《【WEB版】灼熱の魔様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】》23.魔様、四の五の言わずにドワーフをお湯に鎮めることにする
「あっしの名前はドレス・ドレスデンと言います。このパーティの団長をしておりやす。なんでも作りますが本業は大工をやっております」
モンスターの討伐が終わると、おさげのの子が謝を伝えに來た。
近くに寄ってみると、案外にかわいらしく、私たちと同世代にも見える。
「ユオ様、このたびは本當に助かりました。あっしの親父の仇のモンスターを無傷で倒すとは、あなたの強さに恐れったでありやす」
見た目はかわいらしいの子なのに一人稱が「あっし」っていうのはいかにも職人ってじがする。
しかし、それにしても妙な言葉遣いだ。
たぶんきっと、こんな辺境領主相手でも張してくれているのだろうか。
「ユオ様、ボボギリを村の前に連れてきてしまい、本當に申し訳ございません」
ドレスはそう言ってペコリと頭を下げる。
自分たちのパーティがモンスターを引き連れてしまったことに罪悪を抱いているらしい。
とはいえ、この村ではそんなことはよくあることである。
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先日も、貓耳娘が同じようなことをしてくれたし。
「モンスターを連れてくるとか、まったく死ぬかと思ったで? そういうの気をつけてくれへんと困るで、ほんま」
しかし、モンスターを連れてきた當の本人はまったく覚えてないらしい。
ちょっと意地悪な目つきでドレスをなじるのであった。
「メテオ、あんたもだけどね」っていう言葉を私はぐっと飲み込んだ。
「いいよ、いいよ、別に。うちの村も襲いそうだったし。それと、そこまでかしこまらなくていいから。私はただの田舎領主だから」
「そ、そうですかい、そう言われると楽になりますわ。あっしら職人はどうも口が悪いもんでして、へへへ」
私が妙な敬語を使わないでいいことを伝えると、ドレスは嬉しそうに笑う。
うーむ、かわいい。
「素材集めのために流れに流れてきましたが、この斷の大地に村があったとは驚きやした。あの老人と金髪のの子は悪鬼羅剎のごとく戦うし、ユオ様はボボギリを一瞬で倒すし、まさに英雄の村ですよ、ここは」
そう言うとドレスはあははと豪快に笑う。
なるほど、素材集めのためにこんな辺境までたどり著いたってことなんだろうか。
村に住んでいる私が言うのもなんだけど、ずいぶんと好きな人たちだな。
「あの化けはうちの親父の仇でもあったし、団員の命を救ってくれて助かりやした。何か禮をさせてくだせぇ! 我々にできることなら、なんでもいたしやす!」
ドレスは私の手をがしっと持って、私たちにお禮を言う。
聞くところによると、ドワーフというのはとても絆の強い一族らしい。
木を発させただけなのに、思いがけず恩を売った形になったようだ。
それにしても、お禮をさせてほしいかぁ。
この人たちにお願いできることって何かあるんだろうか?
ドワーフといえば職人、職人といえば武とか防とか?
あいにく、私は素手で戦うし、そもそも戦うのが本業じゃない。
そうなると防がいいんだろうか。
でも、鎧とか重いのは好きじゃないし、そもそもかわいくない。
「ご主人様、千載一遇のチャンスです。ここはやはりあれをお願いしましょう……」
「ユオ様、これはカモネギやん。渉は大きく出るもんやで、あれを言うてみぃや」
腕組みをしてそんなことを考えていると、ララとメテオが両側から私を小突く。
二人して「あれだよ」などというのだが、その肝心の「あれ」っていうのがわからない。
ふぅむ、今の私たちが一番求めてるものって言えば……。
そっか、あ(・)れ(・)か!
「ふふ、そうね。私たちがあの化けをやっつけてなかったら、あなたたちはとっくに消化されてたかもしれないわね。えぇ、今頃あいつの栄養になってたかも」
私は敢えてもったいぶった言い方をする。
格が悪く思えるかもだけど、大事な渉だ。
ここは嫌な格の領主に徹することにしよう。
……言っておくけど、これが素ってわけじゃないからね?
「え、えぇ、そうですよ。あっしらは一巻の終わりだったはずですが……」
「あなたたち、何でもするって言ったわよね。それなら、この計畫に參加してほしいの」
「計畫ですか?」
私は彼らの前に計畫書のノートをぴらっと広げ、溫泉リゾート計畫を説明する。
傍らにはララが「資料」と稱して、古文書の該當ページを開く。
「この計畫書にある建と基礎工事のお手伝いを頼みたいわ。もちろん、給金は出します!」
私が彼らに頼むのは、ずばり言って、溫泉リゾートの中核である溫泉施設の設計だ。
現在の廃材を利用した簡易的な建ではなくて、しっかりとお客様を迎えれられる建を作りたい。
それもできれば、この古文書のような建を。
「なんだい、これは……お、おんせんだと!?」
「熱い湯の中にるんですか? な、なんのために?」
「ひぃいい、わかった、このどもは俺たちでダシをとって食べる気だ。魔様なんて呼ばれてるし!」
「くそっ、やっぱり罠だったのか!?」
私が溫泉リゾート計畫を説明すると、団長のドレスをはじめとして皆が皆、困の表を浮かべる。
約二名、完全に勘違いしているのもいるけど、ここはいったん無視しよう。
「まぁ、そう言うよね。よっし、ララ、この人たちを溫泉にご案するわよ! 男の人は村長さんに溫泉に沈めてもらいましょう」
まずは溫泉にってもらおう。
すなわち、百聞は一見に如かず大作戦っていうわけなのだ。
ララは「仰せのままに」と言うと男陣を村長さんのところに引き渡す。
「じゃ、ドレスは私たちと一緒にいっちゃおうか」
「ちょっとぉおおおお、なにがあるっていうんだい!?」
私はというと、ドレスをうちのプライベート溫泉にご案する。
彼は悲鳴を上げるけれど、そんなものは無視、無視。
「きひひ、ってみたら驚くでぇ」
メテオはかつての自分を重ねているのか、慌てるドレスを見て意地悪そうに笑うのだった。
さぁて、サービスしてあげなきゃね!
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「ドワーフ娘のお風呂……!」
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