《お薬、出します!~濡れを著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】》極剣と愚者
「じゅ、獣人……!」
アバイン同様、サハリサやデッドガイに送り込まれた冒険者達に対してドルガー率いる警備隊が立ちはだかる。
指示通りにかなければ、彼らのに火がつく。こんな辺境の村に獣人がいるとは思わず、冒険者達は怖気づいた。
特にキメラの獣人は四級以下の彼らが戦える相手ではない。しかし、武を握っている以上は敵だ。
ドルガーは腕を回して戦う素振りを見せると、冒険者達が一気に逃げ腰になる。
「なんで獣人がいるんだよ……!」
「に、逃げようぜ……」
「でもやらないと火がつくだろ!」
彼らの會話をドルガー達は理解できなかったが関係ない。そこにいるのは明確な敵だ。
武をもってカイナ村に侵しようとした賊であり、それ以外の事実はどうでもいい。
「おう、なんのつもりか知らねぇがここを通すわけにはいかねぇな」
「う、うわぁぁぁ!」
やぶれかぶれになって先頭に立つドルガーに冒険者の一人が斬りかかるも、拳一つで沈黙した。
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遙か後方まで毆り飛ばされた冒険者が痙攣して意識を失っている。
ドルガーが拳を突き出したままのポーズを見て、冒険者達は何が起こったのか把握した。
「い、今、やられたのか?」
「やっぱり勝てるわけねぇよ!」
「なんだぁ? やる気ねぇのか?」
ドルガーはあまりの手応えのなさにやや落膽する。警備隊を編しているが、実戦の機會など皆無だ。
暇と力を持て余していたところでやってきた襲撃者が一撃で寢てしまったのだ。ドルガーにとっては何のやりがいもない。
小さくため息をついたドルガーの後ろからアイリーンがやってきた。
「この中にデッドガイとサハリサはいないようだな」
「なんだよ、アイリーン。やっぱりそうかよ」
「まぁいい。こいつらを黙らせた後で聞き出せばいい」
ブラウンのロングヘアーに攜える剣、アイリーンという名。
更に対峙しただけで全が切り刻まれる覚。立つ事すらもままならなくなり、一人は膝をついて嘔吐した。
殘りの者達もそこにいるのが極剣のアイリーンだと察する。
「ま、まさか極剣……?」
「なんで、なんでこんな村にいるんだよ!? 話が違うじゃないか!」
「いかにもそう呼ばれている者だが、目的はメディとロウメルさんの命か?」
「俺達は……」
そう言いかけた冒険者が言葉を飲み込む。ここで否定したり逃げてしまえば、火の尾が生えて焼き盡くされる。
急に黙った冒険者を訝しんだアイリーンだが、容赦なく剣先を向けた。
「話す気がないのなら喋ってもらうぞ」
「いや、待ってくれ!」
「お前達に指示したのは不死のデッドガイと炎狐のサハリサか?」
冒険者達がまたも黙る。アイリーンは彼らの表や仕草を観察した。
なくとも襲撃は本意ではない。視線の移や呼吸、の震え、すべての作を見れば真相が見えてきた。
周囲に脅している人間の気配はない。人質をとられているにしても、一人くらい意を決して訴える者がいても不思議ではなかった。
それすらもできないとなれば、答えは一つしかない。
「逆らえば何らかのペナルティがあるのか」
冒険者達の表が答えだった。察したアイリーンだが、そのペナルティをどうにかできるわけではない。
その上で彼は剣を抜く。
「事があるとはいえ、襲撃に加擔にした事実は消えない。私はお前達を逃がすつもりもなければ許すつもりもない。元の生活に戻れるなどと思うな」
彼らの頭から逃げるという選択肢などない。怪が立ちはだかったのだ。
生の本能は死を予する。恐怖で思考が奪われて、死をけれる覚悟さえ芽生えてしまった。
足腰の力が抜けてへたり込む者、武を落とす者。聲を出さずに涙を流す者。それぞれが違った形で死を意識していた。
そんな彼らにアイリーンは笑みを浮かべる。
「命を守りたければかかってこい」
思いがけないアイリーンの一言に、冒険者達は思考がく。
助かる道はある。アイリーンなりのけだった。
「武を取れッ!」
アイリーンの激に対して全員のがく。一人、二人と武を握って立った。
「ク、クソッ……クソォォォッ!」
挑んだ冒険者の剣が弾かれる。勝負など立しない。しかしアイリーンはそれ以上、何もしなかった。続く挑戦者を待ちんでいる。
「このぉぉ!」
「てやぁっ!」
一人、二人が気がついた時には地にねじ伏せられていた。自に何をされたのかすらも認識できない。
手元に武はなく、遠くへ飛ばされている。
「逃げるならば、この程度では済まさない」
「おおぉぉ!」
殘りの者達が一斉にかかるが決著した。激痛で悶えている冒険者をアイリーンは冷たく見下ろす。
「サハリサとデッドガイか?」
苦悶の表を浮かべる冒険者は答えない。訴えるような目でアイリーンが察するだけだ。
極剣のアイリーン。ドルガー達も噂でしか知らなかった。しかし今日、目の當たりにした彼らは昂る気持ちを抑える。
彼に敵うかどうかなど考えていない。今すぐにでも挑みたくなるが、ドルガーは深呼吸をして気を落ち著かせた。
「ドルガー、彼らの拘束を頼む」
「そりゃ構わないが、お前はどこに行くんだ?」
「村の中に戻る。どうも嫌な予がする」
アイリーンは冒険者達を許すつもりなどない。然るべき裁きをけるべきだと真剣に思っている。
そのは裏にいる者達に対しても同様だった。
世の中にはメディのように人を救える者ばかりではない。外道へ手引きして奈落を落とそうとする者もいる。
アイリーンはリラックスハーブティーの味を思い出した。救われる心地を知った彼の憤りの矛先は間違いなく迫っていた。
「……まったく。どこのバカだよ、あんなおっかねぇを怒らせたのはよ」
気がつけば戦いたがっていたはずの自分がどこにもいない。ドルガーもまた本能で極剣を理解した。
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