《お薬、出します!~濡れを著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】》浴剤の調合 1
村の浴事はそれほど良くない。民家の外に設置された風呂に村共同の給水所から引いた水をれて薪で溫める。
本格的な冬場になると凍結の恐れがあるため、村人が給水所を當番制で管理していた。
アイリーンとエルメダが住んでいる元空き家にも風呂の設備はあるが、何せ民家の外だ。風呂で溫まっているうちはいいが上がると寒い。
本格的な冬場になるとも凍るほどとなるため、浴も命がけだった。
「そんなに寒いか?」
「アイリーンさんは特別製だから! だからが溫まる薬湯が必要なの!」
アイリーン以外、満場一致で薬湯を必要としていた。
村長の家に赴いて話せば興してメディの手を握る。
「新たな村興しになるかもしれん! 資金は惜しまんぞ!」
「村興しですか?」
「そうだ! それも大浴場!」
「だいよくじょー!?」
巨大な共同風呂だ。その文化を知らなかったメディは驚愕する。
不特定多數と一緒に風呂にると考えると、さすがにすぐにはけれがたいものがあった。
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「人が集まれば、この村も活化する。不便なことも減るじゃろうて」
「なるほどっ!」
村長の一言でメディは一瞬でけれた。次の問題は人員だが、これは意外と早く解決する。
「姉! オレ達に任せてください!」
「気合いった風呂をガンガン沸かしますぜ!」
「文句つけてくる奴がいたら秒で殺しますわ!」
アンデ、ポント、ウタンの三人が秒で快諾する。メディは笑顔で彼らに任せた。
人員が揃って村長の許可が得られたところで、メディは奔走する。薬湯の建の建築計畫を練るために大工のオーラスと相談。
村人の年長者を集めて、綿に計畫を練った。薬湯計畫はたった一日で村中に広まる。
大人はもちろん、子どもにとっては未知の境のようなものだ。広い風呂ができるというだけでワクワクが止まらない。
メディは奔走した。不特定多數がる湯であれば、相手のに合わせたポーションの調合とはわけが違う。
メディの薬屋で売られている汎用ポーションは老若男、誰でも飲める。
それと同じ要領で老若男のを刺激せず、ゆったりと気持ちよく浸かることができる湯にする必要があった。
* * *
「さーて!」
まず魔力水は使えない。大量に用意できない上にコストがかかりすぎる。
そうなると通常の水をベースとしなければいけない。
村の地下水 ランク:B
「水は良好です」
幸い水に恵まれているのはメディにとって大きな助けだ。その上で薬湯をこれから考えていく。ただの湯に素材をれただけでは効果は薄い。
保溫を考慮して、メディはレッドハーブを選定した。アイリーンに持たせたフィジカルポーションにも使われている素材だ。
より効果があって老若男になじむ薬湯。口で言うほど優しくないと、さすがのメディも頭を抱えた。しかしそれもまた楽しい。
一度、調合作業にると食事もとらずに沒頭してしまうほどだ。
レッドハーブ ランク:B
レスの葉 ランク:C
「レスの葉も欠かせません」
アイリーン経由で手にるレスの葉も使用候補だ。
ブルーハーブ:B
「効果をより浸させるにはブルーハーブの魔力の助けが必要です」
魔導士でなくとも、人間のは微弱な魔力を保有している。魔力を通じてに効果を浸させるのは、通常のポーションと同じだ。
フィジカルポーションの要領であればレッドハーブは欠かせないため、メディは一つ試してみることにした。
「沸騰させてからレッドハーブの分を出!」
調合釜に二つのハーブをれて煮詰めた。湯に溶けだしてできたものは――。
力の水 ランク:B
「疲労回復の効果一つ!」
メディは浴剤のようなものを考えていた。それならば予めメディが用意しておけば、後は誰が湯に投しても同じ効果が得られる。
力の水で満足するメディではない。
「力の水、もいいですが……」
一から練り直しだとばかりにメディは力の水を見つめ直す。ベースの他には末狀も考えていた。
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