「ふぃいいいいい、なんやこれぇ！　地獄みたいな臭いがすると思ったけど、すごいやんか！　めっちゃ気持ちいい！」

溫泉に浸かったクエイクはメテオの時と同じように激の聲をらす。

の中に熱が屆き、一気に溫まっていく快。

クエイクは自分の側から疲れが全部溶けだしていくのをじる。

「せやろ？　後で案したるけど、奧にはもっとごっつい建があんねん。トレントの素材使ってて、ほんまに豪華な作りになってるから後で案したるわ」

「はぇええ、すっごいなぁ。メテオ姉がこんな辺境に住むっていうからびっくりしたけど、頷けるわ。確かにビッグチャンスが転がってそうやな」

「せやで。乗るしかないやろ、このビッグウェーブに！」

二人はこの村の可能についてあれやこれやと話し合う。

これから増えるであろう冒険者や旅行者によって、村が一気に発展していくのを無邪気に話し合うのだった。

「それにしても、あの領主さま、何ものなん？　ホンマに魔とちゃうの？　だって、聖獣を手なずけるとかありえへんやん」

クエイクは神妙な顔をして尋ねる。

勘違いだったとはいえ、自分を襲ってきた巨大な聖獣をを焼くだけで手なずけたのだ。

「うちも巨大なスライムに追いかけられたけど一瞬で蒸発させたし、山ぐらいあるトレントもユオ様が一人で沈めたからな。なんやようわからんうちに一発でドカンやで。最初に見た時は目を疑ったもん」

「山ぐらいあるトレントって、なんやそれ！？」

「おったんやから、しょうがないやん。ほら、あの溫泉リゾートのり口のやつ」

「あの顔、ほんまもんやったん！？　レプリカやと思った！　ユオ様、育ちのよさそうな顔して完全なる化けやん、化け領主やん……、うわ、さぶいぼ出そう」

「あはは。ユオ様の能力については……れんほうがええと思うで。まぁ、普通に接してほしいみたいやし、普通に接してくるし、こっちも気楽にしてたらええんちゃう？　めっちゃ強くて、頭がきれるところ以外は普通のかわいいの子やから」

メテオはそう言うと明るく笑う。

メテオの屈託のない微笑みにつられて、クエイクも笑ってしまうのだった。

「面白かった！」

「続きが気になる、読みたい！」

「風呂に沈められたい……！」

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