《お薬、出します!~濡れを著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】》これからの村に必要なもの
「ふむ、商人か。村へ來た目的は?」
「溫泉があると聞いてな。ついでに商売もさせてもらいたい」
治療院での一件が片付いて以來、村にしずつ外部から人が訪れるようになった。
ただしカイナ村までの道は整備されておらず、道中には魔が出現する。冒険者を雇って、その道のりを越えられるとなれば限られていた。
羽振りのいい商人などは護衛をつけて悠々とやってくるが、來訪者の數はまだまだない。
「商売か。商品を見せてもらおうか」
「な、なんか厳しいな……。これでどうだ?」
「つい最近、よからぬ連中に村が襲われてな。気を悪くしたならすまない。よし、通っていいぞ」
ドルガー隊に加えて、村の口には時々アイリーンが立っている。
彼の冒険者としての知識は大いに役立つ。不當な商品を村に持ち込もうとすれば、すぐに見抜けるからだ。
よからぬ輩であっても同様であり、極剣のアイリーンの目を誤魔化すのであれば王宮に侵するほうがまだ簡単だった。
Advertisement
ドルガー隊は彼から研修のような形で學んでおり、その知識を取りれなければいけない。
極剣直々の指導など、大々的に募集すれば各地から集まるほどの需要がある。討伐専門でやってきたドルガー達はその幸運を何としてでもものにしようとしていた。
「今の奴はニヤけた面してたし、ぶっ飛ばしてもよかったんじゃねえか?」
「職業柄、心証を良くしようとすればあんな風にもなる」
「じゃあ、他の基準はなんだよ?」
「最初に目を逸らさなかった。後ろめたい何かを持っているものは無意識のうちに初対面の態度に出る。見られたくないものであれば、無意識にそれを庇う。その際の視線の運びもそうだな。こちらに向かう時の足取りの迷いのなさ、他にもたくさんあるぞ」
「……敵う気がしねぇな」
學ぼうとして學べるものか、ドルガーはまるで自信がない。
ただし鼻が利くため、知識さえつけてしまえばよからぬものの臭いを嗅ぎ分けられる。
そうなればアイリーンとほぼ同等の仕事ができるようになると勵まされており、モチベーションは落ちない。
「村の皆の為でもあるが、特に心配なのはメディだ。先ほどの商人なら心配はないが、中には彼を利用しようとする輩がやってくるだろう」
「宿が完すりゃ、これまで以上に忙しくなりそうだな」
「そうだな。だからこそ、より多くの者達を指導したいのだが……エルメダ」
「ふぁいっ!?」
エルメダが近場の巖に腰を掛けて船をこいでいた。ビシッと直立するも、すでに遅い。
「エルメダ、食べすぎると眠たくなるどころか、にもよくないとメディに言われただろう」
「だってぇ……。最近、なぜか村の皆にお呼ばれされてたくさんおいしいもの食べさせてくれるんだもん……」
「そこで斷れないのはお前の意思の弱さだな」
「でも魔導士は魔法をたくさん使うから、食べすぎでちょうどいいんだよ。だから太ってる魔導士はほとんどいない」
「では堂々とメディに健康診斷してもらえるな」
「ひっ!」
メディにかかればの基礎知識をえて栄養の偏りが引き起こす病について講義されるので、エルメダはもっとも恐れている。
大浴場でもしがついてきたと言われてショックをけたばかりだ。その度にダイエットを志すが、三日ともたない。
実際には過剰に恐れるほどひどくはないが、メディの目はかなり厳しかった。
「アイリーンさんはなんでそんなに引き締まったしてるの?」
「私と共に過ごせばわかる」
「すみません、真面目にがんばります」
エルメダがわざとらしく軽快に移して遠くを眺める。上空から何かが飛んできた。
翼を羽ばたかせてやってきたのは獣人のイグルスだ。荷を足に引っ掛けて飛んでいる。
「某は知っている。この後、ドルガーから『イグルス、買い出しか』と問われる事を……」
「イグルス、買い出しか?」
「フ……」
「勝ち誇らなくていいからよ」
「その通りだ。メディに素材の仕れを頼まれてな。これが結構、いい収になる」
ドルガー隊のイグルスは鳥の獣人であり、行範囲がもっとも広い。
足りない素材を手早く補充できる為、半ばメディの雇われのような狀態となっていた。
「ここ最近は人が増えるかもしれないってもんで、張り切ってるよなぁ」
「そうだな。外部から病を持ち込まれる可能がある。その為に村人全員に飲ませるポーションを開発しているらしいな」
「そんなもん予防なんて出來るのかぁ?」
「普通は難しいがメディなら可能だろう」
ドルガーは訝しんだ自分を恥じた。メディは公爵専屬の治癒師でさえも見抜けなかったワンダールのシュラ蟲さえも看破したのだ。
とはいえ、アイリーンが知る限りではメディといえど苦戦している。全員の質に合った予防ポーションなど、並みの治癒師や薬師なら思いついてもまず実行しない。
それが出來れば苦労しないと諦めるからだ。その上で現実と向き合い、打開策を練る。
しかしメディは違った。彼の中に出來ないの文字はない。自分の限界を一切考えず、常識に囚われない。
思いついた事は何でもやる。足りなければイグルスに頼んで買ってきてもらう。今日もメディは空いた時間を利用して研究に打ち込んでいた。
「あの子もよくやるね……。別にそこまでしなくてもいいのに」
「そこまでやるのがメディだ。そうでなければ、私はここにいない」
「私もか」
アイリーンとエルメダには當然、思い當たる節がある。メディは妥協せずに今後、村が抱えるかもしれない問題に先手を打とうとしているのだ。
宿の建築、予防薬。村が來訪者をけれるピースとしてはどちらも重要だった。
応援、ブックマーク登録ありがとうございます!
おかげ様で総合ランキング、今回は45位!
ジャンル別3位!
超謝です!
「期待」「面白い」
などと、ほんのしでも思っていただけたならすこぶるモチベーションに繋がりますので
ブックマーク登録と
ここから下の広告の更に下にある「いいね」と☆☆☆☆☆による応援のクリックかタップをお願いします!
【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの少年は、眠りからさめた女神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】
サーガフォレスト様より、1巻が6月15日(水)に発売しました! コミカライズ企畫も進行中です! 書籍版タイトルは『神の目覚めのギャラルホルン 〜外れスキル《目覚まし》は、封印解除の能力でした〜』に改めております。 ほか、詳細はページ下から。 14歳のリオンは駆け出しの冒険者。 だが手にしたスキルは、人を起こすしか能がない『目覚まし』という外れスキル。 リオンはギルドでのけ者にされ、いじめを受ける。 妹の病気を治すため、スキルを活かし朝に人を起こす『起こし屋』としてなんとか生計を立てていた。 ある日『目覚まし』の使用回數が10000回を達成する。 するとスキルが進化し、神も精霊も古代遺物も、眠っているものならなんでも目覚めさせる『封印解除』が可能になった。 ――起こしてくれてありがとう! 復活した女神は言う。 ――信徒になるなら、妹さんの病気を治してあげよう。 女神の出した條件は、信徒としての誓いをたてること。 勢いで『優しい最強を目指す』と答えたリオンは、女神の信徒となり、亡き父のような『優しく』『強い』冒険者を目指す。 目覚めた女神、その加護で能力向上。武具に秘められた力を開放。精霊も封印解除する。 さらに一生につき1つだけ與えられると思われていたスキルは、実は神様につき1つ。 つまり神様を何人も目覚めさせれば、無數のスキルを手にできる。 神話の時代から數千年が過ぎ、多くの神々や遺物が眠りについている世界。 ユニークな神様や道具に囲まれて、王都の起こし屋に過ぎなかった少年は彼が思う最強――『優しい最強』を目指す。 ※第3章まで終了しました。 第4章は、8月9日(火)から再開いたします。
8 98引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
毎日引きこもっていただけでLv.999になっていた―― ちょっと前まで引きこもりだったのに、王女様やら幼女やらが近寄ってきてハーレムも起きてしまう。 成り行きで勇者をぶっ飛ばし、代わりに魔王の娘、ロニンを助けることになった主人公・シュン。 みなが驚く。 引きこもっていたくせにこんなに強いなんてありえないと―― 魔王の娘と関わっていくうち、シュンはすこしずつ変わっていく。 ――平和な國を作るとか、そんなめんどくせえことやりたくねえ。 ――でも誰かがやらないと、またロニンが不幸な目に遭う。だったら、俺が…… いつまでも自分の世界にこもっていられない。 引きこもりによる國づくりである。 皇女セレスティアとの爭い、國王エルノスとの政治的駆け引きなど、さまざまな試練を乗り越えながら、シュンは自分の國を育てていく―― 全力で書いております。 読んで後悔はさせません。 ぜひお立ち寄りくださいませ。 *キャラクター人気投票を実施しております。よりよい作品にするため、ぜひご協力をお願い致します。リンクは目次と各話の一番下にございます。 *アルファポリスにも掲載しております。
8 122発展途上の異世界に、銃を持って行ったら。
「おめでとう!抽選の結果、君を異世界に送ることになったよ!」 「……抽選の結果って……」 『百鬼(なきり) 樹(いつき)』は高校生―――だった。 ある日、授業中に眠っていると不思議な光に包まれ、目が覚めると……白い空間にいた。 そこで女神を自稱する幼女に會い『異世界を救ってくれないか?』と頼まれる。 女神から『異世界転移特典』として『不思議な銃』をもらい、さらには『無限魔力』というチート能力、挙げ句の果てには『身體能力を底上げ』してまでもらい――― 「そうだな……危険な目には遭いたくないし、気が向いたら異世界を救うか」 ※魔法を使いたがる少女。観光マニアの僕っ娘。中二病の少女。ヤンデレお姫様。異世界から來た少女。ツッコミ女騎士、ドMマーメイドなど、本作品のヒロインはクセが強いです。 ※戦闘パート7割、ヒロインパート3割で作品を進めて行こうと思っています。 ※最近、銃の出番が少なくなっていますが、いつか強化する予定ですので……タイトル詐欺にならないように頑張ります。 ※この作品は、小説家になろうにも投稿しています。
8 116拾ったのはダンジョンコアでした!?
僕は前世の記憶を持つ子供だった。 僕は前世の記憶が蘇った時には孤児になり住んでいる村の村長さんに育てられていた。 僕はいつも通り村長さんのお手伝いをしていると森の中で水晶を見つけた。 水晶は水晶ではなくてダンジョンコアだったのだ。 ダンジョンコアを拾った僕はダンジョンマスターになった。 これはダンジョンコアを拾ったことでダンジョンマスターになった僕の物語
8 164光と壁と
高校體育教師の小川恵子と、東大卒でありながら冴えない著物の仕立て屋として活動する結城裕康の戀愛、結婚生活を描く。著任した高校になじめず、ノイローゼとなった恵子は靜養のため、茨城県の結城市にやってくる。偶然行った展示會で、裕康と出會い、彼の経歴に感激してしまって強引に結婚し、、、。 自己犠牲者とそれを理解できない女性との衝突を読んでいただけたら幸いです。 老荘思想とか、仏法の影響も強いお話。 とりあえず長いだけが取り柄のお話ですが、読んでみてください。
8 172異世界でもプログラム
俺は、元プログラマ・・・違うな。社內の便利屋。火消し部隊を率いていた。 とあるシステムのデスマの最中に、SIer の不正が発覚。 火消しに奔走する日々。俺はどうやらシステムのカットオーバの日を見ることができなかったようだ。 転生先は、魔物も存在する、剣と魔法の世界。 魔法がをプログラムのように作り込むことができる。俺は、異世界でもプログラムを作ることができる! --- こんな生涯をプログラマとして過ごした男が転生した世界が、魔法を”プログラム”する世界。 彼は、プログラムの知識を利用して、魔法を編み上げていく。 注)第七話+幕間2話は、現実世界の話で転生前です。IT業界の事が書かれています。 実際にあった話ではありません。”絶対”に違います。知り合いのIT業界の人に聞いたりしないでください。 第八話からが、一般的な転生ものになっています。テンプレ通りです。 注)作者が楽しむ為に書いています。 誤字脫字が多いです。誤字脫字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめてになります。 【改】となっているのは、小説家になろうで投稿した物を修正してアップしていくためです。第一章の終わりまでは殆ど同じになります。
8 95