《お薬、出します!~濡れを著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】》レスの苗木と獣人部隊到著

「レスの苗木五本、レスの葉五萬枚、魔力の水その他もろもろをお屆けだぜッ!」

カイナ村にやってきたのはワンダール公爵が派遣した獣人達だ。數臺が連なる荷車が到著したところで、メディは打ち震える。

いよいよこの村にレスの苗木がやってきたのだ。それどころか、大量のレスの葉と手しにくい魔力の水や素材までセットだ。

この珍客には村人達も関心を寄せる。獣人など見た事がない彼らは遠巻きに眺めるだけだ。

「ワンダール公爵直屬の獣人部隊『キメラ』の部隊長ドルガーだ! こっちはイルグスな!」

「某は知っている……人間はこの後、自己紹介する」

「よくぞ參られた。ワシがカイナ村の村長だ」

「メディです! 今日はどうもホントに激ですー!」

狼と鳥、その他數名の獣人がカイナ村にやってきた。クレセインから魔導貨列車を利用して遙々やってきてくれた事にメディは何度も頭を下げる。

挨拶もそこそこにさっそくレスの苗木がメディの畑に運び込まれた。

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レスの木もまた専用の溫室が必要となる為、建築も必須となる。派遣されたキメラは村長やメディに従うように指示をけていた為、話が早い。

畑にレスの苗木が植えられた後、メディはキメラの獣人達に溫室の建築を依頼した。

「こりゃ立派な畑だな! だがちーっとばかし土が殘念かもな!」

「魔力の水とレスの葉、牛の糞があればもうしランクアップできると思います」

獣人達が作業している間、メディはさっそく室に戻って調合を始めた。

レスの葉 ランク:A

魔力の水 ランク:A

牛の糞 ランク:C

魔力の水を惜しんでいた頃はブルーハーブと普通の水で代用していたが今は違う。

上質な魔力の水を用意する事で、この工程を省けるのだ。更に今は上質なレスの葉がある。

調合釜に魔力の水をれて沸騰させてから別の容に移し替えて牛の糞を投。レスの葉を調合釜で乾燥させた後、すり潰した。

枯れ葉が土へ還る事でやがて腐葉土となるように、分だけを出する。

最後に容っているに乾燥させたレスの葉から出された分を掛け合わせていよいよ完した。

畑の料:A

「この上ない上質な料ですっ!」

正確にはランクSという上があるのだが、今の素材では不可能だ。

それよりも自分の腕で最高のものが出來た事をメディは喜ぶ。薬屋の裏手から畑に出て料を撒いた。

これにより、畑で栽培している素材のランクも上がる。軒並みランクAへと変貌するのだ。

「こりゃ見事な畑だな!」

「ドルガーさん、何から何までありがとうございます」

「なーに、ワンダール公爵の命令だからな。実は俺達もカイナ村に滯在するように言われたんだ」

「それはそれは!」

ドルガー達の役割はカイナ村の警備及び力仕事への従事、その他の足りない手を貸す事。

オーラス達だけで行っていた建設作業も、彼らが加われば二倍以上の工期短が可能となる。

あまりに至れり盡くせりでメディは逆に申し訳なくなるほどだった。

「ワンダール公爵……。ここまでしていただけるなんて……」

「お前以外であの人に気にられたのはあいつ以來だな。確かバ」

「某は知っている……ドルガーは口が軽いと……」

イルグスが翼でドルガーの口を覆う。ドルガーも自覚して何事もなかったかのようにわざとらしく空を見上げた。

「ま、まぁすげぇって事だな」

「すげぇんですね」

「それとこの畑も警備対象だ。獣害なんかもあるだろ?」

「あ、それは大丈夫です。この辺の魔が嫌う香水を撒いてます」

「なにそれ」

「なにそれ」

ドルガーとエルメダの発言が被った。隣にはいつの間にかエルメダがいる。

狩りから帰ってきたエルメダは何の疑問もなく、獣人達に馴染んでいた。

メディの畑を知っていても、そんな謎の香水が撒かれていたなど知る由もない。

そもそもそんな事が可能なのか。と、考えたところでメディだからとしかならなかった。

「圧巻だねー。つまりこの村も賑やかになるわけだ」

「薬湯もありますからねぇ。でもドルガーさん達はどこに住むんですか?」

「何の心配もない。自分の面倒くらい自分で見る。つまり家なんか自分で建てりゃいいのさ」

ワンダール公爵直々の獣人部隊キメラの派遣はこの村に多大な利益をもたらす。

作業人員だけではなく、単純に人口が増えるので必然的に商売も増える。村人の中にはすでに飲食店などの経営を考えている者もいた。

しかし世の中、上には上がいる。エルメダは獣人達を見て閃いたのだ。

「獣人によるもふもふカフェなんかもいいかな?」

「む?」

「あ、いや。何でもない」

さすがに彼らのプライドを刺激しかねないと、エルメダは口を塞ぐ。

それはそれとして、獣人は一部から熱狂的な支持があった。獣人のみで構された劇団や高い能力を活かしたサーカスなど、活躍の幅は広い。

そんな可能とは別にエルメダは思った。この村の戦力が強化されている、と。

戦力が増して損する事はないが特段、得するようなことも思いつかない。定期的な山狩りを行っていれば、村が襲われる可能は低い。

「こりゃ何が襲撃してきても怖くないね」

「む?」

「いやいや、何でもない」

何が襲撃するというのか。自分で言っておきながら、エルメダは苦笑した。

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