《【書籍化】勇者パーティで荷持ちだった戦闘力ゼロの商人 = 俺。ついに追放されたので、地道に商人したいと思います。》01 プロの荷持ち

薬草農家編1〜17まで。

一応一通り完したので、定期的に投稿していきます。

ちょいエロります。

苦手な方はご容赦ください。

行商人になることを決めた俺(アルバス)は、しばらくはヤック村と、

その隣町で、冒険者ギルドのあるモルト町を行き來しながら、主に「ある仕事」で生計を立てていた。

ちなみに、行商ではない。

俺の最初の商売計畫

『30,000マナで買った薬草を、ギルドで2割り増しの36,000マナで売って6,000マナ儲けてやるぜ大作戦』

は…

「ちょっとしたクエストに行くのに、そんなに大量の薬草を買うやつはいない」

「ってか、すぐ近くの商店まで行って買った方が安くね?」

という至極當然の事実の前に、脆くも崩れさった。

定価と変わらない値段まで値下げした上、売れるのは多くてもせいぜい1日500マナ分くらい。

儲け分なんて50マナくらいだ。

とてもじゃないが、生活費を稼げるレベルの商売にはならなかった。

喜んだのは、いきなりまとまった金がった薬草農家の主人だけだ。

「これで助かるわーー!」

「よかったよぉ、お母さーん!」

娘と共に抱き合って喜んでいた主人。

なんなら、し涙とかも流してた。

そこまで喜ばれるのは意味不明だったが。

そんな2人に返品に行くことも出來なくて、仕方なく薄利で細々と売り続けることになった。

そして、商人として撃沈する俺が、その時偶然に閃いて始めた新たな商売が「クエスト中の荷持ち」だった。

「荷持ち」

ようは、「倉庫」スキル持ちがいないパーティのクエストに同行して、討伐したモンスターや素材の運搬を手伝うのだ。

マジで…

勇者パーティにいた頃となにも変わらないぜ。

だが、15年もの間、勇者のパーティでそればかりやり続けたので、もはや俺は「荷持ちのプロ」と言っても過言ではない!

魔法をぶっ放し、剣を振り回すパーティメンバー達の間をすり抜けながら、討伐済みのモンスターをサクサク倉庫に収納していく。

ちなみに「倉庫」には生きらないが。

討伐され、生命エネルギーでもある「マナ」が抜け、「亡骸(なきがら)」と呼ばれる狀態になったモンスターならば「アイテム」の一種として収納可能だった。

本來ならば、モンスターを討伐するとその場で解して必要な部分だけを切り出す作業をするのだが。

「倉庫」スキル持ちがいるとその必要がなくなる。

討伐直後。モンスターから抜けたマナだけを封霊石に封じ込め。

そのあと亡骸はいったん「倉庫」にしまっておく。

そして安全な場所に移ってから再び取り出して、いっぺんに解するのだ。

小型のモンスターでは割とよく使われる手なのだが。

実は中型以上のモンスターでは、あまり聞かない手法だったらしい。

勇者ライアンのパーティでは、クエストのたびに日常的にそういうことをしていたのだが…

どうやら俺の「倉庫」の容量は、普通より多大きいようだった。

普通の「倉庫」ならば、中型モンスターを空の狀態で4〜5れるのが限界なのだが、俺の「倉庫」は20でも簡単にれることができたのだ。

その辺りを売り込むと、「倉庫」スキル持ちがいるパーティですら、俺に「荷持ち」を依頼してくれた。

固定客も付き始めて、俺はこの仕事でとりあえず食い繋ぐことができていた。

「これじゃ、商人というより、やっぱりただの荷持ちだよな…」

本日の「荷持ち」報酬、1,000マナ。

そして、本日の薬草販売で得た報酬150マナ(原価135マナ・儲け15マナ)を見て。

俺は盛大なため息が出た。

メインの仕事が荷持ちになっている。

やはり、もう。プロの荷持ちだ。

大商人への道のりは、まだまだ遙かに遠そうなのだった。

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