　いくらなんでも危険です」

「いやいや、しょせんは木でしょ？　なんとかなるよ、たぶん！」

ララの制止を振り切って冒険者たちを助けに行くことにする。

彼らは私たちの村に來てくれた二番目のお客様ともいえるのだ。

このまま見殺しにするわけにはいかない。

５人ばかりで構されている冒険者の一団は斧や剣で戦し、炎の魔法で火球を飛ばす。

しかし、敵の外皮は異様にく、炎があたってもすぐに掻き消えてしまうようだ。

村長さんがなんとか防いでくれているけど、さすがに一人で相手にできる大きさじゃない。

「超高級素材だぞ、ちったぁ見せろ！　このアホども！」

冒険者たちの中でも、異彩を放つのが小さいで大きなハンマーを持ったの子だ。

栗の髪のを左右でおさげにしていて、ショートパンツがとてもよく似合っている。

「団長！　そんなこと言われても、こいつすぎます！」

「ええい、言い訳する前に手をかせ！」

団長と呼ばれた彼は大きな聲でび、跳び、戦う！

筋質で小さなつきから言って、彼はドワーフの種族だろう。

彼たちは木の化けの攻撃を何とかかわし、どうにかこうにか攻撃しようとしている。

とはいえ、相手には効いていないようだ。

ボボギリとかいうモンスターは「ぎげぇええ」とお腹に響いてくる聲をあげて襲い掛かってくる。

そのは黒りしていて高級家に使えそうな沢を放っている。

超高級素材っていうのもあながち噓じゃないのかもしれない。

ううむ、木っ端みじんにするのはちょっともったいないかな？

「ユオ様、ちょおっとお待ちくださぁーい！」

私もき出そうとした矢先、ララが駆け込んでくる。

「どうしたのよ!?　いったい」

「トレントの額に大きな魔石がありますよね、あれだけを破壊してください！　うまくいけば素材も回収できます！」

「ナイスアイデア!」

ララが的確なアドバイスをしてくれる。

確かに化けの額には赤紫のおおきな魔石が埋まっている。

モンスターの一部だけを発させるって蕓當ができるかしら。

この間、ちょっとだけ練習してみたけれど、やってみるしかない！

「村長さん、ハンナ、敵をひきつけといて！」

「心得たぞい！」

「りょーかいです！　あははは、こっちにおいで！」

私は村の守護神である二人にをお願いする。

指示通り、村長さんとハンナは素早いきで敵の腕をひきつけ、さらにはばっさばっさと枝葉を切り落としていく。

その間に敵の足元まで猛ダッシュする私なのであった。

トレントのごつごつした足部分を発できれば、こいつをけなくできるよね。

私はっこの一角に近づき、手を當てようとする。

「ちょっと、うそ、まじでぇぇえええええ！？」

だが、見かけに反して腳部分も手のようににく！

なんたる誤算！？

気づいた時には腰をぐるぐる巻きにされて空中に浮かんでしまうのだった。

ぎりぎりと締め付けられ、呼吸ができないほど苦しい。

目の前に迫るのはモンスターの邪悪にる眼と大きな口！

あんなものに飲み込まれたら、わたしの人生、終わっちゃうじゃん！

「ええい、とにかく、魔石だけ発して！」

こうなったら今の勢でやるしかない！

私は自分を摑んでいる巖のようなっこに手を置いて、強く念じる。

自分のから赤い熱線が出ていって、モンスターの額の一か所だけで炸裂するイメージ！

魔石だけが私の熱によって々になっていくイメージ！！

その直後！

ガシャンとガラスの割れるような音があたり響く。

次の瞬間、怪の魔石にひびがり、一気に裂四散。

數秒もしないうちに、怪はきを止めるのだった。

「ふぅ……、終わった」

かくして私を摑んでいたっこは完全に沈黙する。

トレントの口の中にも目の中にも、あの邪悪なはもう殘っていない。

いやぁ、見える位置に魔石があるタイプでよかった。

最悪の場合、全を発させるしかなかったと思う。

とはいえ、所詮は木だったなぁ。

熱に弱いところとか。

「ご主人様、かっこよかったです！」

「すごいで！　やっぱり、めっちゃ強いやん！　ユオ様、ぜったいやばいやつやん！」

どうにかこうにかっこをすり抜けて地上に落ちると、ララやメテオが抱き著いてくる。

見回せば冒険者の皆さんも、村長さんもハンナも無事なようだ。

なんとかみんな無事で済んだようでよかった。

「さすがは我らが灼熱の魔様ですじゃ！！　いけにえでも供えねば！」

「魔様に一生、ついていきます！　またいけにえになっても大丈夫です！」

村長さんとハンナもやってきて、私の手をもってぶんぶんっと振る。

いや、その理屈はおかしいでしょ。

そもそも、一回もいけにえにした覚えはないんだけど。

「みんな、大げさすぎるって。この間のスライムと同じで、しょせんは木だからね、燃えるでしょ。普通」

「だから、普通のモンスターじゃありません！」

「んなわけあるか！」

あんまりにも周りがワイワイ言うので、念のため、くぎを刺しておく。

今回のモンスターは単に大きく育ち過ぎただけの木材だったってことを。

しかし、ララもメテオも納得できないのか激しいツッコミをいれてくる。

ええい、いつになったら私が普通のの子だってわかってくれるのだろうか。

「ま、魔……！？　灼熱の魔って本當にいたの！？」

気づいた時には冒険者の皆さんは私のことを愕然とした表で眺めていた。

うぐぐ、この人たちに魔じゃないってわかってもらえるかなぁ。

【魔様の発揮した能力】

・選択加熱：対象の目標とする部分だけを加熱する能力。魔石などの高耐久質にも適用可能。心臓や脳に行うと即死する。

【魔様の手にれたもの】

・ボボギリの：300年ほどの樹齢を持つトレント。トレントは世界樹の変異種であるため、魔力伝達に優れた素材。高級素材。購すれば數億ゼニー以上する可能あり

「面白かった！」

「続きが気になる、読みたい！」

「魔様、即死技ばっかりやん……！」

と思ったら

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直にじた気持ちでもちろん大丈夫です！

ブックマークもいただけると本當にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。