《【WEB版】灼熱の魔様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】》31.ラインハルト家のミラージュ、森を燃やし、村人を圧迫する
「山林ごと焼き払え! 一匹たりとも逃すなよ!」
ある日のこと、リース王國の名門、ラインハルト家のミラージュは北方の領地、ヤバス地方にてモンスター狩りにを出していた。
とはいっても、単獨での狩りではなく、私有の軍隊を用いた「魔石狩り」である。
數百匹のモンスターを追い込んでは狩り、その側にある魔石を回収しているのだ。
彼は部下に命じて山に火をつけ、その中のモンスターをこそぎ排除しようとしていた。
「いいか! 魔石は一つ殘らず回収せよ! モンスターの素材などは捨てておけ!」
ミラージュの目的はモンスターの核となっている魔石だった。
ラインハルト家が公爵の地位にまで上り詰めたのは、代々の領主が攻撃魔法の名手であることに加えて、広大な領地からとれる魔石に理由があった。
「斷の大地」とも呼ばれる危険な辺境地域に近い村落では、大きな魔石をもったモンスターが出沒する。
それらを數にたのんで討伐することで、ラインハルト家は高品質な魔石を王國に供給することができるのだ。
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魔石は王國で照明をはじめとして生活の様々な場面で活用されており、便利な生活のためにはなくてはならないものになっている。
王國の魔石の流通を取り仕切ることは、莫大な富と権益をラインハルト家にもたらしたのだった。
「ミラージュ様! これ以上、山を焼くと近隣の村にも影響が出ます!」
部下の一人が頭を深々と下げ、これ以上の討伐作戦は領地に問題がでることを進言する。
山林を焼いてしまうと、大地は保水力を失い、様々な弊害が出てしまう。
事実、近隣の村は農業用水が足りなくなりつつあった。
「村の貧民など捨て置け! 所詮は人口が數百人程度のものがちらほらあるだけではないか。魔石を大量に確保することこそ我々の任務なのだ!」
ミラージュはふんと鼻を鳴らすと、部下の進言を卻下する。
強大な魔法を使ってさらに森を焼くのだった。
彼の目には魔石のもたらす膨大な冨しか映っていないのだった。
実は彼がここまで領地を荒廃させるのにはもう一つ理由があった。
それはこの地方がヤバス地方という地域で、そもそも治安が最悪の地域だったからだ。
本來であれば、追放したユオを呼び戻し、この地域の領主にするはずだったのだが、先日の手紙で戻ってこないと告げられたのだった。
つまり、自分がいまだにこの治安最悪の土地を管理しなければならないことにミラージュは腹を立てていたのだった。
「おのれ、あのクソ妹がぁあああ!」
ミラージュはユオへの鬱憤を晴らすように、森に火炎魔法を放つ。
木々はごぉおおおっと轟音をあげて炎上する。
彼にとって、このヤバス地域が崩壊し、わずかな村民たちが路頭に迷うことなど、どうでもよいことだった。
全てはラインハルト家のためであり、全てはこの世の春を謳歌するためだった。
それを可能にするのが魔石であり、この地域で採れる大粒の魔石だった。
しかし、彼は知らなかった。
北方の辺境の大地で、今、より高品質の魔石が大量に採集されつつあることを。
◇ ヤバス地方の村民たち
「聞いたか、ラインハルト家の三男が森を燃やし盡くしちまったぞ!」
「なんてことをするんだ! それじゃ、俺達はもう生きていけないじゃないか」
「くそっ、せっかく盜賊殺し様が盜賊をしょっぴいてくれたと言うのに……」
「俺たちを蟲けら扱いしやがって……」
ヤバス地方に住む村民たちは大きくため息を吐いていた。
彼らが生活の要としていた森を領主に燃やされてしまったからだ。
このままでは農業も林業もたち行かなくなり、いよいよ生活は厳しくなってしまう。
村民たちの間にはラインハルト家への恨みつらみが増幅していくのだった。
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「ヒャッハー、魔石狩りだ!」
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